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初めてのパーティ

ちょこちょこ投下。

表現力が心配。


「キープさん、お待たせしました。こちらがご紹介するパーティです」


しばらくしてイリーナが若者4名のパーティを連れて来た。

キープも立ち上がりお辞儀をしつつ向かい合う。

見たところ全員20代前半ぐらいで、剣士と盗賊の男性2名と弓使いと魔術師の女性2名の構成らしい。


黒い髪を短めに刈上げた、ロングソードと盾を持つ剣士が最初にキープに話しかける。

ガタイはしっかり鍛えられており、ヘビーレザーアーマー(厚手の皮鎧)を身に付けている。


「おれはこの『雷光の刃』パーティを率いるガイだ。よろしく」



ガイが短く挨拶を述べると、次に背が高く細身の男が出てくる。

筋肉はついているし細くても結構強そうだ。

ポシェットやダガー、ロープなどが腰ベルトに掛けられている。


「俺は盗賊のギリム。罠の発見や解除は任せておけ。一応前衛もしている」

そう言うと、さらっとキープの尻を撫でる。


「ひゃあ!」

キープが驚いて声を上げると、


「こら!ギリム!  キープさんが入んなくなったらあんたのせいよ!」

弓を肩に掛けた女性が目を吊り上げて声を上げる。

ギリムは肩をすくめて後ろに下がった。



「ごめんなさい。キープさん。 ギリムはあとで叱っておくから……」

と申し訳なさそうに言ってきた。

オレンジの髪がセミロングの長さまであり、全体的にウェーブがかっている。

目鼻立ちはすっきりしており、かなりの美人である。


「私はルマ。 このパーティの弓使いで斥候もしているの。よろしくね」


笑顔で手を差し出してくる。

明るく人懐っこいのかもしれない。



ルマと握手をした後、最後の一人、ローブのフードを深くかぶった女性が話しかけて来た。

フードが深く分かり辛いが可愛らしい顔立ちの様だ。

「私はジュジュ、火の魔法が得意。よろしく」

短めだがはにかむように言ってきた。フードを深くかぶっていたし恥ずかしがり屋なのかもしれない。



最後にキープも、

「僕はキープといいます。回復師です。よろしくお願いいたします」

頭を深々下げる。


「めちゃ固くて真面目! もっと砕けていいからね? 今日からパーティメンバーになるんだし」


ルマからウィンクされる。するとギムリが、


「女の子なのに『僕』っていいな! 可愛さとギャップがある」


(ああ……やっぱり、お尻触ってきたしねー……)

キープは何て言おうか少し躊躇したが、ストレートに伝えることにする。


「すみません、僕は男なのですが……」


その場が一瞬止まった気がする……


「え、お、女の子じゃないの?」


ルマさんとイリーナさんが被せる様に言ってきた。

(ええ~……イリーナさんも気づいてなかったのか……)

と思いつつ、首を縦に振る。



「野郎のケツ触っちまった……」

ギムリは複雑そうだ。




そのあとも紆余曲折ありつつ、どうにか場が収まりかけた時、

「キープさんってどんな魔法使えるの?」

ジュジュが同じ魔法使いとして興味があるのか訊いてきた。

「確かに、今後の活動として知っておきたいな」

リーダーのガイもうなずく。



自分もそう思っていたので覚えた魔法を答えていった。

「え~と、まずキープでよいですよ。同じパーティになりましたし。 魔法はですね~……」


魔法を告げるとジュジュとイリーナさんが興奮していた。


「ええー、リング系(範囲化)できるの? しかもセイントヒールやサンクチュアリってかなり上級じゃなかった?」


と言われるも、村の神官はそこまで言ってなかったし、本で覚えたキープにはさっぱりだったので、

「そうなのですか?」

と首を傾げる。


それを見ながらイリーナは

(ほんとあのガロンのあほに渡らなくてよかった……こんな優秀な回復師なんて……)

何度目かになる安堵をそっとするのだった。




「じゃあ、さっそくクエストを受けようか」

リーダーのガイが手を叩きながら場を占める。

他のメンバーも頷きながらクエストが張り出されたボードの方へ向かっていく。


冒険者ギルドの壁にはクエストが張り出されたボードがあり、冒険者はそこから自分のランクにあったクエストを探して受けていくことになっている。

ランクが選定の重点にはなるが、金額や依頼内容により受ける依頼を絞り、最終的に1つのクエストを受領するのだ。

他の冒険者もいることから複数受領は禁止となっており、その為金額が安かったり、危険が伴う等の美味しくない依頼であっても残り続けることはあまりない。

みんな何かしら受けないと生活が成り立たない為だ。

勿論、失敗すると罰金などがある為、無理は出来ないのだが……・。



ガイ達「雷光の刃」も身の丈にあう銀ランクのクエストを探していく……その内ガイが1枚の依頼書を手にして、他のメンバーへ見せる。

「これなんてどうだ?」

他メンバーに交じってキープものぞき込む。


 

【調査依頼:ダンジョン調査】   

ロップ村から東に2kmの場所にダンジョンが発生いたしました。

今のところ村に魔獣や魔物はきておりませんが、魔物や魔獣がいないかダンジョンを調べて下さい。

もしいた場合は駆逐して頂くよう依頼いたします。



ダンジョン__魔王や魔人が持つ魔の影響により大地が穢され、大地がそれを排出する穴として発生する。

自然浄化作用によるものだが、魔を排出する形が魔物や魔獣といった形で放出される時もある。

大抵の場合、ダンジョンが出来た時は魔物や魔獣も一緒にいると思われている。



ここは大陸の端側にあり、魔王がいる大陸北側からはかなり離れている。

魔王や魔人の影響というより、少しずつ魔が溜まって出来たダンジョンだろう。

であれば強い敵はおらず、弱いゴブリンなどといった魔物程度と思われる。


キープの知識としても問題ないように思われたし、他のメンバーも頷き合う。

報酬もそれなりであり、ランクとしても銀ランクが数人いれば問題ないような内容だった。



「キープさんにとったらダンジョンやパーティは初めてですし、丁度良いかもしれませんね。」


イリーナも同意を告げる。


「よし、じゃあこれを受注して、さっそく行こうぜ!」

ガイが気合を入れ、まずはロップ村に向かう事となった。


お時間を頂きありがとうございました。 

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