表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/724

かましたれ!エリシアちゃん!

 闇の魔術師は、重々しい空気の中、勇者と向き合った。


 彼の背後には、古代の壁画が広がっており、その絵には恐ろしい魔人の姿が描かれていた。壁画は色褪せているものの、凶悪な力を感じさせる。




「この壁画に刻まれし者を見よ…」


 魔術師は高らかに宣言した。




「ここに封印されているのは、かつて世界を滅ぼしかけた古代の魔人だ。この封印が解かれれば、全てが終わるのだ。」




 彼の言葉には、確信と共に不気味な興奮が混じっていた。勇者は剣を握りしめ、その言葉に対する覚悟を固める。




「だが、この封印を解き放つのは、我が力を持ってしても容易ではない…そう思っているのか?だが、それこそが誤りだ!」




 魔術師の声が響き渡る中、壁画の一部がひび割れ、暗黒の気配が滲み出してきた。


 闇の魔術師が高らかに宣言した瞬間、壁画が派手な音を立てて粉々に崩れ落ちた。


 緊張の一瞬、辺りは静まり返り、すべての視線が崩壊した壁の後ろに注がれる。




 粉塵が晴れると、そこに現れたのは予想外の存在――エリシアだった。




 彼女は何事もなかったかのように立ち、周囲の緊張感を全く意に介さない様子で、突然言い放った。








「こいつトイレで手洗ってないやんけ、って思われるのが嫌やから洗ってるんでしょ?」








 一行は言葉を失い、その場の空気が一瞬にして弛緩する。




 エリシアはそれを気にすることなく、さっさと壁に開いた穴の中に入り込み、瓦礫をガチャガチャと元に戻し始めた。


 数瞬後、エリシアは完全に姿を消し、残されたのは再び静寂と崩れた瓦礫だけだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ