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かましたれ!エリシアちゃん!
闇の魔術師が勇者と対峙し、手をかざして謎の魔法陣を発動させる。
黒い光がうごめき、魔法陣が不気味な音を立てながら輝きを増していく。
「何を召喚するつもりだ……?」
勇者が剣を構え、緊張感が場を包む。
魔法陣の中央にある穴が徐々に開き、何かが出現しようとしている。
皆が息を呑んで見守る中、ズズズッ……と穴から出てきたのは、エリシアの上半身だった。
全員が一瞬、何が起きたのかわからず、唖然とした表情で彼女を見つめる。
エリシアは少し考え込んだ様子で、周囲を見回し、そしてポツリと口を開く。
「サブスクサブスクって、大概にせえよ」
その一言に、場の空気が一気に緩んだかのような妙な沈黙が流れる。
そして、エリシアは何事もなかったかのように魔法陣の穴から静かに虚空へと戻っていった。
魔法陣はそのまま消え、闇の魔術師も勇者も、ただただ呆然とその場に立ち尽くすばかりだった。




