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79. その後 -マリ・ウィンディさんの暗躍-

 

 ルーンウインドでのアルバイトが終わった明くる日。


「……まぁ……撮れているわ。これは……良いモノになりそう」


 暗い部屋の中、私はとある魔道具の動作を確認して驚きと新鮮さに、にやりと口角が上がりました。


 こんにちは、マリです。


 今回、部屋の中央に置かれている、箱にレンズをつけた魔道具「キャメルラ」なるものを開発しました。我が家の商品開発精鋭部隊に任せてみたところ、ついこの間完成したものです。


 原理は……専用のフィルム、今回は魔核の残滓を高温で薄い半透明の板状に加工したものを使用したのですが、こちらの板にレンズを通した光の反射を写しこむというもの。


 専用の光を出す機材にフィルムから現像した記録媒体を通すと、そこにはルーンウインドの試着室で、カワイイお洋服に身を包んで、ぶすっとした顔をしている、兄さんの姿が鮮明に映し出されています。若干色がぼけてしまってるのが課題でしょうが、それでもしっかりとあの場を保存できています。


 しかし、これはあの男……リジェ・プリストが考案したものだというのが気にかかります。


 正直、一介の学生に過ぎない彼が光の反射をこのように使うなど、考え付くとは思えません。この「キャメルラ」なる名前も、彼が何度か口を滑らせたものを採用したものです。

 ただのアイデアマンなのであれば、ぜひ我が家にスカウトしたい所ですが……。どこかの国の機密情報を盗み出した、なんて話だとすると厄介です。少々身辺確認が必要でしょう。


 そして、今回はこのように極めて優良な平和利用という事で、特に問題にはなりませんが、例えばこれを各所に設置出来てしまったとすると、犯罪に利用されかねません。まだこれが世に出るには早すぎるでしょう、後で開発部隊には緘口令を言い渡さなければ。


 ……まぁ、それは置いておいて。さて、記録を見ていきましょうか。


 これは……。


 ふむ、撫でまわされている所でしょうか。結構激しくされたのでしょう、若干服のリボンがずれてしまっています。しかし、羞恥心から少しだけ涙目になって、顔を赤くしている所が、なんとも……ふふふ……おっと、いけません。最近兄さんのこんな顔を見ると、どうも体に火照りと、なんとも言えないゾクリとした感覚が出てしまいます。


 次の記録は……む、キャメルラ目線ですね。不思議そうにレンズを覗き込んでキョトンとした顔をしながら首を傾げています。どうやら周りに設置されていたコレが気になっていたようです。

 うん……可愛い。こういう純真さがたまりませんね。しかし、こう、この顔を泣かせて、歪ませてみたくなってしまうのは、なぜでしょうか。

 …………きっとこれが姉妹愛なのでしょう。間違いありません。


 お次は、お肉を食べさせられていますね。ふっふっふ、そんな事をやる事もあろうかと、兄さんのお口のサイズより少しだけ大きめのサイズにお肉を切り出すように厨房にリクエストをしておきましたが、正解だったようです。

 お洋服はいくら汚しても綺麗に出来るようにあらゆる洗剤を用意したので実は問題ないのですが、妙な所で気の小さい兄さんの事だから「絶対高いに決まっている……」と、こぼさないように食べるのではと思っていましたが、やはり上手くハマりました。頑張って頬張る姿をバッチリと収めることができています。


 最後に……あぁ、ククさんの膝を枕にして寝てる。結局、撫でまわされた後、疲れたのか寝てしまったようです。

 この体になって以来、兄さんは随分体力が落ちたようで、泣いたり、激しい運動をしたり、極度に緊張したりした後は眠くなってしまうようです。お母さんも確か「泣いた後は寝ちゃったのよね」とお話をしていた事がありました。

 先日の夕方も、ククさんに抱っこされて来た時には「あぁー……」と母さんは苦笑いしつつ、すよすよと眠っている兄さんを受け取っていたようです。予定時間よりも少し早くお開きになっていたのは、これが原因でしょう。


 まぁ、お陰様で今、兄さんは今日はお家にいます。明日になれば学園へ帰ってしまいますが、昨日の夜は……ふふ、眠っている間に悪戯で色々と着せてみましたが、やはり最高でした。

 ……しかし、やっぱりもう少しエッチな方向の物も着せてみればよかったでしょうか。少し勿体ない事をしました。そう、例えば……首輪に、透けた感じのネグリジェとか。うん、絶対に「カワイイ」ですね。


 さて。とりあえずお楽しみはここまでです。後はこの記録媒体と元のフィルムをー……。


「にゃっ……にゃっ……にゃんだそれわァっ!!?」


 ……おや、見つかってしまいました。後ろを振り返ると、顔を真っ赤にした兄さんがわなわなと体を震わせています。


「あらマオ……兄さん、バレちゃった」

「いーまーすーぐー捨てろぉ!」

「ふふ、はいはい。ほら、これは兄さんにあげるから」


 私はさらりと今そこにあった記録媒体を兄さんに渡しました。兄さんはどしどしと歩いてきて、ふんと腕を振って私の手から記録媒体を奪い取ると、そこに写った自分の姿をちらりと見て、顔を赤らめながら去って行ってしまいました。


 ……良い表情。


 しかし、兄さんも相変わらずちょろいもんですね。このキャメルラは記録媒体に移しこむ前にフィルムを使っています。つまるところ、フィルムさえあれば再度記録媒体を作る事は可能なのです。まぁ、リジェ・プリスト。このキャメルラの発案者である彼にも報酬とする予定と言ってしまいましたし、少しだけ記録媒体を分けてあげなければ。


 ……む、この記録は可愛らしい下着が見えてしまっていますね。これは門外不出としましょう。


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― 新着の感想 ―
[一言] なんかヤンデレな例の表情しながら写真見てそうな妹だなw 所で秘蔵写真でなくていいのでそのレンズ見てキョトンとしてるマオちゃんの写真頂けませんかね?(^q^)
[一言] とある麺料理を作りそうなあ名前のキャメラだなあ いい趣味してるなあ特に首輪装備はいいっすね
[一言] マオでは妹の権謀術数に成す術無しか…マリ、恐ろしい娘! ところでその秘蔵写真を少し拝見しても? いや、技術的興味ですよ、ええ…
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