かましたれ!エリシアちゃん!
闇の魔術師は不敵な笑みを浮かべながら、勇者たちの前に立ちふさがっていた。
彼の背後には巨大で禍々しい絵が掛けられており、その絵には不気味な色彩と複雑な模様が描かれていた。
「この絵には、かつて世界を震撼させた強力な魔人が封印されているのだ」
闇の魔術師は静かに、しかし重々しく言葉を発した。
勇者たちはその言葉に緊張感を強め、じっと絵を見据えた。
絵からは不気味な気配が漂い、まるで何かが今にも目を覚まそうとしているかのようだった。勇者たちは剣を構え、覚悟を決めた表情で魔術師とその背後の絵を見つめた。
闇の魔術師がその手を天に掲げ、強力な魔力を解放すると、禍々しい絵が激しく揺れ始めた。黒いオーラが絵から立ち昇り、絵の中から何かが這い出てくる気配がした。
勇者たちは息を呑み、武器を構えながらその様子を見守った。
絵の表面にひびが入り、ゆっくりと何者かが姿を現した。
それは――エリシアだった。
エリシアは上半身だけ絵から抜け出し、まるで何事もなかったかのように周囲を見回した。
そして、口を開くと、少し怒ったような表情で喋り始めた。
「もう!ブドウ味ばっかり食べないでくださいまし!」
その言葉が耳に届いた瞬間、勇者たちも闇の魔術師も、皆が唖然として動きを止めた。彼らはただただ茫然とし、エリシアが何を言っているのか理解できずに立ち尽くした。
エリシアはその後、まるで自分の役目を終えたかのように、再び絵の中にゆっくりと戻っていった。
絵が元の静寂を取り戻すと、何事もなかったかのようにその場には奇妙な静けさが漂った。




