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第8章 二学期 第231話 元剣聖のメイドのおっさん、リューヌという少女を知る。



「ジェシカ、その……ごめんね」


 ロザレナはそう言って頭を下げ、ベッドに腰かけるジェシカへと謝罪した。


 そんな彼女に、ジェシカは慌てて手を振る。


「い、いや、そんなのやめてよ! 私の方こそ、ごめん。ロザレナが助けてくれたのに、怖がっちゃって」


「貴方は何も悪くないわ。あたしがやりすぎちゃったのがいけないのよ」


「……ロザレナ。私ね、やっぱり、自分は剣士には向いていないんだと思う」


「え?」


 ジェシカのその言葉に、ロザレナは顔を上げて、目を丸くする。


 そんな彼女に、ジェシカは俯き、口を開いた。


「私、誰かを傷付けるのが、怖いんだと思う。だから、戦おうと思った時に自然とストッパーがかかっちゃうの。力が……思いっきり出せないの」


「ストッパー? 何を言っているの? だって貴方、先月末、道場であたしと……」


「うん。あの時は、相手がロザレナだからこそ戦えると思ったんだ。貴方は私の友達であり、ライバルだったから。私ね、心の底でロザレナのこと、軽く見てたんだと思う。だから……貴方がどんどん急成長していくことに、焦りを覚えていた。私だって【剣神】の孫なのに、って。でも、結果はあの有様。ロザレナに嫉妬して、越えてやろうと思って頑張って力を出してみても……勝てなかった」


「ジェシカ……」


「私だって、素直に虐められるつもりはなかったんだよ。でも、彼女たちに、私は暴力を振るう気になれなかったんだ。笑っちゃうよね、ロザレナには嫉妬して力を出せたのに、他人を傷付けることには怖がるなんて。お爺ちゃんが私に剣は向かないって言ったこと……今なら分かる気がする。私は、剣を持つのが、怖いんだ」


 そう言って身体を抱きしめて、震えるジェシカ。


 そんな彼女に、ロザレナは静かに声を掛けた。


「どうして……剣が怖いの?」


「……」


「あたしには、話せない?」


「……ごめん。今はちょっと、苦しい、かな」


 そう言って悲痛な表情を浮かべるジェシカ。


 そんな彼女に、ロザレナは、笑みを浮かべ開口した。


「ジェシカ。あたしが鷲獅子クラスを倒して、貴方を黒狼クラスに引き入れるわ。だから、もう少しだけ待っていて。必ず、貴方を助けるから」


「……いいよ。そんなことしなくて」


「前に約束したじゃない? 助けるって。あたしは貴方の友達なんだから……」


「良いって言っているでしょ!!」


 ジェシカはそう声を荒げると、すぐに我に返り、ロザレナに謝った。


「あ、ごめん……」


「ジェシカ……」


「ごめん、ロザレナ。もう少しだけ、考えをまとめたいんだ。その、私も今日はちょっとおかしいみたいだから……また明日、話そうよ。ね?」


「うん、分かったわ。それじゃあね、ジェシカ」


 そう言ってロザレナは部屋を出て行った。


 一人残ったジェシカは、膝に拳を当て、悔しそうな表情を浮かべる。


「何で私は……守ってもらってばかりなんだろう。私……お爺ちゃんの孫なのに……【剣神】ハインライン・ロックベルトの孫なのにっ……どうしてっ……!!」





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇





「ここですわね」


 そう言ってルナティエが見上げるのは、聖騎士駐屯区・学区内にある礼拝堂。


 この区画にある礼拝堂は、主に式典などに使われたりするらしいのだが、基本的には信心深い天馬クラスのテリトリーで、一般生徒はあまり立ち寄らない場所となっている。


 現に俺たち一期生・黒狼クラスの生徒は、今まで一度もこの区画に足を運んだことは無かった。


 俺は礼拝堂を見上げながら、感嘆の息を溢す。


「聖騎士養成学校の礼拝堂には初めて来ましたが……思ったよりも大きく、立派なものなんですね」


「そうですわね。この学園は騎士の育成を第一に掲げていますけど、元々は、敬虔な神の徒を育てることも目的として建てられた学園でもありますのよ。まぁ、騎士の育成に力を入れたいのは武家であるバルトシュタイン家の方針で、信徒を増やしたいのがセレーネ教のトップの聖女の方針で……お二人はこの学校に対する運営方針で、長く、揉めているご様子みたいですが」


「? 聖女も、この学校の運営に関わっているのですか?」


「ええ。600年程前にこの学園を建てたのが当時のバルトシュタイン家で、土地とお金を出資したのが、聖女となっていますわ。なので、この学園のトップに君臨しているのは学園長のゴーヴェンと聖女となっていますの」


 なるほど。だからこの学園はセレーネ教の色が濃い造りとなっているのか。


 俺が納得した様子を見せると、ルナティエは礼拝堂を見つめながらポソリと呟いた。


「四大騎士公の中で最もセレーネ教を信仰していた御家が、フランシア家ですわ。代々、フランシア家の当主は、剣と信仰系魔法を極めた聖騎士が務めてきました。ですがわたくしは、歴代のフランシアの人間が必ず配属されるという天馬(ペガサス)クラスの選考から外れ、黒狼(フェンリル)クラスへと配属されました。信仰系魔法に対する才能はそれほど無く、挙句には拳などで戦ってしまう始末……代々の血族が聞いたら、呆れるばかりでしょうね」


「前々から気になっていましたが、その口ぶりから察しますに……ルナティエ。貴方はそれほど、セレーネ教に信心深いというわけでもないのですか?」


 俺のその言葉に、ルナティエはこちらを見て、フッと笑みを溢した。


「本音を言うと、そうですわね。今までは表面上、お父様のように女神アルテミスを信奉していましたわ。ですが……わたくしは、全部が全部、神様のおかげにしたくはありませんの。これも全ては神のご加護のおかげ~という言葉が昔から大嫌いでしたわ。わたくしの努力も失敗も、全て、わたくしのもののはず。誰かのおかげや、誰かのせいにしたくはない。何かに縋りたくありませんのよ、わたくしは。プライドが許せませんから」


「ルナティエは、強い御心をお持ちなんですね。そうですね。個人が行う努力は全てその人のものだと、私もそう思います」


「アネット師匠は、神様を信じていますの?」


「どうでしょう。私は幼い頃、世界を憎んでいました。私は自分の生い立ちからして、そもそも、神という存在を肯定することができなかったのかもしれません。肯定してしまっては……神は、私を地獄に堕としたと、そう思ってしまいそうになりますから。師に世界を恨むなと教えられた。優しい人たちがいることを知った。だから今の私がいる。神という存在は、私には『分からない』と答える他ありません」


「地獄……それって……」


「長話が過ぎてしまいましたね。行きましょう、ルナティエ」


「……はい、師匠」


 俺たちはマントを羽織るとフードを深く被り、顔を隠して、礼拝堂へと歩いて行く。


 幼い頃、奈落の掃き溜めで産まれた俺は、世界を、神を、人を、恨んでいた。


 それを、アレスが変えてくれた。俺に優しい世界があることを教えてくれた。


 だからきっと、俺には、神という存在は肯定も否定もできない。


 俺を地獄に叩き落したのが神なら、アレスと出会わせてくれたのもまた、神だと思うから。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇





「正門前は、天馬クラスの生徒が受付をしている様子ですわね。偵察をするには、正面きって潜入するのは愚策でしょう。師匠、どうやって中に入りましょう?」


 そう言ってルナティエは、植え込みの木に隠れ、背後に居る俺に声を掛けてくる。


 俺は頷き、礼拝堂周辺を観察してみる。


 そして、二階付近の窓が開いていることに、気が付いた。


「ルナティエ。あそこから入るのはどうでしょう?」


「あ、確かに窓が開いていますわね! でも、あの高さ、どうやって登れば……」


「失礼します」


「え? って、きゃあ!?」


 俺はルナティエを両手で抱きかかえると、地面を蹴り上げ、跳躍した。


 そして二階の窓辺に降り立つと、周囲に誰もいないことを確認し……ルナティエを廊下に立たせた。


 するとルナティエは顔を真っ赤にし、胸に手を当て、眉を八の字にさせる。


「も、もう。レディの身体を、許可なく触るものじゃありませんわよ?」


「申し訳ございません。さて、これからどうしましょうか? 信徒に紛れ、1階ホールで行われているミサに参加しますか?」


「……いえ。確かこの礼拝堂には、二階に、ホールを一望できる場所があると聞いたことがありますわ。そこに忍び込んで、ミサの様子を盗み見ましょう」


「了解しました。……ルナティエ、もし敵に見つかってしまった場合は、顔を見られないようにしつつ、礼拝堂から逃げることを最優先に行動をしましょう。私たちは今、不法侵入をしている。見つかれば不利なのはこちら側です。必ず逃げて、満月亭に戻ること。よろしいですね?」


「はい。師匠のご判断に従いますわ」


「では、参りましょう」


 頷くルナティエを連れて、俺は、廊下を進んで行った。




 数分程して、1階のホールを見下ろせる連絡通路へと辿り着く。


 俺とルナティエは息を潜めしゃがみ込むと、多くの人が集まるホールと、壇上に立つリューヌを柵越しに見下ろした。


「―――皆さん、今宵は金曜日のミサにお集まりいただき、ありがとうございます」

 

 そう言ってニコリと微笑を浮かべるリューヌは、教台の上で手を広げ、演説をし始める。


「創世記―女神がこの世界を創り出した時、最初に産み出された人間というのは、寿命も長く、全てが完璧な存在だっといいます。その人間……『高位人族(ハイエンシェント)』は、女神の眷属と呼ばれ、原初の知的生命体と呼ばれていました」


 リューヌの背後にあるステンドグラスが、月明かりを通して、美しく輝きを放つ。


 そこにあるのは、満月を抱く女神と、その下に居る銀色の髪をした聖女。


 その下には、4つの種族の姿があった。


「その後、『高位人族(ハイエンシェント)』は、些細なことがきっかけで、お互いを殺し合い始めてしまい、結果、世界は荒廃し、彼らは数を減らしてしまいました。そのことに酷く悲しんだ我らが主は、最後に残った平和を愛する『高位人族(ハイエンシェント)』を聖女と呼び、彼女に世界の再生を願いました」


 リューヌは、右横にあるステンドグラスを手で指し示す。


 そこには、森妖精族(エルフ)の絵が描かれていた。


「最初に産み出されしは森、森妖精族(エルフ)。聖女は自らの長い寿命と引き換えに、森妖精族(エルフ)という種族をこの世に誕生させました。結果、この世に森が誕生し、大森林というものが発生しました。ですが彼女たちの性格は『傲慢』そのもので、完璧とは程遠い、欠けた者たちなのでした」


 次にリューヌは、その隣にあるステンドグラスを手で指し示す。


「2番目に産み出されしは、獣人族(ビスレル)。彼らの影響で、この世界に獣が産まれました。獣の誕生で、人間たちは狩猟を覚え、肉を喰らうことを覚えました。ですが彼らもまた完璧とは程遠く、『怠惰』そのものでした」


 リューヌは、反対側にある、左横にあるステンドグラスに手を差し向ける。


「3番目に産み出されしは、鉱山族(ドワーフ)。彼らの影響で、人間たちは鍛冶を覚え、道具を造り出しました。文化の誕生です。ですが、鉱山族(ドワーフ)も『高位人族(ハイエンシェント)』とは異なり、欠けた者たちでした。彼らは道具を造るばかりで、外見ばかりを着飾り『虚飾』に呆け、遊び放題だったのです」


 そして、リューヌは、その隣にあるステンドグラスに手を差し向ける。


「最後に産み出されしは、我ら人族(ヒューム)。最も繁殖力の高い彼らの影響で、人間たちは国を産み出し、社会性というものを身に付けました。ですが、勿論、彼らも欠けた者たち。人族(ヒューム)はとてつもない『強欲』の持ち主で、ありとあらゆるものを欲しました。結果、彼らは大陸を支配し、資源を奪い合い……過去の『高位人族(ハイエンシェント)』と同じように争い始めてしまったのです」


 『高位人族(ハイエンシェント)』から始まり、森妖精族(エルフ)獣人族(ビスレル)鉱山族(ドワーフ)人族(ヒューム)の順で、この世界に人々が誕生した。


そして最後に……最初に見た、彼女の背後にあるあのステンドグラスに繋がる、というわけか。


 満月を抱く女神と、 『高位人族(ハイエンシェント)』と、四つの種族。


 これが、セレーネ教が話す、創世の神話。


 だが、その話が本当だったのだとしたら、少し疑問に思うことがある。


 メリアのような亜人種は……いったい、何処から来たというんだ?


「わたくしは、争いを嫌悪します。主、女神アルテミスは、それを望んでいませんから。わたくしたちは高位人族(ハイエンシェント)のようにはなってはいけない。四つの種族を産み出しお亡くなりになられた最後の聖女様の想いを受け継ぐためにも、必ず、争い無き世界を創り出さなければならない。それがわたくしの使命だと思っています」


 リューヌのその言葉に、礼拝堂に集まったセレーネ教の信徒たち、天馬クラスの生徒たちは、パチパチと拍手を鳴らした。


「別段、思っていたよりも何ともない、普通のミサですわね。あの子のことですから、もっと怪しい集会をしていると思っていたんですけど……拍子抜けですわ」


「そうですね。言っていることもただ聖書を準えただけの言葉と思います。特に、変わったところはないと見て良いかと」


「……黒狼クラスの信心深い生徒の何人かにも、このミサの声が掛かっていると聞いたので、警戒したのですが……まぁ、この調子ならやはり、同盟の話に裏は無いと見て良いですわね。警戒は怠りませんけど」


「そうですね。では、戻りまし―――」


 その時。フワリと、風に乗って、俺の鼻に薬品のような臭いが漂ってきた。


 その臭いを嗅いだ瞬間。俺はポケットから即座にハンカチを取り出して、ルナティエの鼻を覆った。


「ふがっ!? ど、どうひまひたの? しひょう?」


「……ルナティエ。口元と鼻をハンカチで覆って、この臭いを嗅がないでください。絶対に」


「え……?」


「これは……違法薬物、『死に化粧の根(マンドラゴラ)』を焼いた臭いです」


 以前、ロザレナと共に聖騎士団駐屯区に初めて行った時。


 【奈落の掃き溜め】の上にある橋の上から、この臭いを嗅いだことがあったが……あの時は遠く離れていたため危険性は無かったが、今、嗅いだ臭いは、大分濃い臭いだった。


 恐らく、誰かが意図をもって、この大聖堂に薬物の臭いを充満させているに間違いない。


 ルナティエに俺のハンカチを渡すと、彼女は自分の鼻にハンカチを当てたまま、小声で口を開く。


「……師匠。何故、『死に化粧の根(マンドラゴラ)』の臭いが分かったんですの?」


「私は、前世で【奈落の掃き溜め】出身でした。なので、あそこでよく使われていた『死に化粧の根(マンドラゴラ)』の臭いを脳で記憶しているのです」


「な、なるほど」


「既にご存知でしょうが、気を付けてください、ルナティエ。この臭いは常時嗅いでいると、依存症に陥ります。重度となると身体が木質化していき、身体が『死に化粧の根(マンドラゴラ)』の苗床と化します。副作用で死者の幻影を見ることも叶いますが……それは甘い罠です。多用し続ければ必ず死に至る、大森林から発掘された最も危険な魔草です」


「……何故、リューヌは、ミサに来ている者に『死に化粧の根(マンドラゴラ)』を?」


「分かりません。ただ、彼女が悪意をもってこのような行いをしていることは間違いないでしょう」


「そう、ですわね……」


 兄、ギルフォードも使用していた『死に化粧の根(マンドラゴラ)』。


 あれは、普通の人間が手に入れようとしても簡単に手に入れることのできない代物だ。リューヌはあれを、いったい、何処から持ち出したんというんだ……?


「わたくしは常日頃、こう思っています。主は何故、わたくしたち子羊を、かような戦乱の世に産み落とされたのかと。主、月の女神アルテミスは、常に争いを嫌悪しておられた。しかし、神自らが産み出された高位人族(ハイエンシェント)ですらも、お互いを殺し合っていました。わたくしはこう考えました。これは……試練なのだと。神は、わたくしたちを試しておられるのだと」


 演説を続けるリューヌ。


 そんな彼女を見つめていると、ルナティエが何かに気付いた。


「あれ……?」


「どうかしましたか、ルナティエ?」


「し、師匠。この礼拝堂に来ている信徒たち、中には外から来た大人の方もいらっしゃいますが……殆どが、天馬クラスの生徒です」


「? それはそうでしょう。彼女は天馬クラスの級長なのですから」


「ち、違います! 一期生だけではないんです! 四学年全体の天馬クラスの生徒が……ここにはいるんです!」


「……え?」


 つまり、リューヌは、学園全体の天馬クラスを支配していると、そういうことなのか?


 まだ学園に入学して半年だぞ? いったいどうやって、上級生の生徒たちすらも仲間に―――。


「――――――『死に化粧の根(マンドラゴラ)か』」


 俺がそう口にした、その直後。


 リューヌが指を鳴らすと、一人の生徒が荷台を押して壇上に現れた。


 その光景を見て、ルナティエは「ヒッ」とか細い悲鳴を上げる。


 反対に、リューヌは目を見開き、両手を広げ、狂ったように笑い声を上げた。


「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハ! ご覧くださいっ! 我が信徒の一人がまた、神の選定に選ばれ、天使となられました!! これから皆で彼の祝福を分かち合い、その身を自分の一部としましょう!! これこそが我らの新しき信仰の形!! 我らは選ばれし第五種族目の人間……「天使」です!!」


 荷台に載せられていたのは……全身が木と成り果て、叫ぶような苦痛な表情で死に果てている一人の人間……いや、『死に化粧の根(マンドラゴラ)』の姿。


 その『死に化粧の根(マンドラゴラ)』になった信徒に、礼拝堂に居た人々は、歓喜の声を上げた。


 それに同調し、リューヌも声を張り上げる。


「わたくしは、いずれこの国の皆様が、必ずわたくしの言葉に従う、そんな理想の国家を創りあげます。そうすれば……必然、この世界から争いは無くなるでしょう? ねぇ? ……ふっ、あはっ、あははははははははははははは、ひひゃっはははははははははははははっはははははっははっははは!! ははははははははははははははははははははははははははははははッッッ!!!!!!!!」


 昆虫のような、何処を見ているか分からない不気味な瞳で信徒たちを見下ろすリューヌ。


 あの姿を見て、よく分かった。


 やはり彼女の本質は……純粋な「悪」なのだと。


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― 新着の感想 ―
ルナティエがアネットの正体をしっているから色々と説明しやすくていいですね! 良い師弟です(≧▽≦) リューヌ・・・思った以上にやばいことしてました・・・笑 天馬クラスの人たちがやばいです笑
そっち(倫理?ナニソレ?)のラインを軽々と踏み越えてらっしゃるぅ…
イッちゃってるよぉ…夢にイメージで出てきそうなドン引き光景ぇ…
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