突然異世界に行ってしまった件
双子の兄(18)香月涼太と双子の妹(18)香月鈴奈。
この2人は世間一般から言えばニートだ。
まず初めにこう言っておこう。
「社会とはいつも自分勝手で理不尽だ」
これが双子の考え方だ。
そんな双子の異世界の物語が今、幕を開けた。
「おはよう、鈴奈」
俺は布団から起き上がってそう言った。
「何言ってるの兄ちゃん、もう夕方だよ」
時計を見てみると、もう夕方の5時だ。
「ニートに時間なんて関係ないだろ?」
そう、俺はニートである。
「それもそうだね」
双子の妹の鈴奈もニートだ。
「兄ちゃん、これ何?」
突然パソコンの画面にこんなものが出てきた。
「世界がつまらなくて退屈しているそこの君!
勇者になってみてはどうだろう?
退屈だなんて感じる暇もない異世界に行って魔王を倒さないかい?」
見るからに怪しそうなサイトだ。
「鈴奈、これ何?」
そう聞いてみた。
「勇者募集の広告?」
鈴奈は楽しそうな顔でこっちを見ながらこう言った。
「兄ちゃん!サイトの下に申し込みボタンがあるよ!
押してみていい?」
まあ、誰かのイタズラだろう。
そう思って頷いた。
鈴奈がボタンを押した
「やっぱりイタズラか」
そう言った次の瞬間、俺と鈴奈の周りを白い光が包んだ。