チュートリアルの説明②
「次は精霊加護のことは今は簡単に言うと魔法の属性を表しています。
詳しい説明はまた魔法についての説明のときにお話しさせていただきます。
そして最後に称号についてですが、これはその人のこの世界での役割と考えていただければと思います。
例えばマヤ様であれば、表示の通りこの国”マーテル王国”の王女様という役割の人物にあたるわけです。」
「え?
それって僕が王女みたいな役割をちゃんと果たさないといけないってことかな?」
「いえ、そういうことではないです。
まあ確かに少しはそういうことがあるかもしれないですかほとんどは普通の冒険者たちと同じように冒険をしていただいたらいいのです」
「へー……
でもなんで僕は男なのに女体化までして王女にならないといけないの?」
「それは……
わかりませんが……
でも現実で自分の出生を決めれるというのはありえないのですから、それと同じだと思っていただけたらと思います。
なのでマヤ様がこうして王女になっているのもそのシステム的に抽選で決まったことですね」
「そうなの?
でも僕は発売から一週間くらいこの世界に来なかったと思うんだけどその時って、この世界にいる僕はどうなっていたの?」
「それはですね、留守にしておられました。」
「留守?」
「そうです、いないということですね」
「えっとどういうこと?」
「それは、普通に言ってしまうと、この世界にいないということです」
「えっ」
それは驚きだった。
ここまで思いつたことを質問したけれど、ここにきて驚きだった。
いや、でももしかして……
更にそこで思いついたことを質問する。
「もしかして、この世界というのは独立しているの?」
「ええ、そうです。
冒険者という人たちがいなくてもこの世界は変わり続けることはできます。
ですが冒険者がいることによって更に世界は変わるのです」
まぁ確かに今のこの世界にいる人プラス僕たちのような俗に言う違う世界から来ている人がいるのでこの世界自体がかなりの人数がいる。
すると現在既にいるこの世界の人だけよりもかなりの人数になる。
すると世界は変貌しやすくなるだろう。
「でもそれなら冒険者とレイラさんたちとの違いってあるんですか?」
「ありますよ。
これは次の話しにも関係あることですが、冒険者というのは精霊たちによってこの世界に召喚されたものとして考えられているので魔法を使えるのが冒険者や他の精霊加護を直接受けている人のみです。
なので冒険者と私たちは違います。
それに冒険者は私たちのようにこの世界で死亡しても消えることはありません。」
「え……
ということは?」
「はい、私たち既にここに存在しているNPCと呼ばれる人はこの世界で死亡すると本当に私たちは消えてしまうのです」
「本当に?」
「はい、もし試すというのであれば私を斬っていただければわかりますよ」
そういうとレイラさんは腰に下げていた小太刀をこちらに渡そうとする。
僕はすぐにそれを押し返した。
「いや、やらないから」
そしてそう言うと僕はこちらに詰め寄ってきていたレイラさんを突き放した。
いや、だってね……
なんだか近いんだもんいろいろと……
でもこれはすごい情報だ。
リアルなオンラインゲームだから何かがあるかもとは思っていたけれど、本当に現実ではないが人が死んでしまうというのはなんだか怖い。
それにもし目の前にいるレイラさんが死んでしまったりしたら、僕はどうなるのかわからなくなってしまう。
そう、もしあの時のようになってしまったら僕は……
どうなるのだろうか?
そこまで考えたところで僕は頬から流れている涙を隠すようにしてレイラさんの方を見ないようにした。