第四話 本当のアメガ
第四話です。
犯罪者が捕まります。
「さて、行ったな。」
俺はセイイチを見送ってそう呟いた。
「そろそろ来る頃かな。」
俺はなぜか無性に落ち着いていた。
そのとき、呼び出しベルが鳴った。
「魔界警察の者です。アメガさんですか?」
やはり来てしまった。俺のしたことは魔界法の魔法・魔術科の第五七一六二条に違反している。
「はい。今出ます。」
そして玄関に向かい・・・。
「アメガさん、貴方を時空法違反の罪で逮捕します。」
セイイチのように、元は人間界に住んでいた者を魔力を使って、この魔界にワープさせることは、魔界法の魔法・魔術科に違反する。いくら連れてきた者が“植物状態”だったとしてもだ。セイイチの体は現在、人間界で言う“病院”、魔界で言う“ビウタル”の集中治療室に収容されている。そこから魂だけを抜き取って魔界に移動させたのだ。
「はい。」
これは立派な犯罪で、俺は同じ罪で前科が三回ついている。ということは、刑務所に入れられるということだ。
「手を前に出してください。」
俺は魔界警察にそういわれ、指示通り、両手を前に出した。もう思い残すことはない。あとは刑務所に入れられるだけだ。
「それでは、着いてきてください。」
俺は抵抗することもなく、魔界警察を追っていった・・・。
次回は十月に入ったあとだと思われます。