第1話 裏切りの真実
なんとなく書いたものです。
あんまりちゃんと設定とかしてないので、そのあたりご容赦ください。
「エリザベス様、これは一体どういうことですか?」
アルフレッド・フォン・ヴァイスブルグ伯爵家の長男である私の婚約者が、厳かな表情で私に詰め寄ってきた。手には一通の手紙を握りしめている。
「どういうことって? アルフレッド様」
私は優雅に紅茶を啜りながら、冷ややかに返答した。
「この手紙です! 貴女が平民の男と密会を重ねているという証拠が!」
アルフレッドは怒りに震える手で手紙を広げ、私に突きつけた。その文面には確かに、エリザベス・フォン・ロートシルト ―― この私が、とある商人の息子と逢瀬を重ねているという内容が記されていた。
「まあ、よくできた作り話ですわね」
私は静かにカップを置き、立ち上がった。アルフレッドの目を真っ直ぐに見つめる。
「作り話だと?証拠写真まであるというのに!」
「そうですわ。作り話です。というより、貴方が仕組んだ罠ですわね」
私の言葉にアルフレッドの顔が一瞬引きつった。その反応で、私の推測は確信に変わった。
「貴方、本当は私との婚約を破棄したいのでしょう? レイチェル・ブラウン子爵家の令嬢と密会を重ねていることも、私は知っていますわ」
「な……!」
アルフレッドの顔が真っ青に変わる。そう、彼は既に別の女性と関係を持っていた。そして私との婚約を破棄するための口実として、この手紙を利用しようとしたのだ。
「証拠ならありますわ」
私はドレスのポケットから一枚の封筒を取り出した。中には、アルフレッドとレイチェルが密会している写真が収められている。私は既に数ヶ月前から、彼の裏切りを察知し、証拠を集めていたのだ。
「これが本物の証拠ですわ。貴方が仕組んだ偽の証拠とは違って」
アルフレッドは言葉を失い、その場に崩れ落ちた。
私は優雅に微笑み、彼に告げた。
「心配しないで。私から婚約破棄を申し出ますわ。ただし、条件があります」