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53. 課外授業 (1)

 

 本日の天気は快晴。絶好のハンティング日和だ。


 あれから、パーティの申請が受理され、正式にパーティとなったオレ達は、色々と準備や連携の確認を重ねてきた。以前ユウとのバトル用に作ったファイアーフェスティバルは山火事になるからダメだと言われたから、新たにオリジナル魔術をいくつか用意してある。ウィズ王子曰く「驚いた。うん、実用性も申し分ない良い魔術だね」と言われているから、王族お墨付きだ。


 ……約2名からは「もう少し可愛く!」と注文を言われたが勿論断ってある。


 朝から天蓋付きの馬車に揺られる事数時間。オレを含む、学級の生徒たちは、ようやく国境の森が見えてくるところまでやってきていた。街道からかなり外れたところにある森だからか、段々と道が狭くなっていって、路面が荒れているようだ。土道になってからは馬車が跳ねるから、ちょっとお尻が痛い。


 たまにガタンと大きく揺れると体が投げ出されそうになるので、今はサキにしがみつかせてもらっている。 ……横にオレを引っ付けたサキはどこか満足気だ。


 しばらくすると、森の目の前に広々と開いた空き地に到着した。ここだけ草木が避けてあるから、この森に入る際はいつもここに集合しているのだろう。


「はー。ようやくついたっ……ふぉ?」


 オレが馬車から降りようとしたところで、体が宙に浮かび上がった。 ……どうやらサキが抱き上げてきたようで、そのままの体勢で馬車から降りる事になった。ユウに続きサキもかい、自分で降りれるっつの。


 ともかく。このまま抱き上げられながら集合場所まで向かうと、後ろに続いた場所からもゾロゾロと生徒たちが降りてきて、空き地は途端に賑やかになった。


 そういえば、ユウだが、あれから結局振り分けの方で申し込んだようで、その結果が、まさかのセシルと一緒のパーティとの事だった。残り二人は強面で斧を担いだ男子生徒と、おっとりしていそうな垂れ目の女子生徒のようだ。どちらもオレに面識はない。ユウはセシル達と雑談しながらニコニコしているようだ。


 ……むぅ、緊張感のない奴め。今に見ていろ。


 ……と、オレが睨んでいるのに気がついたのか、こちらに笑顔で手を振っていやがる。ぐぬぬ、舐めやがってぇ。絶対に勝ってやるんだからなぁ!!


「戦闘科はこちらへ集合ッ!」

「医療科の諸君はこちらだ」


 オレがギンギンとしかめっ面をユウに飛ばしていると、森の手前の方から戦闘科集合の掛け声、後ろの方から医療科集合の掛け声が聞こえてきた。前はウォウのおっさん。後ろはディアナ先生のようだ。掛け声に合わせて生徒たちが前へ後ろへと集まってきている。森に入るのは戦闘科、いわゆる剣術、魔術を履修する生徒だから、オレたちは前に集合だ。


 前の方に駆け寄ると、大人たちが横に集まっているのが見える。もう既に引率の冒険者、先生たちが控えているようだ。


「さて。仔細は伝えてあるから、注意事項だけ伝えるぞ!引率の方々の指示は必ず聞くように!無視したら減点、悪質な場合は謹慎、退学もあり得るからな!怪我をしたりした場合は無理せず空き地の医療科に頼るように!では、予め伝えてある引率の方と合流次第、出発!」


 オレ達のパーティの引率は、剣術科のケイシー先生だ。まったく偶然なのだが、なにやら随分と縁のある先生だ。なんだかんだディアナ先生と同じくらい関わる先生になったような気がする。


 ケイシー先生はオレたちを見つけると、ゆっくりとこちらに歩いてきて軽く胸に手を当ててにっこりと微笑んで「今日はよろしく」と挨拶をした。


 ……そういえば、ケイシー先生の微笑んだ顔って初めて見たなぁ。いつも突然押しかけたり、体光らせて行ったり、夜にその……アレだったり……今までケイシー先生の前でばかり問題行動を起こしている気がするから、驚いた顔のほうが印象に残っている。


 ……それでも笑いかけてくれているのだから、懐の広い先生だ。


「ありがとうございます。本日はよろしくお願いいたします」


 ウィズ王子が一歩前に出て、綺麗な所作でお辞儀をした。後ろのオレたちもつられるようにペコリと頭を下げた。するとケイシー先生はオレの前に来て、しゃがみ込んでオレの頭に手を乗せた。


「マオ、今日は危ない事しちゃダメよ。 ……あとでディアナが怖いから」

「……えっ、あー……ハイ……」


 ……釘を刺されてしまった。オレを優しく撫でるケイシー先生の目はなんというか、切実だ。どうやら出発前にディアナ先生に何か言われてきたらしい。


 まぁ、はしゃいだりはしないから大丈夫だと思う。というのも、サキに連携の練習の際に、森の中では遮蔽物が多いから、ワイルドに魔術をぶっぱなす事は出来ないと言われてしまったからだ。


 だから、今日のオレはスナイパー。クールでクレバーに敵を狙い撃ち、余裕の表情を見せて去っていく……そんな感じだから、戦闘前の今のオレは大人の余裕を兼ね備えているのだ。


 ほら、ケイシー先生!心なしかオレのこの目がキリっとした感じに見て取れませんか!


「……カワイイ」


 …………。


 むすぅ。


いつの間にか20万PV超えていました……!色んな方々が読んでくださっていて、とても嬉しいです!

これからもなるはやで更新していきます……!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新分まで読みましたおもしろいですね 愛すべきバカがかわいいなあ な が言えないのははたからみればかわいけど聞き取るのがたいへんそうだなあ
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