第五話 修行 Lv.2 ~謎の魔女~
お待たせして申し訳ありません。
まぁ待ってくれてる人なんていないとおもいますが…
アメガさんの家を出て、体感時間でだいたい十五時間。アメガさんが言っていた例の実践専門の魔法使いの住処が見えるはずと思い続けてだいたい十時間。俺の体力も限界に近づいてきたそのとき、背後に何者かの気配を感じた。何が起こったか理解する暇もなく、俺は前のめりに地面へ倒れこんだ。
「グオォォォッッ」
「!?」
そのとき俺の目の前を金色に輝く何かが横切り、次の瞬間、俺を襲った何者かがピチャという音とともに地面に上半身が落下した。
「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ」
なにか悲しげな叫び声とともに、俺を襲った何者かは虹色の破片となって、消えていった・・・。
「すみません。助けていただき、ありがとうございました。」
俺がこう言うと、謎の人物は
「いや、礼にはおよばんよ。」
と返した。
そして謎の人物はその後に
「あいつはウィビという。魔法使いの手下だ。」
と付け加えた。
「あ、そうだ。自己紹介を忘れていたな。私はメルだ。」
「俺はセイイチです。この辺に魔法使いがいるって聞いたんですけど知ってますか?」
「あぁ、お前のことはアメガから聞いている。私のうちに来ないか?」
突然の返答に驚いたが、どうやらアメガさんの言っていた実践専門の魔法使いとはメルさんのことらしい。
となると返答はひとつしかない。
「はい、お願いします!」