少しの休息
といってもすぐに仲間ができるというわけではないのでどうしようもないのだけれど……
とりあえず今は決闘をしたりいろいろ考えたりしたので甘いものを食べたい。
なのでノイの家に行こうと思う。
あそこのデザートは美味しいからね。
ということでレイラさんを連れた僕はノイの家に戻ってきていた。
お店の中に入ると、時間は既に夜中を過ぎているため誰もいなかった。
最初にお店に行った時に出会った二人の少女も現在はいないようだ。
さっきのことを謝っておきたかったけれどいないのならば仕方ないかな。
「杏仁杏仁、二つください」
そう思った僕はもう今日は店じまいだけど初回様のわがままくらい聞くさという主人さんの優しさにより現在杏仁杏仁をレ-+イラさんとともに食べている。
するとさすがに夜がだいぶ更けているので、主人の人が
「悪いな、お嬢さんたち、今日はもうお店閉めちゃうから、食べ終わったお椀とかは机の上に置いておいたらいいから、後部屋は二階にある右側の奥の部屋を使ったらいいからさ。
あと全部戸締りしてしまう予定だから、済まないが先に落ちる」
そう言ってお店の主人は眠たそうに去って行った。
どうやら先にログアウトするのでお店に何か侵入されないためにも戸締りをしているからどこかに泊まってくれということらしい。
そんなに簡単に人を信用していいのかな?
なんて思うけれど、そんなものがなんとなく嬉しく感じるのは僕だけなのだろうか?
そんなことを考えつつも杏仁杏仁を食べ終えた僕とレイラさんは先程主人が言っていた部屋にどうせなのでお世話になることにした。
荷物自体は全て持ってきているのであちらの宿に戻るというのは別にしなくていい。
ということで部屋にやってきたのだけれど……
「綺麗な内装……
それに大きくない?」
そう、外から見えていた限りでは大きくない部屋だと思っていたけれど、中に入ると綺麗にされているので大きく見えた。
内装もソファとベッドにテーブルというような凝ったようなものはないけれどそれでも位置取りが綺麗で色使いもよくてなんだか見とれてしまう。
「そうですね、私でも感嘆にあたいするくらいの配置ですね。
これをした人は相当な使用人のスキルを有していますね」
そしてレイラさんがそんなことをカッコよく言っているが、この部屋のことを整理したのはたぶんこのお店の女将?さんみたいなこのお店の経営者の奥さんが用意したものだと思う。
なのでそんなに目をキラキラとさせてもダメだと思うんだよ……
などという的外れなことを考えつつも既に日付も変わっているし甘いものも食べたし、それに決闘もしたしで体が疲れていたので僕はすぐにベッドに横になると
「ログアウト」
と口にする。
少しの浮遊感があってまた体が何かに触れる感覚がして機械アナウンスがログアウトが正常にできたことを教えてくれた。
そして僕はダイブギアを頭から外すとその後はそのままベッドで寝ていた。