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【連載版】夫は私を湖に沈め初恋の令嬢を救った――そして私は家族を捨てる  作者: 雛雪


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7/11

第7話 ぷつり

血管切れる音=͟͟͞͞╰;.:╯ =͟͟͞͞(  `ᾥ’)っ✄パチーン

ある日の午後、

私たち家族とエレンは伯爵家が所有する美しい湖へと

遊びに出掛けた。


私の居場所はそこにはなかった。


あの日以来、

夫の瞳には私を拒絶する『軽蔑』が宿っていたのだから。


凍りついた我が家の空気を動かしたのは皮肉にも彼女だった。


『伯爵夫人もご一緒に。きっとお疲れなのよ』


彼女が聖女のような微笑みで夫を促した瞬間、

夫の頑なな拒絶は魔法が解けたように和らいだ。


実の息子までもが彼女の裾を掴んで賛成する

その光景は、

私を救うための慈愛などではなく、

私を家族の輪から完全に放逐するための儀式のようだった。

 

夏の終わりの湖は音を失ったように静かだった。


水面は揺れず、空だけが深く映り込んでいる。


夫と息子は先に岸へ出ていた。


並んで立ち何かを話しながら、

時折こちらを振り返る。


エレンはその傍らにいて、

二人の会話に微笑みを添えていた。


私は少し離れた場所で繋がれたままのボートの縁に

手を置いた。


木の感触は日に温められて柔らかい。


「夫人、足元が滑りやすいですから」


背後から穏やかな声がした。


振り向くとエレンが真後ろに佇んでいた。


いつの間に来たのか、

そう思うほど不自然な距離だった。


夫と息子は先程の岸辺から動いてなく、

二人で何か話し込んでるようだった。


「湖畔は思ったより危ないのです」


その言葉に疑う理由はなかった。

彼女はいつもそういう言い方をする。


次の瞬間。


「あなたは邪魔なのよ」


その言葉が鼓膜を打った瞬間、

視界がぐにゃりと歪んだ。


背中に受けた衝撃の正体も分からぬまま、

私は彼女ごと、冷たい湖面へと叩きつけられていた。


水飛沫が上がる。


冷たい水が容赦なく身体を包み込む。

水の中でエレンが微笑んだ気がした。


息が詰まり、音が消える。

一人、底へ、底へと沈んでいく。


重く、暗く、静かな世界。


「エレン!」


水の向こうで、声が響いた。


呼ばれたのは私ではない。


必死に水を掻き、ようやく水面に顔を出す。


喉が焼けるように痛み、咳が止まらない。


やっとの思いで岸へと這い上がったとき、

視界に入ったのは夫の腕の中にいたエレンだった。


彼女は震えて立てない様子で、

まるで突き落とされた被害者のように見えた。


「どうして私を落としたのですか!」


掠れた声。

濡れた睫毛。

助けを求めるように、夫にすがる指。


私のドレスは水を吸い、

重く身体に張りついている。


だが、それを気に留める者はいなかった。


「お母さま、最低だ!」


息子の声が、鋭く響く。


その目は私を見ていた。

だが、そこにあったのは信頼ではない。


私は口を開いた。

けれど、言葉は形にならなかった。


説明する前に、

すでに物語は決まっていた。



 ――ぷつり。



胸の奥で、

細く張り詰めていた何かが音もなく切れた。


湖は凪いだままだった。

水面には私が落ちた痕跡すら残らない。


それだけが、

やけに現実的だった。

どうでしょう?

ジョジョの奇妙な冒険から、奇妙さは取れたのかな?

ただのジョジョの冒険っぽく、なれました?|ूσωσ )

(おこがましい例え、すみません)

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― 新着の感想 ―
もう前回の話で明らかに悪意があるのが分かっていたことを考慮すると、主人公も大分迂闊と言わざるを得ない……。
いや、湖に落ちたのは主人公ですよね ではエレンは?ずぶ濡れになっている描写がないので岸にいたのですよね? エレン「どうして私を落としたのですか!」 って言われても、「アンタがいつ湖に落ちたの?」…
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