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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第三章 雲龍風虎
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三面六臂4

『龍さん、佐助の報告だと宇都宮本隊は現在鬼怒川を超え、3時間程で此処に到着する模様です』



『分かった。では真岡城には宍戸さんが残り、他の全軍は城前に展開しようか。宍戸さん真岡城は任したよ』



『承知した』




宇都宮本隊は北西の方角から向かって来ている。

佐助によると兵数は1万7千~2万との事だ。



真岡城攻めで味方の被害は最小限に抑えられ城に500程残したので味方の兵4300程で敵を迎え撃つ。




『スケさん…』



『龍殿、如何したか?』



『籠城するならまだしも野戦で4倍の兵数差の敵と戦うって普通じゃないよね』



『…普通じゃないな。しかし龍殿の元に世話になってからは普通じゃない戦ばかりで普通が何なのか分からぬよ』


資正は笑っていた。



『よしよし、んなら一気に宇都宮城まで落としに行こうか、いや此処で宇都宮の当主を降伏させるかな』


龍は味方の中では一番 戦の経験が少ない。

その経験の少ない人間が言ってる事だ、そう上手く行くはずがないのだが

周りの人間は不思議と、龍が言うのなら出来るのかも知れないと思ってしまう。



『ふむ…某が思うに宇都宮城には それ程多くは兵が残ってはおらぬはず。もしこの宇都宮軍に勝てたら宇都宮城まで雪崩込める可能性はある。龍殿ならば…だ』



『そうね…途中で撤退されない事を願うか』


龍は勿論だが資正まで宇都宮に勝つ前提で話しをしている。

現状、兵数だけで言えば劣勢なのだが。





『見えました!敵軍です!』



味方兵の言葉に龍は視線を移すと

宇都宮の軍勢が遠くに見えた。



『おぉ…来たな。よし!迎撃準備!』



陣形は既に整えてある。

あとは敵が射程距離まで近付いて来たら龍撃隊が魔術砲を飛ばし

爆発音を合図に蹂躙するだけだ。



『じゃぁ スケさん頼んだよ。俺も配置に付く』



『ハッ、龍殿も怪我はなさらぬ様に』






およそ500mの程の距離を空け

三國軍と宇都宮の軍勢が対峙する。


三國方は偃月を、宇都宮方は鶴翼を

それぞれに陣を組んでいる。




『あの形は こっちを包囲するつもりって事だよね?』



『そうですね、数が多い方が組むと有利になる陣形です』



『まぁ良いさ、左右の翼を折ってやるだけだ』


鶴翼は敵に向かいV字の形をしている。

敵が攻め込んで来ると左右から包み込み攻撃する。


対して偃月は三日月の様な形で隊を縦に2列に分け敵に向かって行く。

先頭に大将が配置される為、龍撃隊を最大限に使うには都合の良い陣形になる。



『よし…んなら行くか。後世の歴史に名を残す戦にする』

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