チュートリアルの説明①
「外何処だよ」
意気揚々と部屋を出たのはいいもののなんというか普通に迷っていた。
本当にここはどこなのだろうか?
といってもレイラさんにああいうことを言ってしまったため今更戻るというのも無理だ。
というよりも戻りたくても道がわからないので戻ることもできない。
く……
とりあえず、メニュー画面で地図でも確認してみよう。
先程もらったブレスレットの宝石の部分を触って投影画面を展開する。
そこから地図表示があるので右手でタップする。
するとこの建物の構造が表示された。
お、便利。
これに従って行こう。
地図を見ながら僕は外に向かって再度歩きだした。
「外に来たぞー」
数分後外に来て僕はそう空に向かってちょっと叫んだ。
でもここからどうしようかね。
まぁとりあえずは武器とかの調達だね。
それにしてもかなり大きな建物だったけどどんな建物なんだろうか?
外からは見られなかった外装を振り返って見て唖然とした。
「これってお城?」
そう叫ばずにはいられないくらいに豪華なお城からどうやら出てきたようだ。
うーん、どうしてこんなことに?
と考えつつもステータス表示のところにあった称号のことを思い出した。
僕はすぐに確認のために開いていた地図の画面から切り替えてステータスの画面に変更するとそこには”王女”という文字が並んでいる。
これってもしかしなくてもこのゲームにおける王女的な存在になってしまったんじゃ……
それに気づいた自分は考えた。
もしこのまま下手にここから出て情報収集を行ったとしても、なんというか変な人(俗に言う女性好き過ぎる男)なんかに出会ったとしたら現在の見た目は女な僕は絡まれたりしたら、ナンパに慣れていないという点でどうしていいかわからなくなってしまう。
そうなったら僕はそのままなし崩しに連れて行かれて放送禁止用語的な行為をされてしまうのだろうか?
って待てい僕……
いくらなんでも被害妄想が激しすぎる。
でもさすがに考えなしに街を行っても危ないのは確かだね。
という理由で僕はまた地図を頼りに自分の部屋に戻ってきていた。
中からゴソゴソと音がする。
うーん、もしかして掃除でもしてるのだろうか?
そう考えながらも僕はレイラさんにちゃんとチュートリアルをしてもらうために部屋の中に入り固まった。
その理由は目の前で繰り広げられていたレイラさんのベッドでゴロゴロプラス何か言っているためだ。
ちなみに聞き取れる範囲で言葉を拾うと……
「ああ……マヤ様の匂い……充填……響く……濡れて……」
聞くのをやめよう。
すぐさまこの状況を何とかしたかった僕はまだ開いていたドアを思いっきり音を立てて閉めた。
するとようやくこちらに気づいた服がはだけていろいろと目に悪いことになっている女性、レイラさんは舌をチロっとだすと頭をコツンと可愛く叩いて一言……
「てへぺろ」
と言い僕はただこの人が本当にチュートリアルを教えてくれるというキャラでいいのかというのに疑問になった。
がそれはまだレイラさんの本性が表に出ていないときだというのをわかったのはそのまた数分後であることに僕はまだ気づいていなかった。
僕はレイラさんをベッドの上から動かないようにと命令して離れた位置にあぐらの形で腰をおろす。
この距離くらいなら話しても大丈夫だろう。
先程の行為もあるので僕がすぐに逃げれるようにドアを開けたままにしてなおかつドアの付近に座っている。
そしてそこから聞きたかったことを聞くことにした。
「えっとですね、ステータスについてちゃんと教えてもらってもいいですか?」
するとそれを待っていたかのようにレイラさんは嬉しそうにこちらを見るとステータスについて話しを初めてくれる。
「まずは各種ステータスとそれの上げ方についてですが、体力はHPのことですね、これにあたる部分ではリアルにより近い点も含まれますので一般的に身体的に成長すれば上がります。
それは例えば、モンスターを一定以上倒すというのも成長する要素でもありますし、基本的には何もしなくても上昇しますね時間がたつとですが。
次に筋力ですが、これも簡単です。
敵などのモンスターを近接武器にて一定以上の回数を攻撃を当てられれば成長いたします。
また、それは遠距離武器なら技力が、魔法ならば魔力が上昇することになります。
次に防力とは、防御力のことでこれも武器による攻撃が自分に触れた回数により上昇します。
耐力はこれの魔力版だと考えてください。
そして速力はこのフィールドを歩く歩数が一定に達すると成長します。
最後の心力。
これはこちらでもよくわかりません。
このパラメータはゲーム内での心の強さを表すものだと思うのですが、これが何か、戦闘などの役にたつかというのはわからないのです。
最後は少し曖昧な感じになってしまいましたが、これがまずは一通りのパラメータの説明になります。
理解できましたか?」
「うん」
たいていのことは考えていたことと同じだったのでそう言って頷いた。