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ギルド裏のため池
「さて、それではいきますよ!」
そう叫びながらシイナが水神の宝玉を掲げている。その周りでギルドの子供たちが騒いでいる。よっぽど嬉しいのだろう。
今までは食事など、最小限度に抑えながら使っていた水が、それ以外にもお風呂や、お遊びにも使えるようになるからだろう。
子供にとっての楽しみができたことに関しては喜ばしい限りだ。
子供は遊んでなんぼだ。そう思いながら叡智は子供たちを見ていた。
シイナが水神の宝玉をため池の中心にある台座に乗せ水をかけると、ジャーーと、勢いよく水が流れ出てきた。
三人からするとかなり異様な光景だったが、キャッキャ喜んでいる子供たちを見て、嬉しくなっていた。
「あなた、やるじゃない。」
「だろ。」
静華が、叡智を褒めていた。子供が喜んでいるのが嬉しそうだ。好きなんだろう。
「それじゃぁ全員で遊ぶぞー!」
「「オォー!」」
シイナがあらかじめ全員に水着を着せていたため、叫ぶと同時にため池に飛び込んだ。
おのおのやりたい事をやりたい用にやっている。仲がとてもいいらしい。
「私達も行きますか。」
「ラジャー」
静華と未玖も思いっきり飛び込む。
三人は、この世界に来て良かったな、と改めて思っていた。
「あの三人が来て下さって本当によかった。このままみなさまが戻ってきてくれば嬉しいのですが。」
ギルド内から外を見てそっと呟いた。
そんな事はそう簡単には起きないと分かっていながらも、少しの希望を胸に抱くだけの余裕が出来ていた。