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第3話 『機械の記憶』
「僕の両親は人間だ
子宝に恵まれず僕が作られた
最初は可愛がって貰えた
嬉しかった
しばらく経つと邪魔物扱いされた
悲しかった
機械なのに傷付くなぁ」
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「はい、チャイムが鳴ったから今日の授業はここまで〜!来週はP34から読んでもらうかなー」
授業が終わった
現代文の時間に有名なロボットの童話…
小さい頃散々聞かされたっての…
ん?小さい頃?
僕の小さい頃ってどんな感じだったか…
思い出せない
確か、童話の続きは…
教科書のページをめくる
「僕の両親は悪魔だった
娯楽の為に作った僕を
寿命がくるまでこき使い
記憶を消してリサイクル」
僕は記憶を消されているのか…?
「うう…」
何かを思い出せそうで思い出せない
とても大切なこと
忘れてはいけない事を忘れてる気がする