このゲームの設定①
「あふん……」
すると妙な喘ぎ声とともに落ちたレイラさんは目を開いた。
なんというか引くわー。
実際に少し後ずさりながら僕はレイラさんのほうを見た。
すると平然とした様子でレイラさんはこちらを見ていた。
うん、さっきのことはなかったことにしようっていうのか?
僕はなるべく距離をとって実はレイラさんに聞きたかったことを質問することにした。
「あの、もしかしてレイラさんは全ての情報を教えてくれていませんよね」
そう、僕が普通にネットで調べられることもレイラさんは教えてはくれなかった。
これはレイラさんが意図的にそうしたのだろうと思う。
それに、ゲームオーバーになった場所はあの森の中のはずなのにこのお城の部屋に戻ってきているというのもどういうシステムなのかを教えてほしかった。
それを聞いたレイラさんは顔を満面の笑みに変えると
「ええ、だって少しはそういうのもいいかなって思ったんですよ。
それにマヤ様は今のマヤ様になる前から頭がよくて、そしてドSでしたから」
なんてことを言う。
うん、最後のドSという情報はいらないけれど、前の情報は気になった。
「えっと、僕がこの世界に来る前に僕の変わりに王女がいたのか?」
そう、この点だ。
だっておかしい。
もし本当にそんなことがありえるのなら僕がくるまでの間いた王女はどうなったのかがすごく気になる。
そう思っているとレイラさんは懐かしむようにそれを教えてくれた。
「はい。
マヤ様は精霊によって召喚されたような存在っていう話はしましたよね。」
「うん」
「その精霊で召喚されるというのは一部の重要な役割を持った人間は存在というのを上書き、簡単にいうと憑依のような状態になるのです。」
「それって、僕がここにいた王女と取り替わってことなんじゃ……」
「いえ、そういう類いのものではありません。
どちらかというと新しい王女になったということです」
「どういうこと?」
「えっとですね、正直に言いますと前の王女はマヤ様がこちらに来られる前に病気にて死亡してしまっているのです。
なので変わったというよりも生まれ変わったと考えていただければと思います。
だからそんなに暗くならないでください」
「うん……」
ゲームにはいろいろと設定があるのは知っていたがこんなのがあるとは思っていなかった。
僕はさらにこのゲームをやりたくなってしまった。