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お買い物日和




「買い物に行きますわよ!」




 エリシアは朝早くから、セバスを呼びつけていた。彼女はいつも通り優雅に、しかしどこか気合の入った様子で、買い物の準備を進めている。


 まずはシャンプーとトリートメントの在庫を確認する。




「……まだありますわねぇ。」


 棚には、十分すぎるほどの高級シャンプーとトリートメントが並んでいる。




 次に、彼女のお気に入りである香水をチェックする。


「……未開封が3つも」




 戸惑いの表情が少し浮かんだが、それでも足を止める気配はない。




 続いて、秋物冬物の服へ。




 クローゼットを開けると、そこにはジャケット、コート、シャツがずらりと揃っている。しかも、すべてがハイブランドのものばかりだ。


「……まあ、まあ。」


 エリシアは満足そうに頷くが、物欲の炎はまだ消えていないようだった。




 次にエリシアは、生活用品の在庫確認へ向かった。




 彼女はセバスを従え、優雅に歩きながら地下室の倉庫へと足を進める。


 倉庫に入ると、ずらりと並んだ掃除用具、ウェットティッシュ、洗剤などの日用品が整然と管理されている。


「……ふむ、完璧ですわね。」


 エリシアの目は、品揃えに満足しながらもどこか冷たい。これは、彼女が日々行っている厳しいしつけと、使用人たちの鬼のような在庫管理の賜物だ。


 使用人たちは、常にエリシアの期待に応えるべく、あらゆる生活用品を切らすことなく管理している。


「さすがに……これも足りてますわねぇ。」


 だが、それでもエリシアは買い物のリストを手放そうとしなかった。




 次にエリシアは、食品の在庫確認に向かった。




 冷蔵庫、いや――エリシアが目を向けたのはその奥にある冷凍室。


 扉を開けると、そこにはものすごい数の食料品がぎっしりと詰まっていた。肉、魚、野菜、デザートまで揃い、すべてが完璧に保存されている。


 エリシアは頻繁にパーティやバンドを呼び、豪華な宴を開くため、食料品の在庫は常に満杯状態だった。




「……」




 エリシアは無言のまま冷凍室の奥深くまで確認する。食料はまったく不足していない。だが、無限の物欲を持つ彼女はそれでも満足できないような表情を浮かべた。


「ふむ……まあ、これも足りてますわね……。」


 エリシアは一瞬考え込むが、結局買い物欲は抑えられず、次の買い物リストを思案し始めた。




 エリシアは自室に戻り、ソファーにふんぞり返って優雅に足を組むと、セバスを呼びつけた。




「セバス、寿司買ってきて!」




 散々在庫を確認しておきながら、結局は寿司のデリバリーを指示する彼女。エリシアの欲望は尽きることなく、買い物リストとは無関係の要求が飛び出す。


 セバスは静かに頷き、主の命令を黙って受け入れた。




 ――終わり。


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