二話
6月5日の月曜日天気は大雨。
昨日からずっと降り続けているようである。
「、、nで勝手に干しちゃうんですか⁉」と黒羽の少しの恥じらいと多くの怒りを含んだような声で目が覚めた。
その目線のさきには僕がいて、潤んだ瞳で睨みながらこちらに近づいてくる。
そして目線を寝転んでいる僕に会わせて
「謝ってください」とそういった。
「お前が寝ていたからだろ?」と言うと
「ウググ」ととても悔しそうに見てくるが、寝たのは自分なので反論ができないという所だろう。
「だいたい何で謝らないといけないんだよ」と聞くと
「だ、だって私の、その、、、下着を見たってことじゃないですか!」と言った。
「それに変なことしてるかも知れないですし。」
「変なことしてるならお前が家にいる時点でアウトだろ。それに下着のこともお前昨日風呂にはいるときに僕の前でも普通に脱ぎ始めてただろうが。」とため息混じりで言うと
「そ、それはそれこれはこれですもん!昨日は色々な事があって混乱してましたし、あとお前って言うのやめてくれませんか。」
「じゃあ、何て呼べばいいんだよ」
「できれば名前か名字で読んでください」
「んじゃあ、白崎。これでいいか?」
「すみません。やっぱり名字じゃなくて名前で読んでくれませんか?学校の事を思い出してしまうので。」
「じゃあ、黒羽か?」
「やっぱりお前でいいです。家族からの呼び名と被ってしまうので、、、」と悲しそうに言うので
「んじゃあ、黒はどうだ?これなら嫌なやつらの事思い出さないですむんじゃないか?」と言うと
「お、それいいですね!それでは私の事はこれからお前ではなく、黒と読んでください。」と上機嫌そうに笑う。
話してみてわかったが、黒は案外素直で明るい性格である。
とてもいじめや家族でのいざこざの原因が彼女にあるとは思えなかった。
「ところでなんだが」
「何ですか?」
「学校はどうする?」とダイレクトに聞いた。
「、、、、いきたくはない、、です、、、けど」とこちらを伺うように言うので
「行きたくないならいく必要はないな。じゃあ家族への連絡はするか?」
「できればしないでほしいなと。」と言うので
「わかった。」と返す。
恐らくこの様子だと黒の家族は探しには来ないだろうし、警察を頼るとは思えなかったが、万が一の可能性もあるため、変装の意味も込めて僕の使っていないパーカー等の一式を渡しておく。
「そとに出たいときはそれを着ろよ。」
「了解です。」
「そんじゃあ、僕は仕事に行くからな。」
「あっと、その事なんですけどメールが来ていましたよ?」と言うので
スマホに目をおとすと、確かにメールに通知が一見来ていた。
『大雨の影響で、道路が冠水している所があるため、本日は休業日とさせていただきます。』
と書いてあったので、
「今日は休みになったのか。」まさかあの半分ブラックなうちの会社が休みになるとは思いもしなかった。
台風が来ようとも休みにならなかったのにどうしたと言うのだろうか。
「、、、黒。どこか行きたいところとかあるか?」と少し考えてから言うと
「特にはないですね。」と言うので「そうか」とつぶやきつつ何をしようかと考える。
まあ起きたばかりでまだ眠く、頭がうまく回らないため
「まあいいか。じゃあ僕は寝るから。」とあくびしながら言うと
「まだ寝るんですか?」とあきれが混じったような目で見られたので
「別にいいだろ。」と返して昨日は黒に使われていたというよりは使わせたベッドに潜る。
「別にいいですけど、、、あ!洗濯物の事はまだ許してませんからね!」
と言うので聞こえなかったふりをして眠る。
同日昼に今度は雷の鳴る音で目が覚めた。