2/2
後日譚
子供が生まれてからというもの、前みたいに、いつでも二人で外に出られるわけじゃなくなった。
買い物や用事で、どちらかが一人で出かけることが増えた。
それで、気付いたことがある。
能力が弱まってきている。
俺が歩いた道は、もう深い陰にはならない。
少し涼しいかな、と思う程度の陰が落ちるだけ。
彼女が通った道も、焼けつくような光にはならず、
ただ少し明るい日差しになるだけだった。
最初は戸惑った。
でも俺には分かっていた。
あれだけ恨んだ世界が、俺たちを祝っているんだと思った。
もう極端な光も、極端な陰も必要ないと、そう言われている気がした。
俺たちは生き方を知った。
そして、生き方を教える立場になった。
小さな手をひきながら歩く帰り道。
ちょうどいい陰が落ちている。
俺たちの「普通」は、きっと普通じゃない。
それでもいい。
そう思えるようになった。
心地良い風に揺られて
俺たちは静かに進んでいく。




