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転生

「目が覚めたかい?転生者君」


なんだ、この声は。転生者?頭に直接響いている?頭ってどこだ?触れない、というか手がない、身体が、ない。俺は今どうやって考えているんだ?


「落ち着いて、大丈夫、、では無いけれど。君にはもう肉体がない。端的にいうとね、君は死んだんだ」


死んだ…?俺が?


「そうさ、死んだんだ。もう元の世界には戻れない」


そうか死んだのか。自覚するとスッと思考が冷めていった。

もとより、生に未練などほとんどなかった。唯一家族のことだけが気がかりだったが。

死後、無ではなかったということになにより安堵している。俺の愛した家族達もどこかにいるのだろうか。


「落ち着くの、早いね?まあ好都合さ。君にはね、転生してもらおうと思っているんだよ。まあ所謂剣と魔法の世界にね」


転生?そういえば最初に何か言っていたな。剣と魔法の世界か、昔やってたゲームを思い出すな。勇者になって魔の手から世界でも救えばいいのか?


「違うよ、世界を救えってのはあってるけどね。その他が全て違う。君は勇者にはなってはいけない。君だけに救う使命があるわけではないし、なにより救うのは魔の手からではなくて聖なる手からさ」


聖なる手から救え、か。あんたは神だと思っていたが、神は神でも邪神なのか?


「当たらずとも遠からずってとこかな?僕は君たちがいう神という存在で間違いないよ?しかし善悪の区別はない、目的は一つ。世界の存続さ」


世界の存続が目的か、聖なる手から救えってことはパワーバランスが崩れているということか??


「大正解さ、聡いじゃないか君!そうさ、これから君に生きてもらう世界では善が強くなりすぎたのさ。人が力を持ちすぎた世界になっている。君がいきていた地球のようにね」

「地球にも昔はアクマと呼ばれるもの達が多くいたのさ。でも殆どは駆逐された。人が世界を牛耳り、他の惑星まで進出しようとした。まあ本格的に進出する前に自分たちの力で滅びたけどね」


思い…出した、俺の最後の記憶。いつも通りの毎日に突然鳴り響いた警報と、視界を埋め尽くす破壊の光。つまり、家族はもう…。


「そうだよ、あの日が滅びの日さ。そして君が行く世界にも同じ未来が待っている。と言ってもあと数千年は先だけどね」

「さて、本題に入るよ。君にはこれから行く世界でアクマとして生きてもらう。そして邪悪の限りを尽くしてもらう。といっても慎重に行動しないと強くなりすぎた善に一瞬で滅ぼされちゃうからね!」


邪悪か、できるのか?もと人間の俺に。


「できるさ!アクマの本能がそうしてくれる、なにより君達少数側から見たら人々が紛れも無い悪だからね!」


なら俺は味方達の利益になるように動けばそれが世界のためになる、そういうことでいいのか?


「そうだ、その通りさ。さてそろそろ時間だ。君には転生してもらうわけだがいくつかスタートダッシュを決めれるようにプレゼントをしよう」


プレゼント?いいのか?神だろうあなたは。


「いいのさ!それくらいしないと生き延びれないしね!君には選択してもらう!種族と、スキルをね!」


種族?悪魔じゃないのか?


「アクマと一口にいっても沢山の種類があるのさ!そうだね、君のいた世界のゲームの魔物という認識でいいよ」


魔物か、種類が多い、悩むな。ただ神から聞いた世界の話を考えると敵は俺たちよりもだいぶ数が多いということになる。つまり一対多が可能なポテンシャルを秘めた種族を選ぶ必要がある。

神よ、竜種か、魔法が得意な種族を教えてくれ。


「ふむ、竜に関する種族だと単純な竜種、上位種の龍種、通常は人形態の竜人種があるね。魔法についてはそれぞれの種族で得意な魔法がバラバラだね。どれも極めれば強力さ。ちなみに大まかに種族を分けると竜、獣、悪魔、自然、スライム、物質があるね」


なるほどな。決めたぞ、竜種にしてくれ。


「わかった、種族は竜種だね!進化を重ねて龍種や竜人種を目指してね。さあ、次はスキルだ」


いや、種族だけ選択できたら十分だ。あとは神に任せる。


「いいのかい?」


ああ、所詮貰い物だからな。


「わかったよ、なら一定条件下での成長促進のスキルをあげよう、竜種は成長がおそいからね」


いいな、感謝する。

最後に一ついいか?


「なんだい?」


()()()()()()()


「…なに、たまたま滅びかけた世界があって、今同じ道を辿ろうとしている世界があって、今ある世界を守るために一つの異分子を滅びの世界から選んだ。偶然さ。質問は終わりかい?なら、君にはもう行ってもらわなきゃね」


まってくれ、家族にはまた会えるのか?


「死んだ魂は等しく転生する。会うことは叶わないかもしれないが、みんな新しい命を生きるよ。」


…そうか、わかった。色々世話になったな。


「いいのさ、世界をよろしくたのむよ」


まあ、やれるだけやってみるさ。


光に包まれる。暖かい、精神だけの存在が解けていく。

また生きれるなんてな。

さあ、行こうか。



「…彼が世界の崩壊から、魂を保てていた唯一の存在…。世界が崩壊すれば根付く魂も滅びる。その理から、外れた存在」


「簡単に死んでくれるなよ」

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