第八話 ~哀しい現実~
お待たせしました!
Majick World第八話です。
いろいろなお話を飛び回っているので間違わないようにして下さいね。
ちなみにこれはアメガシリーズです。
俺は今、魔界留置所で四肢を壁にはりつけられている。俺は魔界法の魔法・魔術科の第五七一六二条に違反し、その件の裁判を待っている状態だ。メルにも事実を告げていない。もちろんセイイチにもだ。
「2017225号、飯だ」
俺はここでは2017225号と呼ばれている。俺はもうじき裁判にかけられるだろう。だが、後悔や未練はない。しかしこれからは、セイイチのように瀕死の人類をこの世界に呼び寄せることはもうできない。さて、これからどうしようか。
「2017225号もそろそろ裁判にかけられるな」
と看守が笑いながら話しかけてきた。だが、ろくに飯も食わされていない俺には、言葉を返すほどの余裕はなかった。
「・・・。」
「おい、なんとか言えよ2017225号」
すると、看守は俺の体を殴り、蹴り、笑いながら、話しかけてきた。それでも俺は抵抗できず、しかも言葉も発すことができない。
「早く判決が出ると良いな、“不老不死終身刑”になることを祈っておくぜ」
看守はそう言い放つと俺がはりつけられている部屋から出て行った。
不老不死終身刑、それは、どの世界の刑罰よりも惨忍を極める処罰だ。死刑は死で罪を償うが、不老不死終身刑は体を焼かれたり、針山に乗せられたり、氷点下273.15 ℃、いわゆる絶対零度の部屋に閉じ込めたりする。そして、瀕死状態になれば、回復魔法で体力や体をもとに戻される。それが永遠と続く処罰で、そのときの自分自身の苦しみで罪を償う。しかし、不老不死終身刑はその惨忍さから、判決が出ることは少ない。しかし、その時の裁判官の気分などで突然その判決が言い渡されることもある。不老不死終身刑を言い渡されたが最後。もう再審は行われないし、その刑罰が終わることもない…。