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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第三章 雲龍風虎
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三面六臂3

兵を縦に2列に並べ三國軍は宇都宮の軍勢に向かって行く。


それぞれの列の先頭は龍と龍撃隊50、雫と龍撃隊50が務める。

そのすぐ後ろに幸村と資正の部隊が控え

さらに後ろから残りの部隊が付いて行く。



300m、訓練する毎に徐々に伸びていく魔術砲の射程距離に敵を捉えると

龍と雫、それぞれの龍撃隊が一方的に魔術砲を放ち始める。


ほとんど大砲の様な物で鉄砲とは射程距離も威力も段違いだ。



魔術砲に起こした土煙が少しずつ晴れてくると

敵兵に向け幸村と資正の部隊がそれぞれ突撃を敢行する。



乱戦の中、鏑矢が数本甲高い音を鳴らし飛んでいくと

幸村と資正の部隊は一斉に後方に向け下がる。


それと入れ違いに今度は笠間、益子、宍戸、里見の兵が敵に向かって飛び出して行く。



両軍がぶつかり、まだほんの半刻程の事なのだが既に真岡守備隊はボロボロになり逃げ出す兵も数多く出てきている。




(雫、幸村、スケさん、後は任して城に行くぞ)


龍は魔術砲を上空に放ち爆発音を鳴らし合図を送る。


おそらく真岡城には千人程の兵が残ってるだけだろう。


野戦で逃げ出した敵兵が城に戻る前に

真岡城を攻め落とす。



龍撃隊と幸村、資正の部隊、総勢2千は真岡城へ移動を開始し移動しながら隊列を整える。


戦場を少し迂回しながらの移動になるが問題ない。





『隠密射撃!門と矢倉を狙え』


いつもの様に龍の合図で大手門とその脇に備えてある矢倉を破壊し幸村の部隊が突入して行く。


龍は龍撃隊50を連れ幸村に付いて行き三の丸、二の丸と門や矢倉を破壊して行く。


資正はその後を要所要所を制圧し

雫の率いる龍撃隊がそれをサポートしている。




龍が芳賀高定と再度 顔を合わしたのは本丸内で高定が自刃しようとして居た場であった。


『おいおい、やめとけやめとけ』


雷の魔術を飛ばし高定が持っていた小太刀を吹き飛ばすと龍は意味なく死ぬなと声を掛けた。



『ぐ…武士の情けだ。止めないでいただきたい』



『すまんが それは断る。俺は武士ではないしな。死ぬ位なら死んだと思って俺の家臣になれ』



『それは出来ない…広綱様に顔が立ちません』



『そうか。なら広綱とやらの所に生きて行け、今死ぬな』



『逃してくれるですか』



『俺は恨みがあって宇都宮と戦をしている訳ではない。あと宇都宮家の諸将も全員配下になって欲しいから』



『…それは無理と言う物』



『無理ではないさ。俺に付いて来れば日本を一つにする勢力の一員になれる…魅力的だろ?』


ほぼ同数の兵士で戦を始め わずか1、2時間で城を落とされているのを考えると

高定は(天下統一…か)と考え始めた。


真田…いや三國の軍勢は強いとは思って居たが ここまで強く一方的になるとは思っていなかった。

ここ真岡の地で宇都宮の本軍が来るまで粘り強く抑え一気に反撃し三國軍を叩くつもりだったのだ。




『…分かりました。では宇都宮の本軍を相手にどの様に戦うのか それを見させていただきます。広綱様を説得するにも 広綱様自身が三國殿と戦ってみないと分からないでしょう』


まだ広綱は若い少年だ。

それでも三國殿と戦えば何かしら感じてくれるだろうと高定は期待していた。



『そうか分かった。ま、ココからこの後の戦を見ててくれよ。とりあえず一旦 この城は俺の物って事にしとくけど』


高定はコクリと頷き

父 益子勝宗の言葉を思い出していた。


父の言う通りに龍は普通の男ではなかった。


飄々として居る様で戦場に出れば鬼神の様に攻め立てる。

先ほどの魔術を見た限り おそらく1対1の戦いでも相当な腕を持っているはずだ。


そして従っている男共も良い武将だ。


あの様な男に従い自分も思う存分、武功を立てたい。


父が言う男に惚れると言うのも分かった気がした。

チョコチョコ誤字を直すのに

編集したりしてます。


内容は変えてないです。

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