決闘の決着は……
そしてその小太刀はその衝撃でレイラさんの服の袖をかすめた。
「「……」」
なんともいえない終わり方でどちらも無言になって……
「ふ、ふふふふ……」
必死にこらえようとしているレイラさんの笑い声が聞こえた。
それに思わず顔を真っ赤にしてしまう。
「マヤ様、カッコつけたのに……
ぷくくく……」
「うるさーい」
僕はそう叫びながら地面に落ちた小太刀を手に取った。
先程の本当にしたかったのは、レイラさんの右手の小太刀を手刀にて弾き飛ばして、左手でレイラさんの左手を捻りあげながら押し倒して手刀を首筋に当てるというのがしたい行為だったのに、本当にどうしてこうなったのか、レイラさんの小太刀を弾いたら向きが意外にもレイラさんに当たる場所だったためかすめるようにして当たってしまうという、中途半端な感じになってしまった。
そのため、キョトンとしてその光景を見ていた僕に対してレイラさんは笑ったのだった。
少ししてレイラさんの笑いが収まるのを待ってから持っていた小太刀を渡した。
それをレイラさんは受け取ると急に真剣な表情になって僕の前に膝をつく。
両方に持っていた小太刀を地面に置くと頭を垂れて口を開いた。
「我が剣はあなたのために、あなたのそばに私を……
さすれば我が道があなたと同じ道になるだろう」
何それ?
とも思ったけれど、僕はそれを聞いて何故か頭にでてきた言葉を言う。
「すれば我が道をあなたが示しなさい、さすれば我が主となろう」
すると周りに光が一瞬だけ瞬いた。
おお、これってゲーム的なイベントでは?
そんなことを的外れに僕は考えつつ、本当にゲームで新しい主従関係ができた感じの演出に驚いていた。
でもこういう演出はすごくいいと思う。
ファンタジーだしね!
そんなことを先程の失敗をしてしまったことによる恥ずかしさを忘れるために適当に考えていると膝をついていたレイラさんが立ち上がる。
それを見た僕もぐちゃぐちゃと変な思考をやめて頭の中を切り替えた。
そうここからが本当の冒険になるんだ。
まずはそれなりの仲間集めからやらないとな。
そう思って気合を入れた。