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第四話 俺の過保護な妹

「おい、あいつじゃねぇか? ディスト・・何とかとか言ってる痛い奴」




「あぁ、言ってたらしいな、あいつには近づかない方がいいんじゃねぇか?」




「ははっ~マジうけるんですけどぉ~、中二病乙って感じぃ~」




何だこれ?




何で俺、クラスの皆からこんなに痛い子を見るような目で・・・




俺は他のクラスメイトからのひそひそ話を軽く聞きながら机に突っ伏していたら、中二病の同級生が無邪気に話しかけてきた。




光滅却者ディストルッツィオーネ! 今日こそ貴様を倒してやるからなぁ!」




普通にその名前を口にしないでほしいんだけど。




何故か俺の頭に合った、中二病の二つ名なんだけど




「うわ~ちょっとちょっと、雪芽さん、こいつにかかわらない方がい言って~」





「む、何でだ? こいつは光を超越する者『光滅却者ディストルッツィオーネ』だぞ?」




「だからそれは言うなぁあああああああああああああああああああああああああああああああああ




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」




「はっ・・・・・ゆ、夢か・・」


俺は自分のベッドから起きたら、全身汗だくだった。

く、そ~、昨日の俺の失言の所為で悪夢を見てしまったようだ。


「・・・やばい、かなり浸食されてるなこれ・・あのオカルト研究部に」


トントン、と俺のドアをノックする音が聞こえた。


「お兄ちゃーん、いつまでたっても下に降りてこないけど起きないのー?」


俺の妹だった。

日野未瀬ひのみらい、俺の一つ下で中3、髪の色素は俺と違い茶色で、肩くらいまでしか髪を伸ばしていない。

ちなみに俺の両親は俺等を置いて海外に行きやがったため未瀬みらいと二人きりである。

これじゃまるで、ラノベの主人公みたいだな、でもちなみに義妹ではない、そんあ都合がいい展開はこの世にはほとんど無いだろう。

今じゃ未瀬みらいが母親代わりをやっている。

俺は妹の言葉に少し反応して、時計を見る。

現在時間7:00

学校が始まる時間8:20


「・・って微妙じゃねぇーか! 何だ未瀬みらい、ふざけんじゃねぇぞコラ! お前が起こしに来たから寝坊したかと思っちまったじゃなぇか!」


「こうでもしないと、中々起きないでしょ~?」


ドアの前で俺の妹が楽しそうにしているので少しムカついて、俺はベッドから降りて、部屋のドアを開け目の前にいる妹の両肩を掴んだ


「え、え、あ、ちょっと・・」


未瀬は何故か頬を少し赤らめて、俺から目線を逸らした

おい、何故俺から目を逸らすんだ・・

・・まあ、そんなの関係ない・・そんなことより・・


「俺・・・学校行きたくない・・・」


「・・・・え? あ・・あ、あぁ・・・って学校に行きたくない!? な、何かあったの!?」


「・・色々あったんだ」


未瀬は少しあわてるように、


「色々って・・・お兄ちゃん・・・嫌な事があったんでしょ・・?」


「嫌な事・・か、確かにそうかもしれない」


「・・もしかして、もしかするとだけど・・・虐められちゃってるのかな?」


まぁ・・この流れからするとイジメられてるみたいな感じな雰囲気だな。

でも、・・虐められてるわけじゃない・・そうじゃないんだけど・・。


「とにかく、俺は学校に行きたくないんだ・・もう、寝かしてくれ」


「お兄ちゃん! まだ高校に入って一週間も経ってないのにもう欠席しちゃうなんてだめだよ、怒られちゃうよ!」


無駄に過保護な妹である


「クラスに馴れてないだけだよ! 時間が立てば自然になれるもんなんだから! だから、さ・・」


「待て、未瀬・・俺はクラスで孤立してるわけじゃない・・部活で孤立しているんだ!!」


「部活・・・・? お兄ちゃんって部活はいってたの?」


そういえば未瀬に入って無かった。 ちなみに俺は中学の時は帰宅部で3年間部活を継続してきた偉い奴なんだ。

でも、高校になっていきなりあのオカルト研究部なんて言う、ミステリアスでファンタスティックな部活に所属してる何で未瀬に言えない。

普通に引かれてもおかしくないし・・。


「いや、何でもない・・部活は帰宅部だ」


「・・・お兄ちゃん、やっぱりなんか嘘ついてるでしょ?」


ギクっ、と俺は少し顔が歪んでしまった。

ばれてる、普通にばれてる・・まぁ俺は顔に出やすい奴なのかもしれないが


「いや、本当何でも無い・・でも、マジであれだ、学校行きたくない」


「お兄ちゃん! そんなんだとニート予備軍だよ! お兄ちゃんにはそうなってほしくないの、だからお願い、未瀬に相談してよ・・」


「・・・未瀬・・・」


いや、流れに乗っちゃだめだ!

今すぐにでも俺は寝たいんだ・・! 

これなら嘘でもついて学校休んでやるしかないだろう。


「未瀬・・俺・・部活の先輩に虐められてるんだ・・だから、俺・・・」


下らない、見え透いた嘘だが、この妹ならきっと騙される。

何かすいません、唯崎ゆいさき部長・・

特にあなたは悪いことはしていないのに、


「お兄ちゃん・・やっぱり・・・・ごめんなさい・・未瀬、無理に学校行かせようとしてたんだね」


うん、やっぱこいつ馬鹿だな。

でも、これなら学校へ休めるぞ、何で学校休むのにこんなに時間がかかるんだ。

でも、何かこいつ涙目だし・・悪いことした気分になるな


「・・いいんだよ、俺もいけないんだから」


「・・・・・よし!」


未瀬はいきなり声を上げた。

何か決心したような顔してやがるし


「未瀬も学校休む! お兄ちゃんを一人で居させるわけにもいけないもん!」


「いや・・未瀬・・別にそこまでしなくても・・・」


「私がお兄ちゃんとずっと一緒に居てあげるからね! 今日は一杯甘えたっていいよ! 未瀬、お兄ちゃんのためならなんでもするからね!」


「悪い、やっぱ俺学校行くわ!!!!」



俺は瞬時に制服に着替え、迅速のごとく家を飛び出した。

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