プロローグ
己の欲望をさらけ出すべく作られた処女作です。
よろしければ笑って見てやってください。
ある小春日和の昼下がり。ここは勉学を修める子供たちが集う学園の裏にある森。森の中のぽっかり空いた、広場の中央では、少年と少女が対面していた。少年が手を空に掲げると、複数の大きな魔法陣が辺りを取り囲み、無数の光がバチバチと弾け、辺りを鮮明に照らし始めた。その後、少年目掛けて、ズンと鈍い音がして、光の柱が立ち上がった。
風が吹き荒れ、木々が騒めき、周囲の土埃を巻き上げていく。しばらくすると、光は収まり、土埃だけがもくもくと視界を遮った。
「どうだ!これがオレが編み出した究極の……!」
土埃の中に小さな影が一つ。張り上げた声はさながら子猫のような可憐さである。そして、土埃が止み、現れたその姿は……対面の少女を指さし、どや顔をするだぼだぼの服を纏った少女。いや、幼女と呼べる姿であった。
風で巻き上げられた長いぼさぼさの銀の髪の上には可愛らしい猫の耳がピコピコと揺れている。その顔には小さいながらすらりとした鼻、くりっとした大きな紅碧の瞳、自信満々に開かれた可愛らしい口には人間としては長めの犬歯が付いていた。小さな体躯はぷにぷにとした質感で、ずり落ちたズボンの隙間から、モフモフの尻尾が見える。
はい、どう見ても猫耳美幼女です。本当にありがとうございました。
少年、もとい幼女はしばらく固まっていたが、恐る恐るその視線を下に移した。だぼだぼの服と、ぷにっとした手が目に入る。
「…………。」
しばらくの沈黙が流れ、幼女からぶわっと冷や汗が流れ、わなわなと体を震わせた。
「……にゃ……ッ……」
「にゃんだこれえええええぇぇぇぇぇぇぇぇええええええ!!!!!???!?!?!??」
これは自業自得系主人公(?)の……。
「色んな」汗と「羞恥の」涙の物語である。