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ようやくですね。遅くなってすいません。今回はギルドがメインです!ぜひ読んでください!
扉の前に立っている12歳くらいの少年がシイナ達に気づいて駆け寄ってきた。
「シイナお疲れ様でした。」
「アル君三人連れてきましたよ!」
「皆さんこんにちは、僕はギルドマスターのアル・スレイです。よろしくお願いします。」
後ろにいた三人を見て挨拶をする。
「八重樫 叡智だ、よろしくマスター。」
「沢村 静華よ。よろしくアルくん。」
「水無瀬 未玖、以後よろしく」
「はい。よろしくお願いします。」
軽い挨拶をすませると、叡智は二人に問う。
「ギルドに入る前に1ついいか、〝お前ら何か重要な事を隠してるだろ〟」
叡智の発言に二人は驚いた。何故その事が分かったのかと、
「何故そのように思うのですか?」
アルが少し試すように聞く。
「なに、簡単なことだ。シイナと会った時から、焦りが見えていた。それはマスター、お前の時も同じだ。」
会った時から気づいていたとは二人とも思っていなかったので驚きを隠せていなかった。
「その話はギルドの中でしましょう。」
「ああ、そうしてくれ」
「何か分からないけど私達も聞いていいですよね。」
「はい、どうぞこちらへ。」
ギルド内の広間で席につくとアルが話し出した。
「あるゲームによって、僕達のギルド〝レースファミリー〟は滅びました。」
「え、そんな事あるの?」
「はい、」
驚く静華に対し、アルは即答した。
「〝魔王〟の称号を持つものによってやられました。」
交差する世界にとっての魔王とは、世界そのものが脅威と認識したものであり、最強の称号である。主催者と言う権限を持っており、ゲームに強制的に参加させることが出来る。一般的に行われるゲームは招待者と呼ばれる者が開催する。つまり、魔王とは、最強で最悪の象徴なのである。
魔王のゲームに負けたレースファミリーは、主力のメンバーは全ていなくなり、やむを得ず、アルが12歳と言う若さで二代目マスターをやっているのである。
「崖っぷちじゃねーか。」
「崖っぷちね。」
「崖っぷち·····どんまいアル。」
叡智、静華、未玖の三人は笑って言った。
「それでもこのギルドは潰れる訳にはいかないのです。昔の仲間たちの帰りを待つために。そのためには、あなた方の力が必要なんです!どうか力を貸してください!」
ここで断られたら全てが終わってしまうと思ったアルは頭を下げ、お願いします。と、祈っていた。
「お願いします!」
シイナも続いて頭を下げる。
少し間が空いて叡智が呟いた。
「いいな、それ。」
「「えっ、」」
アルとシイナは驚きで声を漏らした。
「えっ、てなんだよ。入ってやるって言ってんだよ、なんだ?嫌なのか?」
「いいえ、滅相もございません!ありがとうございます。」
「お嬢様方はどうなんだ?」
叡智は静華と、未玖に聞いた。
「私はいいわよ。水無瀬さんはどうなの?」
「私もやる、だって面白そう。」
「だよな!潰れかけのギルドを復興し、魔王をぶっ倒す。シナリオはこんなとこか、いいな燃えてくるぜ!」
「燃えてくるぜー」
叡智は笑いながら啖呵を切り、それに続いて未玖も言った。
「ありがとうございます!」
シイナは飛び跳ねながら喜んでいた。アルも飛び跳ねてはいないがとても喜んでいた。
「そうと決まれば、まずはギルドの状況についてですね。」
「そうだだな、チビ助、どんな状況なんだ?」
「はい、僕達のギルドには十歳以下の百人ほどの子供たちがいます。そして、その子供たちを養うだけの労働力が全く足りていません。」
レースファミリーは魔王とのゲームをする前はそこそこ名の知れたギルドだったらしい。だがゲームの後、本拠地は無事だったものの、ゲームを行った農地や、水源があった裏庭は荒れ果てた状態で子供たちの手には負えず、食べ物や水を他のギルドなどから買っているため、水の使い道は限られ、金銭も食べ物以外に使うことがあまり出来ない状況になっている。
「中々やばいな。」
叡智は苦笑いをする。
「それでもこのギルドを守らなければならないのです。帰ってくるかもしれない仲間たちのために。」
アルからは強い意志が感じられた。
次はもう少しはやく投稿出来るよう頑張ります。よろしくお願いしますm(*_ _)m