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かましたれ!エリシアちゃん!

 闇の魔術師と勇者たちは、熱気を帯びた火山の火口の前で対峙していた。




 周囲には硫黄の匂いが立ち込め、火山からの熱風が二人を包み込む。魔術師は不敵な笑みを浮かべ、勇者たちに向かって高らかに宣言した。




「ここには、神をも滅ぼした魔神が眠っているという。」




 その言葉が周囲に響き渡り、勇者たちは一瞬の静寂の後、緊張感が走るのを感じた。彼らはその言葉の重みを実感し、次第に心の中に不安が芽生えてきた。




「もしこの魔神が目覚めれば、我々の世界はどうなってしまうのか…」




 勇者の一人が小声で呟き、他の仲間たちも不安そうに顔を見合わせた。




 しかし、闇の魔術師はその様子を楽しむかのように、さらに不敵な笑みを浮かべ続けた。




「貴様らはただの人間。神の力を持つ魔神を相手にして、何ができるというのか?」




 彼の挑発的な言葉に、勇者たちは覚悟を決め、再び立ち上がった。彼らは闇の魔術師の前で、決して屈しない姿勢を見せた。


 闇の魔術師は深く息を吸い込み、力強い声で呪文を唱え始めた。




「目覚めよ、魔神!この火口から現れ、我が意志に従え!」




 その瞬間、周囲の空気が一変した。




 あたりは急に暗くなり、雷鳴が轟き、火山の火口から異様なエネルギーが噴き出してきた。勇者たちは恐れおののき、立ち尽くしてその光景を見守る。


 噴火しそうになっている火口から、何かが現れようとしていた。次第に、その形がはっきりとしてくる。




 火口の煙と火の中から、巨大化したエリシアが姿を現した。




 彼女は通常の数倍の大きさに成長し、威圧感を放ちながら火山の炎に包まれて立っていた。


 その姿は、まるで神々しさすら感じさせるものであり、魔術師の意志とは裏腹に、彼女の目には冷徹さが宿っていた。


 エリシアは火山の噴火口から上半身だけを出し、周囲の静寂を破るように一言だけ言った。






「エス・ディー・ジーズ、ですわよ。」






 その言葉が響き渡った瞬間、闇の魔術師と勇者たちは言葉を失い、呆然とした表情で彼女を見つめた。巨大なエリシアの威圧感と、その不可思議な発言に圧倒されていた。




 エリシアはそのまま、何事もなかったかのように再び火口の中に戻っていく。




 火山の煙と熱が彼女の姿を飲み込み、すぐにその姿は見えなくなった。




 周囲には静寂が戻り、闇の魔術師も勇者たちも、エリシアの言葉の意味を考えつつ、ただ呆然と立ち尽くしていた。

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