表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/9

仕事は変わらずありますから。

次の日、朝はどこかで太鼓を鳴らす音が聞こえてきて目が覚めた。


私が小さい頃から近所で朝の7時ごろに太鼓を鳴らす施設があり、それを目覚ましがわりにしていた。


久しぶりの実家の天井には木のシミのようなものがよく見えた。


子供の頃から変わらない天井である。


「うー、仕事休みたいくらい、体が痛い。」


仕方なく体を起こして、変わり映えのないキッチンに降りて行った。







朝のコーヒーを入れ、トーストを作って食べていると、母が降りてきた。


「今日はそんだけでいいんかい?ヨーグルトあるで?」


「いいよ、体動かすことあんまないから。おおきに。」


そう言って母親の分のトーストも焼いてやった。


歯磨きをしてから、車に乗り込み仕事に出発した。





車で40分、田舎の出勤あるあるだ。


信号は止まり、流れていく車の波、途中には本物の海を眺めながらドライブしていく。






職場に着くと、昨日会った北由さんの車と、副社長の車が止まっていた。


副社長はお子さんを送っていくときに車に乗っているが、職場から自宅までが徒歩5分ということで、いつも車はない。


「おはようございまーす。」


そう言って部屋に入れば、チラホラ出勤している同僚がいた。


北由さんの隣に座り、カバンを下ろした。


「やぁ、昨日はお疲れ様。引っ越し作業は終わったかい?」


デスクのパソコンを触る手を止めて、話しかけられた。


「そうですね、あらかた終わりました。今度は新しい家探しです。北由さんは何に重点を置いて探しましたか?」


うーんと見上げながら北由さんは考えていた。


「僕は利便性の良さかな。駅にも近くて、駐車場もある、買い物に困らないところにしたくって、そしたら君の家の裏のアパートさ。あそこいいよね。」


「そうですね、とてもいいと思います。実家じゃなければそこに住もうかと思ったんですけど、あまりにも近すぎて。」


ははっと笑うと、またパソコンの画面に向き直り、仕事を再開した。


自分も出勤カードを押して、仕事をしよう、と鞄を整理した。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ