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第9.5章 二学期 第280話 晩餐会後日談―④ 真実【あとがきにご報告がございます】


「魔法の稽古を付けて欲しいとのことだけど……僕は、教えるのなら、生半可なことはできないよ。それでも良いんだね?」


「はい。お願いします、ブルーノ先生」


 俺は御屋敷にあった魔法の杖を手に持ち、コクリと頷く。


 そんな俺の前に立ったブルーノは、教材を開き、魔法の講義を開始し始めた。


「まずは、基礎だ。魔力操作がどれくらいできるのか、見させてもらう」


「はい」


 俺は、杖を構えて、先端に魔力を集めるように意識する。


 そして、魔法の稽古を行いながら……脳裏に、昨晩のことを思い返した。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




「日記帳……」


 深夜零時。宝物庫から帰って来た俺は、自室で机に座り、目の前にある日記帳を見つめていた。


 恐らくこれには、何か重大なことが書かれているような気がする。


 俺はゴクリと唾を飲み込むと、その日記帳を開いた。


『―――4月。春芽の節。今日から騎士学校に入学することになった。なんと、毒蛇王(バシリスク)クラスの級長に任命されたぞ! 僕は必ず聖騎士位を取って、立派なオフィアーヌ家当主になってみせる!』


 最初の1ページ目には、騎士学校に入学した父が、ドキドキワクワクな学校生活に対する想いや、顔の怖いゴルドヴァーク学園長への感想など、他愛もないことが書いてあった。


 パラパラと捲ってみるが、他もそんな感じだ。


 軽く目を通しつつ、ページを捲っていって、俺は、あることに気が付いた。


『ゴーヴェンくんは僕の親友だ。僕は、彼と共に、正義の騎士を目指したい』


 どうやら……父ジェスターは、若い頃、ゴーヴェンと友人関係にあったらしい。


 俺はその事実に驚きつつも、日記帳を読み進める。


『―――5月。翡翠の節。僕はお父様と喧嘩をし、自分の生活費は自分で稼ぐと言って、オフィアーヌ家からの仕送りを断り……お金を稼ぐべく冒険者になることを決める。放課後、急ぎ足で冒険者ギルドへと足を運んだ。最初は、ガラの悪い人が多く、騎士学校出身の僕を馬鹿にする者も多かったけど……全員が悪い人ばかりじゃなかった。そこで、僕を庇ってくれた、ウェイトレスの女の子がいたんだ。名をアリサ・イークウェス。彼女は、『彼はわざわざ人々のために冒険者になろうとしているのよ!? そんな人を馬鹿にするなんて、恥を知りなさい!』と言ってくれた。すごかった。僕とそう歳が変わらないというのに、大柄な男たち相手に彼女は怯むことなくはっきりと自分の意見を言ったんだ。僕は正直、強面の冒険者たちに怖がっていたよ……情けない』


 ここでアリサが出てくるのか……どうやら父は、母とは、冒険者ギルドで会ったようだ。


『6月。雨天の節。女に庇われた軟弱者と馬鹿にされた僕は、一か月間、誰ともパーティーが組めず……ソロで冒険者活動を行うはめになった。だけど、ソロでできる仕事なんて殆どない。畑を荒らすウサギを狩ってカウンターに持っていく度に、アリサさんに何度も笑われたよ。でも、そんなことを続ける度に、ついに、僕に仲間にならないかって、声をかけてくれる人が出てきたんだ。一人目はハゲ頭の剣士、ベルセル・ハーネット。二人目は弓兵、ケイリ・ウェンディ。三人目は太っちょの大盾を持った防衛職、アレンゾ・エディアル。最後の四人目が、暗殺者(アサシン)の……ルグニャータ・ガルフル。でも、後で知ったけど、彼らはアリサの紹介で僕に声を掛けてくれたみたい。アリサ……僕のことを気にかけてくれてありがとう』


「え……?」


 知っている名前が出てきて、俺は思わず、手を止める。


 ルグニャータ先生……? 何で彼女が、父の冒険者仲間に……?


 いや、よく見れば、他にも見覚えのある名前がちらほら……?


 ベルセル・ハーネットって、確か、王都で俺がよく行っていた八百屋の店主じゃなかったっけ?……というか、ハーネットって名字、よくよく考えれば、アンナの名字では……? もしかして、奥さんにいつも怒られているあの八百屋のハゲ親父、アンナの父親なのか……?


 ケイリっていうのは、そのベルセルの奥さんで、俺も何度か会ったことがあるが……ウェンディ? ミレーナさんのお母さん? いや、ミレーナさんはフランシア領の農村出身だと言っていた。ということは、ミレーナの親戚か何かか。アンナとミレーナって、もしかして、親族同士?


 エディアルという名字も、確か、あれだ。あの、ミレーナさんとアンナと一緒にいた太っちょの……ギークの名字だ。何だこいつら、親同士で結構交流があったのか。だから、子供同士で今も冒険者をやっていると。なるほどなるほど……って、今はそこはどうでもいいだろ!


 問題は、ルグニャータ先生だ!


 俺はページを捲り、読み進める。


 そこには、面白可笑しい底辺冒険者の父の冒険活動の日々が綴られていた。


 特に、変化もない日常を過ごしていき―――3年後。


 父が、騎士学校の卒業を控えていた、その年。


 何と、父ジェスターは酒に酔った勢いで、酒場でウェイトレスをしていた

アリサに花束を渡し―――交際を申し入れたのだった。


 どうやらアリサは、冒険者の酒場で、アイドル的な存在だったようだ。


 だから、周囲の冒険者たちから、父は馬鹿にされ、野次を飛ばされたようだが……何と、アリサは父の言葉にOKを返した。


 アリサも、懸命に努力を重ねる父の姿に、好意を抱いていたようだ。


 まさかの底辺冒険者リーダーが酒場のアイドルをかっさらうという展開に、場が騒然となるが、父の仲間たちは口笛を鳴らし、ジェスターを祝福した。


 何というか……青春しているなぁ。俺が求めていたルグニャータ先生の情報は「おっちょこちょい」「お酒飲み」「パーティーの賑やかし役」の情報しかなかったが……うん、今とあんまり変わらないのかもしれない。


「父さんと母さんは、お互いに、好き合っていたんだな」


 俺はニコリと優しく笑みを浮かべて、ページを捲る。


 そこから先は、俺もエステルから聞かされ、知っていたことだった。


 大森林―――第5界域『プラシャネットの湖畔』。


 過去、湖の傍に建てられたオフィアーヌの別荘に、ジェスターは【転移】の魔法を使って、母を連れて……隠れて逢瀬を重ねていった。そこで自分が貴族であることを明かすと、アリサはとても驚いたそうだ。


 父は、母のことを深く愛していた。だけど……貴族である彼には、御家から決められていた婚約者が既にいた。


 ―――アンリエッタ・ヴァイス・バルトシュタイン。


 父ジェスターは、アンリエッタと何度もお見合いをしたそうだが、彼はもう既に、アリサ以外の女性と結婚する意志は無かったみたいだ。


 ジェスターはアンリエッタに会う度に、こう、声を掛けた。


『君は僕のことを真に愛してはいない。結婚は、愛する者同士がすること。だから、君も愛する人を見つけて欲しい』……と。


 そんな彼に対してアンリエッタは『愛というものなどはこの世にはない』と答えたそうだ。


 ジェスターは、困った。


 オフィアーヌ家は、アンリエッタとの結婚を推奨している。


 だけど彼は、愛するアリサと結婚したかった。


 元々、彼は、複数人の女性を愛することなど、できない性質だった。


 だから、その事に、彼は激しく悩み、時にはアリサと駆け落ちをしてオフィアーヌ家から逃げ出そうとも考えていたみたいだ。


 しかし、ジェスターの弟デッセルは当主の器ではなく、領地で問題ばかりを起こしている問題児だった。自分が当主にならないと、領民は困ると、そう言ってきた。


 そのため、ジェスターは苦渋の選択の中……父ギャレットにアリサと結婚することを話し、結果、ギャレットはアンリエッタを第一夫人、アリサを第二夫人にすることで、その申し入れを受け入れたのだった。


『8月、陽夏の節。アリサにそのことを話したら、彼女は第二夫人でも良いと言ってくれた。僕と一緒になれるのなら、どんな立場だろうと関係ないと言ってくれた。すまない……本当にすまない、アリサ……』


 そのページには、ポタポタと、涙が落ちたようなシミが広がっている。


 そして文の下に、ジェスターとは異なる筆記の文字が書かれていた。


『すまなかった、ジェスター』


 恐らくこれは……フィアレンス事変の後にこの日記を読んだギャレットが、付け加えた文なのだろう。全ての悲劇の始まりは、バルトシュタインの娘を受け入れた、ギャレットのせいでもあるのだろうが……これはたらればの話だ。まさか

アンリエッタがあそこまでの凶行に走るとは、この時点では誰も思うまい。


 ページを捲っていく。その1年後、アリサに婚約を申し入れ……ジェスターは二人の妻を得た。当初、二人の間を取り持とうとしていたジェスターだったが、アンリエッタは事あるごとに陰でアリサを虐め……それを何度も目撃してしまったジェスターは、アンリエッタに対して、愛情を持てなくなっていった。


 一部には、あんな女と結婚なんてしたくなかったと、恨み言のひとつやふたつも散見された。今まで冒険者に馬鹿にされようともそれを笑いごとのように書いていたジェスターが、初めて、負の感情を見せていた。まぁ……相手はあのアンリエッタだ。何となく、そのストレスの背景も察することはできるが。


 だが、恨み言ばかりではなく、ジェスターが心の底から喜んでいる日記もあった。


『春芽の節 4月4日。長男、ギルフォードが産まれた! 僕によく似ている気がする! とても可愛い男の子だ! この子が、僕の息子……命に換えてでも、絶対に絶対に大事にするぞ!』


 4年後。


『春芽の節 4月24日。長女、シュゼットが産まれた! 毛髪は緑色、オフィアーヌ家のものではなく、アンリエッタの、バルトシュタイン家の血に由来するものだと思う。アンリエッタとは色々衝突しているが、子供に関係ない。シュゼットには、家族を愛することができる子に育って欲しい』


 ジェスターにとって、子供は、自分の生きる糧になったようだ。


 その後の日記はアンリエッタへの恨み言ではなく、ギルフォードとシュゼットの成長日記で埋め尽くされている。本当に、子供を愛していたんだな。


 そして―――ついに、運命の日がやってくる。


 3年後。


『雪麗の節 12月25日。生誕祭の朝に、次女、アネットが産まれた。アリサにとてもよく似ている子だ……! この子は将来、絶対に美人さんになるぞ! あぁ……今から変な男に言い寄られないか心配だ……! これからはお父さんがずっと傍で守ってあげなければ! そう言ったら、アリサに呆れられた。でもしょうがないだろ、君に似ているのだから……!』


 まったく、親馬鹿だったんだな、この親父は。


『前に、レーゲン家の使用人たちが、アネットの付き人をエリーシュアにして欲しいと言ってきた。だけど、僕とアリサはそれに反対して、アネットの付き人をソフィーリアに任命した。ソフィーリアは、家族から腫物扱いされていて……見ていられなかった。根はとても優しい子なのに、無表情だから気味が悪いと、双子の妹と違ってメイドの仕事がまったくできないからと、レーゲン家の両親から突き放されていた。子供に対してそんな仕打ちは、あんまりだと思った。だけど僕たちがいくら言っても、ソフィーリアの両親は理解してくれなかった』


 コルルシュカ、か。


 確か、このことはコルルシュカから聞いたな。


 あいつも幼い頃から、苦労していたんだよな……。


『だから僕たち夫婦は、ソフィーリアにアネットを任せることにした。いや、むしろ、ソフィーリアが良いと思ったんだ。彼女は、オフィアーヌ家のメイドの中で誰よりも優しい子だ。きっと、アネットとも相性が良いはずだろう。ソフィーリア、どうか、僕たちのアネットをよろしく頼むよ』


 あんたたちの予想通り、コルルシュカは良いメイドになったよ。まぁ……俺にセクハラしてくるところは、どうかと思うがな。


 俺は笑みを浮かべながら、次のページを捲る。


 すると、そこに書かれていた文に、俺は思わず目を見開き……「は?」と声を溢してしまった。




『雪麗の節12月25日。午後一時。アネットが…………瀕死の重体になった』




 俺が、瀕死の重体……? どういう、こと……なんだ……?


『アンリエッタが、アネットの首を絞めようとしているところを発見し、アリサが止めた。今、医者に診てもらっているが……助かる見込みは、ほぼ、ないらしい。あと数刻の命だそうだ』


『くそくそくそくそくそ!!!! 何でだよ!!!! 何でこんなことになったんだよ!!!! アネットが何したっていうんだよ!!!! 畜生!!!!!』


『雪麗の節12月25日。午後二時。ゴーヴェンが屋敷に来た。アネットが助かる方法があると言う。僕は藁にも縋る想いで、彼に聞いた。どうやったら、娘を救うことができるのかと。そうしたら、彼はこう言葉を返した。―――王家の宝物庫にある魔道具を使用しろ、と』


 俺は、指を震わせて、ページを捲る。


『耳を疑った。だって、王家の宝物庫に入るのは重罪だ。だが、助かる術がこれしかないと、ゴーヴェンはそう言った。親友である彼の言葉に……僕は苦悶の表情を浮かべながら、頷いた。宝物庫の場所は、当主である僕には分かっている。僕とゴーヴェンはオフィアーヌの宝物庫から引っ張ってきた透明化マントを羽織り、瀕死の娘を連れて、宝物庫へと向かった』


『いくら透明化マントを羽織っていても、毒蛇王(バシリスク)には看破されてしまった。僕は、毒蛇王(バシリスク)に懇願した。宝物庫の中に入れてくれと。毒蛇王(バシリスク)は何度もそれは無理だと言ってきたが……僕の必死の願いに折れ、見なかったことにすると言って中に入れてくれた。オフィアーヌ家の神獣には、感謝しかない』


『宝物庫の中に入った。そこには……とても信じられない光景が広がっていた。聖王国の秘密を知った。だけど、それに注視している場合ではなかった。僕たちは急いで、ゴーヴェンが言っていた魔道具(マジックアイテム)を見つけ出した。床にアネットを寝かせ、ゴーヴェンが、魔道具(マジックアイテム)の準備に取り掛かる。ゴーヴェンが何故、その魔道具の使い方を知っているのかは分からなかったが……時は一刻を争う。僕は、彼の判断に任せた』


『彼は何故か、右にある魔法陣の上に赤子のアネット、そして……左にある魔法陣の上に何者かの頭蓋骨を載せた。理由は分からないが、必要な儀式だと言う。アネットが助かるなら、僕はどうでも良かった』


『雪麗の節12月25日。午後五時。アネットが息を吹き返した……! 良かった、本当に良かった……! だけど、それと同時に、彼女は臓器が石化する『ゴルゴン病』を発症していた。『ゴルゴン病』くらいだったら、大したことはない。魔力の流れを止めれば、十年くらいで完治するからだ。僕は魔封じの印をアネットに施し、彼女の魔力の流れを止めた。もう、これで大丈夫だ。アネットが死ぬことは無い……!』


 ゴルゴン病……それは、前世の俺が亡くなった、病……。


『雪麗の節12月25日。午後七時。オフィアーヌ家の屋敷に帰宅した。アンリエッタがアネットを殺そうとしたことは……屋敷のみんなには、黙っておくことにした。僕の外出も、アネットの病を治すため、ということにしておいた。余計な混乱を招きたくはなかったからだ。確かに、アンリエッタの所業は憎いが……人を恨んではならない、憎悪の連鎖を産むからと、お父様によく言われていた。だから、僕はこの後、アンリエッタと離婚の話をしようと思う。アンリエッタにはアンリエッタの人生があるからだ。僕たちに惑わされる必要はもうない。できれば、シュゼットの親権は僕が持ちたいところだ。シュゼットは僕の娘だからだ』


『自室に軟禁していたアンリエッタにそのことを伝えると、彼女は激昂した。そして、荷物を持って屋敷を出て行った。……すまない、アンリエッタ。僕では君を幸せにすることはできなかった。君にも、きっと、本当の幸せを見つけることができるはずだよ』


『雪麗の節12月25日。午後十時。大変だ。フィアレンスの森が燃えている。遠くを見ると、王国聖騎士団の姿が見える。彼らは屋敷の前に立つと、こう言ってきた。―――聖王陛下のご命令により、王家の宝物庫に足を踏み入れたオフィアーヌ家当主ならびにその一族を処刑する、と。意味が分からなかった。だって、宝物庫の中にある魔道具(マジックアイテム)を使ってアネットを救おうと言ってきたのは、ゴーヴェンその人だったからだ』


 フィアレンス事変が……始まった。


『雪麗の節12月25日。午後十一時過ぎ。アリサとソフィーリアにアネットを任せて、裏口から逃がした。ギルフォードもアリサについて行って欲しかったのだが、あの子は、嫌だと言って、無理やり僕についてきた。本当に、困った子だ』


『雪麗の節12月25日。午後十一時過ぎ。屋敷と森を包囲された。多分、もう僕は駄目だと思う。だけど、どんな手を使ってでも、ギルフォードを助けてみせる。せめてもの救いが、シュゼットとエリーシュアが分家の家に行ってくれていたことか。子供たちだけは、どんなことがあっても助けてみせる』


『今から、ギルフォードを連れて、森の中に逃げる。―――最後に。愛しているよ、ギルフォード、シュゼット、アネット。そして、ごめん、アネット。お前には、十分に、父として接することができなかった。もっと、もっと、お前と遊んでやりたかったのに……ふがいない父を許してくれ……』


 そのページは、半分、火に焼け、血によって黒く汚れていた。


 後のページ全て、白紙。


 俺は深く息を吐き……静かに日記帳を閉じた。


「…………」


 この日記帳のおかげで、俺の背景を……知ることができた。


 アレスは、王家の宝物庫に『転生の儀』を行える魔道具(マジックアイテム)があると言っていた。


 そして、ジェスターは、瀕死の赤子を連れて、ゴーヴェンと共に王家の宝物庫に入った。


 恐らくジェスターは、その魔道具がどういったものかを知らない。


 知っているのは……誰か(・・)の頭蓋骨を魔法陣の上に載せた、ゴーヴェンだけ。


 よく分かった。俺がこの身体に転生したのは、全て―――ゴーヴェンの仕業だということがな。


 ゴーヴェンは、恐らく俺が、アーノイック・ブルシュトロームであることを知っている。


 いや、もしかしたら……ちゃんと転生できているかどうか、まだ、判断しかねているのかもしれない。


 真実が分かったのと同時に、疑問が産まれる。


 何故ゴーヴェンは、アネット・オフィアーヌに、アーノイック・ブルシュトロームの魂を転生させたのか。いや、そもそも何故、死人である俺を再びこの世界に誕生させたのか。


 ゴーヴェンはいったい、俺に、何をさせようとしているんだ?


 あいつは、いったい、何が目的なんだ……?


「アンリエッタが生きていたのなら、色々と話を聞けたのかもしれないが……それはもう無理だな。なるほど、ゴーヴェンはこのことを危惧して、真っ先にアンリエッタを殺したのか」


 俺は天井を仰ぎ、大きくため息を吐いた。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




「こら、アネットさん。集中力が切れているよ」


「あいた」


 回想を終え、現在へと戻る。


 俺は、ブルーノの持っている教科書で頭をコツンと小突かれた。


 頭を撫でる俺を見て、ブルーノは微笑を浮かべる。


「稽古を始めて、3時間。そろそろお昼だし、休憩にしようか」


「す、すみません、ブルーノ先生」


「構わないよ。さぁ、一緒に食堂にでも行こうか」


「はい。……っと、その前に。ブルーノ先生にお聞きしたいことがあります。ブルーノ先生は、もし自分が当主になったら、どういう風にオフィアーヌ領を統治するつもりだったのでしょうか?」


「その質問には、意味があることなのかな? だって、当主は君じゃないか」


「何というか、他の方だったらどうするのか、参考までに聞いておきたくて」


「そっか。うーん……」


 ブルーノは顎に手を当て考え込む素振りを見せると、こちらに疲れた笑みを見せる。


「先代当主……君の父ジェスターと、僕の父デッセルは、それはそれは仲が悪かったらしい」


「え?」


「父デッセルは、祖父ギャレットに可愛がられる優秀なジェスターを憎んでいた。兄は顔も良く頭も良く剣の腕も良い。だが、弟であるデッセルは、産まれた瞬間、兄には何一つ、勝つことができなかった」


「……」


「そして、多分、デッセルはアンリエッタに惚れていたんだと思う。欲しいものを全て手にすることができていた兄に、デッセルは日々鬱屈としていた。そんなある日のこと。フィアレンス事変が起こり、棚から牡丹餅で、デッセルは本家の仲間入りを果たした。そして、アンリエッタと結婚することができた。彼は相当、ウハウハだったことだろう。だけど、現実を知った。自分が……当主の器ではないことにね」


「デッセルさんは、うまく、オフィアーヌを統治することができなかったんですか?」


「あぁ。それはもう酷い政策ばかり行ったそうだ。そして1年経たずに領民から不満が上がり、結局、先々代当主であるギャレットが当主代理を務めることになった。デッセルは屋敷内で権力を失い、隠居することになった。僕はね……その話を聞いて、心底、くだらないと思ったんだ。前妻の母を押しのけアンリエッタを第一夫人にしたデッセルに恨みを抱いたし、当主の器ではないのに調子に乗った父を哀れんだ。だけど、ひとつボタンを掛け違えば、その話は、誰にだってあり得るかとも思った。その兄弟の在り方は、僕とアレクセイにもよく似ているからね」


「ブルーノ先生とアレクセイさんが、ジェスターとデッセルに似ている? 私は、そうは思いませんよ。だって、二人はとても仲が良いじゃないですか」


「僕は、自分で言うのもなんだけれど……剣、座学、兵法と、そこそこの才能を持って産まれてきた。だけど、アレクセイは、目立った才能がひとつも無かった。僕はアレクセイのことを誰よりも大切な弟だと思っているが、ひとつのボタンの掛け違いで、僕とアレクセイも憎み合っていたのかもしれない。まぁ、何が言いたいかと言うと、もう家族同士で憎み合うのはまっぴらごめんということだよ。僕が当主になるんだったら、デッセルやアンリエッタといった争いの火種となる存在には早々に退場してもらいたいね」


「……ブルーノ先生が当主になったら、屋敷からデッセルを追い出すと?」


「たとえ話だよ。僕は、シュゼットやコレットと普通に会話できている今のオフィアーヌ家をすごく気に入っている。今の状態が続くなら、デッセルがいようがいないが、構わないよ。……好きか嫌いかで言えば、父のことは嫌いだけどね」


 ブルーノは、家族間の争いを極力無くしたい、と。なるほどな。

 

 俺がブルーノの言葉を聞いて思案に耽っていると、背後から、声が聞こえてきた。


「……ぐぬぬぬぬぬ。何故、魔法の稽古の指南役に、ブルーノが選ばれたのでしょうか。何故、私ではないのでしょうか。どう思いますか、エリーシュア」


「まだ、アネット様との交流が少ないからではないでしょうか? ソフィーリアの本にも書いてありました。女をベッドに誘うには、まず、段階を踏めと……コホン。いえ、何でもありません」


 オフィアーヌ家の風紀委員長エリーシュアさんが、何故か、どこかの何とかシュカさんに毒されているのですが……まぁ、放っておくか。


 俺は、植え込みの木に身を半分隠してこちらを見つめるシュゼットを指さし、ブルーノに声を掛ける。


「あの……あれは、争いの火種にはならないのですか、ブルーノ先生」


「なり得るが……放置しておくしかないんじゃないかな。誰が、シュゼットを屋敷から追い出せるんだい? 君が言ったところで、彼女は絶対に君の傍から離れないだろう?」


「それもそうですね……」


 俺は、こちらを不気味に見つめる姉に、思わず苦笑してしまった。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 午後12時。お昼。食堂。


 向かいの席でオムライスをかき込むアレクセイに、俺は、ブルーノにしたのと同じ質問を投げてみた。


「あの、アレクセイさん。もし貴方が当主になったら、オフィアーヌ家をどういう領地にしたいですか?」


「がつがつがつ……んん? 俺が当主になったら? 無理無理無理無理! だって、どう見ても、俺、アホじゃん? アネットさんや兄上、シュゼットがなるのなら分かるけどさー、俺、そういう器じゃないから。というか、むしろ、やりたくないなー」


「何故ですか?」


「兄上から聞いてないかなー。うちの父上、いろいろとやらかしちゃってるからさー。俺、兄上と違って父上似だし。当主になっても、良い統治者になんかなれねぇよ」


「私は……そうは思いませんよ? コレットさんから聞きました。オフィアーヌ家で最初にコレットさんのお話を聞いたのは、アレクセイさん、貴方だったんですよね?」


「いや、まぁ、そうだけど……なんだよ、コレットの奴。アネットさんに話したのかよ」


 唇を尖らせるアレクセイ。ブルーノやシュゼットとは異なり、アレクセイは何というか、感情が表情にすぐ出る、素直な奴だ。


「貴方は、この家で一番柔軟性のある思考の持ち主だと、私は思っています。貴方が、頑なにアンリエッタ派閥を憎んでいたブルーノ先生を変えたと言っても過言ではないでしょう」


 俺がそう口にすると、アレクセイは食事の手を止め、顔を真っ赤にした。


「いや……はぁ!? 俺が兄上を変えたぁ!? そ、そんなこと、あるわけねぇだろ! だって、兄上は、誰よりもかっこよくて、俺みたいな馬鹿とは全然違って……! 俺の言葉にあの兄上が影響されるはずないって!」


「それでも、コレットさんは、貴方のことを誰よりも一目置いていると思います。あの子が尊敬しているのは、シュゼット姉様やブルーノ先生ではなく、貴方です」


「あー……いや、コレットが言ってるだけだろ? 俺はそんな大した人間じゃねぇよ。オフィアーヌ家で一番のドベ、それが俺だ」


 褒められ慣れていないのか、アレクセイは後頭部をがしがしと掻いた。


「私は、そんなアレクセイさんに聞きたいのです。もし、自分が当主になったら、そんなオフィアーヌにしたいのか。参考までに、聞かせてはいただけませんか?」


「どんなオフィアーヌに、か。そりゃあ、みんなが楽しめたら良いんじゃないかなぁ」


「楽しめる?」


「あぁ。オフィアーヌ領は、こんな僻地にあるだろ? 大森林の近くにあることから、訪れるのは、遺物や魔道具を求める冒険者ばかりだ。だからさ……もっと他のことで人を呼べたら良いんじゃないかなって。ここ、意外に温泉とかあったりするんだぜ? 秋になると紅葉も綺麗だし、冬になると樹氷も見られる。そういった地元の何か、アピール? みたいなのできたら、観光客も来て、オフィアーヌも楽しくなるんじゃないかなぁって。まぁ、フランシアのマリーランドみたいな観光地にしたいってわけじゃないけど。あそこまでの観光名所にできるかと言われると、森だらけのオフィアーヌ領じゃ無理だな、うん」


「なるほど。素晴らしいお考えですね。確かに、オフィアーヌを観光名所にできたら、たくさんの人が来て、楽しい土地になりますね」


「だろ? せっかくこんだけ、自然豊かなんだからさ、それを活かしていきたいよな!」


 そう言ってカラカラと笑い、アレクセイは食事の手を再開させた。


 アレクセイは、オフィアーヌを楽しい土地にしたい、と。なるほど。


「……エリーシュア。何故、アネットは、私を食事に誘って来ないのでしょう」


「ですから、お嬢様。女を堕とすには段階を踏まなければなりません」


 背後を振り返ると、食堂の入り口でこちらを見つめる姉とメイドの姿があった。


 俺はため息を吐き、空になった皿を手に、席を立った。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 午後13時。相変わらず俺をストーキングし、背後からじっと見つめるシュゼット。


 俺は振り返り、エントランスホールの柱に隠れているシュゼットに、思い切って声を掛けてみた。


「あの、お姉様」


 俺がそう声を掛けると、シュゼットは柱から姿を出して、何故か俺に向けて両手を広げてみせた。なになに怖い怖い怖い。


「来なさい、アネット」


「はい……?」


「お姉ちゃんでちゅよー」


 シュゼットの奇行に俺がダラダラと汗を流していると、シュゼットの背後に立っていたエリーシュアがコホンと咳払いをし、シュゼットにそっと声を掛けた。


「シュゼット様。交流を深めるイコール、抱きしめるではないかと」


「そうですか」


 シュゼットは手を下げると、心なしかしょんぼりとした様子を見せる。


 あの笑いながら人を石の柱でぶっ飛ばす狂乱令嬢様が、まさか、ここまでコミュニケーションを苦手としているとは……思わなかった。


 俺はコホンと咳払いをし、意を決して、シュゼットに声を掛ける。


「あ、あの……シュゼット様にご質問があるのですが……」


「お姉様です」


「え?」


「お姉様です」


 あ、あぁ……お姉様と呼べ、ということか。


「は、はい。シュゼットお姉様に質問があるのですが……」


「何でしょう、アネット」


「はい。ええと、もし、シュゼット様がオフィアーヌ家の当主となったら、このオフィアーヌを、どういった風に統治していきたいですか?」


「アネットの敵がいない世界にします」


 どうしよう。今までで一番、参考にならねぇ……。


 俺は引き攣った笑みを浮かべ、再度、口を開く。


「わ、私と会う前のシュゼット姉様は、当主を目指していたのですよね? その理由は、何ですか?」


「分家のゴミどもを掃除して、オフィアーヌ家を正しき血族の手に戻すためです」


「えっと……掃除とは?」


「皆殺しです」


 こっっっっわ。やっぱりオフィアーヌ家で一番やばいの、この姉だったわ。


「安心してください。今はそんなことを考えていません。分家のゴ……失礼。分家の人たちも、アネットの下僕になったようですしね。フフフフ……アネットが当主になるのなら、私は、何の文句もありません。フフフフフフフフフ……」


 怖い怖い怖い怖い。何急に笑ってるの、この人!


 俺は恐る恐ると、シュゼットに言葉を投げる。


「えっと……もし、もしもの話ですよ? 私が当主の座を退いて、他の者にその座を明け渡したら……シュゼット姉様は、どうするのですか?」


 シュゼットは真顔になった後、不気味な笑みを浮かべる。


「さぁ。分かりません。相応しくない者が当主になった場合は、アネットに戻って来てもらうために、色々と試行錯誤するかもしれませんね……フフフフフフフフフ」


 やっぱりこっっっっわ。色々と試行錯誤って何。こっっっっわ。


 よく分からないけど、よく分かった。


 ブルーノの言う通り……この人は、上に立っちゃ駄目な人だったわ。


 シュゼットも変わったのかなと思ったけど、芯はあまり変わってなかったみたいだ。狂乱令嬢のままだ、この人。


 俺が当主になったから、丸くなっただけだったわ、この人……。

 

「来なさい、アネット」


 また、両手が広げられる。


 俺は身体を震わせながら、その両手に恐る恐ると、飛び込んで行った。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「……」


 最後の一人。コレットを探して屋敷の庭を歩いていると、彼女の背中を見つけた。


 午後18時。紅く染まった夕焼け空の下。俺は、広大な庭の端でしゃがみこむ、薄緑色の髪の少女に声を掛ける。


「コレットさん」


 そう声を掛けると、彼女は振り返り、にっこりと満面の笑みを浮かべた。


 俺はそんな彼女に笑みを返し、彼女の隣に並ぶ。


 コレットの前にある木の下には……簡素な石が置かれていた。 


 俺はそれを見つめ、首を傾げる。


「これは……?」


 俺がそう疑問の声を溢すと、コレットは地面に置いてあるスケッチブックを手に取り、文字を書いていく。


 そしてスケッチブックを掲げると、そこには、こう書かれていた。


『お母さまのお墓です』


「お母さま……もしかして、アンリエッタの?」


 コクリと頷くコレット。


 アンリエッタの遺体は、聖騎士団が回収したため、オフィアーヌ家に戻ってきてはいないはずだが……。


 俺がそう考え込んでいると、コレットは再びスケッチブックに文字を書き、それを俺に見せてきた。


『お母さまのお身体はここにないけど、頑張って作りました。変でしょうか?』


「ううん。変じゃないよ。優しいんだね、コレットは」


 続けて、コレットは返事をスケッチブックに書き記す。


『私はお母さまがずっと、怖かったんです。私、オフィアーヌ家の御屋敷に、メイドのお友達がいたんですよ。でも、そのメイドの子と私、些細な事で喧嘩をしてしまって……そうしたら、二人で口喧嘩しているところを、お母さまに見られてしまったんです。その瞬間、お母さまが騎士に命じて、私の目の前でメイドの子を殺しました。その瞬間、私は、声を失いました』


「そう、だったんですか……」


『母、アンリエッタは、自分の思い通りにならないことに、酷く怒る人でした。私は、子供ながらに思いました。この人は、子供のままなんだと。大人になりきれていないんだと』


「……そうですね。同意します」


『でも、私、母が死んだと聞いた時、ちょっと可哀想だなと思いました。何かを得ること以外でも、世の中、楽しいことがいっぱいあるのに。私は、絵を描くのも好きです。こうやって草原に座り込んで風を感じるのも、すごく好きです。シュゼットお姉さまや分家のみんなが争っていた時も、何でそんなことをするのかなってずっと思っていました。当主の座なんて、そこまで意味があるものなのかなって、ずっと思っていました』


 この子は……誰よりも、ずっと、大人だったのかもしれない。


 一族の中の、誰よりも。


 コレットは立ち上がり、スケッチブックを両手に持って、笑みを浮かべる。


『だから……今は、すっごく楽しいの! みんな、仲良しで! アネットお姉さまも、私が想像していたよりも、すっごくすっごく素敵な方で! 私、今のオフィアーヌ家が、大好き! ありがとう、アネットお姉さま!』


「コレットさん……」


 まだ十歳だというのに、本当に、よくできた子だ。


 コレットはにぱーっと笑った後、森の奥へと足を進める。


 俺は首を傾げ、彼女に声を掛けた。


「どこに行くんですか? もう日も沈みますし、危ないですよ?」


『こっちに、お墓があるの。大丈夫。危なくないよ』


 そうスケッチブックに書いて、コレットは歩みを進める。


 彼女の後をついていくと、そこには……たくさんのお墓の姿があった。


 簡素な、小ぶりな石が置かれただけの墓が、無数に、森の中には広がっていた。


 俺はその光景を見て、思わず驚きの声を上げる。


『これは……』


 コレットは俺の言葉に振り返り、スケッチブックを見せた。


『みんなのお墓。ジェスターさんや、アリサさんだけじゃなく……お母さまに殺されてしまった人のお墓もあるの。私のお友達のお墓も、ここにある。ここに身体はないんだけどね』


 そう言って笑みを溢す、コレット。


 みんなの、お墓……。


 コレットは、今までずっと、オフィアーヌ家の一族が争い合っていた間、亡くなった人のことを悼んでいたのか……。


 俺は優しい笑みを浮かべ、コレットに声を掛ける。


「コレットさん。貴方がもし、オフィアーヌ家の当主になるとしたら……オフィアーヌを、どのように統治したいですか?」


 俺の言葉に、顎に人差し指を載せて、コレットはうーんと思案する素振りを見せる。


 そして、スケッチブックに何かを書くと、それを俺に見せてきた。



『人が死なない場所にしたい』


第280話を読んでくださってありがとうございました。

皆様にご報告がございます。

本日、コミックガルド様のアプリにて、コミカライズ版剣聖メイドの連載が始まりました!(WEB版は10日からだそうです!)

コミカライズは原作と少し異なる展開もあると思いますが、すごくすごく面白いですので、ぜひ、読んでみてください!

アネットとロザレナが漫画で動いていて、感動ですよ~!

こちらが作品継続の最後の要になると思いますので……コミックスが発売した暁には、ご購入、どうぞよろしくお願いいたします~!

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アーノイックは火葬されたとリトリシアが言ってたけど頭蓋骨は残ってたのかな? アネットが聖誕祭(女神の誕生日?)に生まれたことにも何か意味があるんだろうか? 魂が別人のものに変わっていると知られたらオフ…
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