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流されちゃいました。
離婚から二週間、私は結局実家裏のアパートに住むことになった。
大家さんが母の知り合いで、家賃を格安にしてくれるというので、お金のことを考えると乗らない手はない。
「いやーあんた近くに住むなら、別にアパートじゃなくて実家におりゃええのに!」
「いつまでも甘えてられんからね。ええやろ。」
父が母に被せるように話した。
「そういえば知り合いがおるいうとったな。その人にもよろしくいうとけな。」
そう言って家の中に入って行ってしまった。
一人で荷物を運び始めて数時間。荷物は実家に帰ってきたとき同様、荷台で何往復かして終了だ。
無心に作業していて、ふと、写真を見て止まった。
子供達と撮った写真だ。
時々、子供たちの様子の写真や動画を見ながら思うのだ。
私は選択を間違ったんじゃないかと。
でも、自分の体に合ったあざは、今でも鮮明に思い出す。
自分は耐えきれなくなった。それだけだ。
荷物でいっぱいになった部屋を見渡して、一人立ち尽くした。