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転生先はニホンオオカミでした

作者: ゆんたろう

俺は北城玉埼ほくじょうぎょくさい。ごく普通の高校2年生だ。今は学校に通学しようとしている。

「はぁ、だるいな〜」

そう言いながら朝の日課であるコーラを飲みほし、いつもの信号を渡ろうとしたその時

キキィィイイーーーーーーーーーーー!!!!!大型のトラックだった。グシャ!

「ヴゥウウ」

自分の体が宙を舞っている事に気づく。視界に入ってきた信号の色は青だった。相手が信号無視したのだと分かった。その瞬間意識が薄れていった。

気がつくとそこは森の中だった。体がどこも痛くない。それよりここはどこだ?自分はなぜここにいる?疑問ばかり浮かんだ。ただ、行動しないことには何も始まらない。そう思った。動いてるうちに自分が人間じゃなくなっていたことに初めて気づいた。おそらく自分は野良犬に転生したのだろう。なんとなくだが体の動かし方のコツが掴めてきた時、人間に出会った。そいつの服装は時代遅れなキガワを被ったマタギの格好をしていた。話してみたら何かわかるかもしれない。そう思い近づこうとした。その時。

パァァーーーーーーーンン!!!!!

顔の真横に何かが飛んできた。人間が火縄銃から煙を出していた。一瞬思考が止まった。ただ一つ逃げなければと思った。撃たれないようにジグザグに走り出しただただ逃げることしか考えられなかった。そうだ、自分は人間ではなかったのだった。と今更になって気づく。何時間経過しただろう、もうアイツは追ってこないだろうと思い少し休むことにした。喉がすごく渇いた。なので水を探すことにした。歩いていると近くに川があることが分かった。衛生的に大丈夫かなどは気にもしなかった。体に水分が行き渡るのを感じる。水がこんなにも美味かったのかと初めて知った。人間だった頃はいつもエナジードリンクやジュースを飲み、水なんて味がなくまずいとまでも思っていた。水がうまいことに感動していると上流の方に犬の群れがいることが見えた。人間とはコミュニケーションできなかったがもしかしたら同じ犬同士とならできるんじゃないかそう思い近づいてみた。するとリーダーらしき者が出てきたので話してみようとしたところ、自分が唸られていることに気づいた。急いで離れなければそう思った時には遅かった。リーダーらしきやつは飛びかっかってきて俺を引っ掻いたり噛み付いたりしてきた。戦っても勝てないと思い逃げることにした。幸いリーダーらしきやつの目的は俺を殺すことではなく群れをよそものから守ろうとすることだったので逃げるのは簡単だった。だが逃げ切れた後になって自分の耳が片方食いちぎられていることに気づいた。痛かったがとにかく疲れ果てた体に栄養が欲しかった。そんな時何かの匂いがした。つけてみるとそこにはうさぎがいた。バレないように近づいてみたがすぐにバレてしまい、追いかけっこが始まってしまった。あと少しあと少しで追いつける。周りがスローに見えあと数センチのところで肋あたりに痛みがはしった。走っている勢いのまま急な山を転げ落ちてしまった。体が動かない足が折れていることに気づく。すると視界の外から何かがやってきた。あの時の人間だった。山・犬の群れ・マタギ・火縄銃、自分がなんなのかがわかってきた。おそらく自分はニホンオオカミに転生してしまったのかもしれない。そうして人間は懐から小さい刀を取り出し俺にとどめを刺した。


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