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まずは荷物を運びましょう。

車を走らせて10分、隣町にある実家にはすぐについた。


自宅と違って利便性もよく、ここから仕事に通ってもいいのだが、いい歳した大人が実家でぐうたらするのもよくないだろうが、しばらくは居候になる。


「あんたもうついたの?早かったね。」


母親はそういうと、荷物をそそくさと運ぼうとしてくれたが、


「おかん、腰悪いから、はこばずに荷物の番してて。」


「そうかい?」


そういうと、車の片隅に座り込んで草引きを始めた。


一つ一つ運ぶとキリがないので、代車を使って運ぶことにした。








3回目の往復になろうというときだった。


車が通ろうとしていたので、道の手前で止まった。


車が通り過ぎずに減速してきたので、誰だろうと思い運転席を見た。


「やぁ。畑村さん。こんなに荷物を運んでどうしたんだい?」


近所に住む同じ職場の北由裕二(きたよしゆうじ)だった。


家の裏にあるアパートに住んでいて、よく実家に帰ってきているときに遭遇する人だ。


職場では、あちらこちらに営業に行き大変そうだが、本人はそこまで疲れないらしく、尊敬する。


私より5つ年上で私の兄、細井俊雄(ほそいとしお)とは同級生だ。


ちなみにお年は35歳。


アクティブで甘いマスクは女子の魅力的な男性になるはずだけど、特定の女性はいないらしい。


怪しいよね。


「お疲れ様です。今日離婚が成立しまして、実家に出戻りしてきた初日です。」


「そうなんだね、今度出戻り祝いでもするかい?」


軽口で話が弾みそうになる。


「そうですね、美味しいお酒でも用意しておいてください。」


そう言って、後ろから車が来たのを確認して、北由さんは裏のアパートに入って行った。









あらかたの荷物を運び込み、今すぐ必要な生活用品を選び出すと、パソコンを開いた。


実家にそう遠くない距離で、相場を見て余裕を持って8万円以内のところを探した。


ちなみに北由さんが住んでいる賃貸も6万5000円と、なかなか街中にしては駐車場付きでリーズナブルなお値段だった。


子供達が遊びに来れるように、少し広い目の家で、などと考えたけれど、あんまり遊びに来ることもないだろうから、そんなに広くなくてもいいことにした。


一時間ほど画面と睨めっこして、内見の予約を入れてからパソコンをまた段ボールにしまった。





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