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この戦いには②

昨日は更新できないで申し訳ありません。

本日は更新いたしましたのでよければ読んでください。

そしてその少女の話しを聞くと、どうやらその少女には妹がいるらしい。

その妹が、この街を新たに仕切りだしたという存在に属している先程の兵士の一人に捕まったらしい。

そしてその兵士から妹を解放してほしければ王女様を連れてこいって言われて探し回っていたみたいだ。

うん……

どう考えたって罠。

どんなゲーマーでも罠とわかっていたら普通ならばそれ相応の準備をしてから向かうものである。

それがゲームというものなら特に。

だってゲームというのは主に自分が動かすというものだから……

だけどこのゲームは違う。

よりリアルにというゲーム概要からわかるようにNPCと呼ばれる。

普通のゲームならば決定された言葉を話す存在なのにこのゲームではそうではなくて、自らが考えて話したり行動を行ったりできるのだ。

そうだからこそこのゲームで考えないといけないのは時間制限があるということだ。

しかもその時間制限がある何かをクリアできるのはその場に居合わせた人だけなのだ。

本当に他のゲームでいうところのゲリラミッション的なものだ。

でもそう簡単に言えるようなものでもない。

そうゲームの中とはいえこの少女の妹はもしかすれば死んでしまうのかもしれないし、それに他のゲームでもあったけれどこういう人質を取るような姑息な手段を使うような輩は一度コテンパンにしておかないと気がすまない。

そうと決まれば、僕はその少女に言われた場所に向かった。

そして着いた先はいかにもというような兵士が三人立って見張っている教会の跡地だった。

跡地になっているので周りは長めの草が生い茂っていて今隠れている位置では相手から見えないようになっていた。

ここにいるんだ。

そう思って周りを観察する。

見張りは三人……

普通に考えれば不利だ。

そう普通だったらここで正面から侵入しようとするのはあきらかに無理だと感じて他の手を探す。

だけどリアルは普通ではできないこともできる。

それにこのゲームはリアルにより近いのだ。

相手だって自分と同じように考えて行動することだろう。

だからこそ一人ずつだと何かが起こってしまう可能性の方が高い。

だったら最初から最悪のやり方で倒してやろう。

いや、懲らしめてやろうと思う。

そう王女様的な意味で……

だからそう横にいた少女に僕は今頭の中に思いついていたやり方でここを突破しようとした。


「助けて……」

人見知りやコミュ力欠乏症のおかげで少し疲れたような声がかすれるようにして出た。

顔はなるべく見せないように手を口元のあたりにもっていっておいた。

そうまさしく吐きそう、気持ち悪いという意味で。

「おい?

大丈夫か?」

するとその兵士の一人が少し心配そうにこちらに寄ってきた。

よし、チャンスと思った僕は口元を押さえていた逆の手でお腹を押さえて少しうずくまり、なるべくか細く言葉を口にする。

「だ、大丈夫だと……思うのですが……少し教会の中で休ませてはいただけませんか?」

最後の方が少しハッキリ発音しようと思って、強い口調になってしまったけれど、どうやら兵士の方は気にしていないらしく歩み寄ってきて肩を貸してくれた。

「任せとけ!」

そしてそんな言葉を優しくかけてくれるが、悲しいかなあなたの優しさを僕は無にします。

でも、その変わりにあなたは一撃でちゃんと無効化させてあげます。

そして僕はその人に立ち上がらせてもらう瞬間に足を思いっきり踏み込んで真上にお腹を押さえていた右手で掌低を鳩尾にめり込むように放ち、相手を悶絶させてそのうちに近くに生えていた草を何重にもしてロープのようなものにして口を縛り、両手と両足も縛っておく。

うん、ここまでは計算通り。

まずこの作戦では、疲れたようにしてうずくまるのだけれど、ここですでに左肩を兵士の方に向かって差し出すようにしておき、それを一人だけに気づかせてなおかつこちらまで来てもらうという条件を満たすことによってこの一連の動作になるのだけれど、何とか言葉などはアドリブでいけたようだ。

これで一人は完全に無効化した。

そしてあとの二人は……

うん、あとの二人は観察をしていてわかったことだけれどゴロツキ程度の実力しかないのがわかっていたので、普通に戦って勝ち、既に拘束済みだ。

本当にあまりにもつまらない戦いだったのでなんだか最初の人に申し訳なくてその語りたくない。

ということで一人は作戦で、あとの二人はノープランで無効化した僕はとうとう教会の中に足を踏み入れた。

「ほほう、やってきたか」

すると悠々とこちらを見てきたいかつい男がそう口にする。

その態度や視線の配り方でこいつが先程までの連中と違うことがすぐにわかった。

そう、これは簡単に言ってしまうと、油断なきゲーマーの目。

まさしく歴戦の格ゲーにおいて一敗もしてなるものかと闘士を燃やし、更に相手の全ての行動パターンを考え、更にはそれを破ってやろうと考えている目だった。

まぁ、わからない人は廃人になれって言っておく。

とりあえずそれをふまえたうえでここから少し会話することにする。

「あの、僕をどうするのでしょうか?」

そうこれは最初から気になっていたことだった。

だって普通に考えれば僕を捕まえて何かに利用するだけならただ、宿屋かもしくはどこかでタイミングをみて一人などの時に捕まえればこんなに時間をかけないで済む。

なのにこんな僕の書いたような紙を他の人たちに捕えたりさせるのはまるで遊んでいるように感じる。

そう思っていると、座っていた男がおもむろに立ち上がると剣を抜いた。

まるでこれで語りあおうと言わんばかりに……

そして僕とその男は地面を駆けた。

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