表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/43

二人の心を聞いて

話しが終わって二人でシズエたちの教会の前辺りに戻ると、そこでは二人が何か話していた。

「えっと、この紙に書かれているのが本当にマヤだというのならマヤって王女様っていうことなの?」

「そ、そういうことだよね。

マヤやん……マヤさんが王女様なんだね」

「どうしたのシズエ、なんだか口調がおかしいよ」

「ふぇ?

だってマヤやんが王女様って考えたらなんだか緊張してきて……

それにエリリンだって表情がいつもより硬くなってるよ」

「それはだって……」

二人の会話を盗み聞いたというわけではなくて、聞こえてきたものだけど、僕は二人の元に駆け寄ることができない。

そうだって結局のところ、ここで迷惑をかけてしまっているのは僕なのだ。

それなのにその張本人がのこのことまた戻ってくるというのはどうだ?

普通に考えればありえないことだ。

だって僕がいなければ二人が巻き込まれるということすらなかった。

そう考えるとどうしても二人の前に行けない。

そう思っているとまた、二人の会話が聞こえてくる。

「でも、王女様っていうのをなんであたしたちに言ってくれなかったんだろう?」

「そんなのわかっていることでしょ。

あんまり知られたくないことなんでしょ」

「え、なんで?」

「そんなの、知っているっていうだけで私とシズエに危害が及ぶかもしれないからでしょ。

そんなの、私なら気にしないことだけど、マヤってなんだかそういうの言い出せそうにないでしょ」

「それはそうだね。

あたしにだって言えないことだってあるんだし……」

「そうだよ。

だからマヤには戻ってきたら王女様っていうことを黙っていたこと怒るよりも、狙われてるマヤをどうするかを考えないと」

「うん、わかってる。

それに別に王女様とか、そういうのは称号で決まってるただの事柄なんだから気にしないよ。

だって今一緒に冒険してるのがマヤやんだからね」

「うん、そうだね」

そっか……

二人がそんなことを考えてくれていたなんて思わなかった。

僕のことを考えてくれているなんて……

「さぁ、行きますよ。

みんな待っているからね」

「うん……」

そして僕は二人の元に戻った。

二人に何かできるように。

そう思って……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ