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第2話 魔法について

「それでは主人様これから魔法について勉強しましょう<クイ>」


フールは何処から取りだしたのか、眼鏡をかけてフール先生による魔法講座が始まった。

因みに今、二人がいる場所は洞窟から出てしばらくしてからたどり着いた湖のほとりでお互いに向き合い座っている状態である。


「まず、この世界では一般的には『火』『水』『土』『風』の四大元素で成り立っており他にも色々な属性の魔法がありますが、それは主人様がその属性の魔法を取得した時にお教えさせていただきます」


「じゃあ俺もその属性の魔法を取得すれば魔法が使えるということか?」


魔法を使えるという期待に胸を踊らす礼治はそう尋ねる。


「主人様が属性魔法を取得する際は一般の方と比べると少し特殊な方法になるのですがそれよりも先に主人様にはあるスキルを取得しなければなりません」


「あるスキルってのは【魔力操作】のことか?」


先程フールのステータスを確認した時にスキル欄に【魔力操作】があったのでこれでないかと思った礼治はフールにそう尋ねる。


「主人様は本当に頭の回転が速いお方ですね。使い魔〈恋人〉として鼻が高うございます」


フールは自分の主人の理解の速さに誇らしく思いながら話を続ける。


「主人様が言われた通りに属性魔法を取得しても『魔力操作』がなければ魔法は唱えることができません。なので主様には今から『魔力操作』を取得してもらいます」


何か使い魔に他の意味が付いている雰囲気を感じていた礼治ではあったが、それはスルーして疑問に思ったことを聞いてみた。


「【魔力操作】って元から取得できなかったのか?」


そう礼治が思った事とは転生する前に行なったステータスを取得する際に【魔力操作】もその時に取得していればよかったのではないかと頭に浮かんだからである。


「申し訳ございません主人様。実は【魔力操作】を取得するのは魔法の才能がある者にとっては簡単なことであり、元から取得するより今から取得してそれから魔法を使う方が断然効率が良く、今回はこのようにさせていただきました」


「いやいやいや、フールが謝ることじゃないよ。それに俺の為にそこまで考えてくれていてむしろありがとう。やっぱりフールは頼りになって助かるよ。フールがいなかったら俺だけじゃ何もできなかっただろうし、本当に心強いよ」


フールは礼治にちゃんとした理由を述べてから謝罪してきたので礼治は慌ててフールにそう声を掛ける。

それに対してフールはまた笑顔になり、そして顔を赤く染めた。


「はい!ありがとうございます主人様‼︎これからも誠心誠意をもって全力で主人様のサポートをさせていただきます。それでは早速【魔力操作】を取得しましょう」


フールは早速立ち上がりそれに従い礼治も立ち上がる。

立ち上がるとフールは礼治の手を取る。


「それでは早速、私が主人様に貰った魔力を少し流し循環させますので、主人様は魔力の流れを感じとり【魔力操作】の取得を頑張ってください」


そうフールが言い終えた瞬間、礼治の中に何かが流れ込んできた。

礼治はそれが魔力であって、なにか暖かいモノが血液の中を通り身体全体に循環されていく、そんな不思議な感覚を覚えた。


「これくらいで充分ですかね」


フールは魔力を流し終わった後、どこか物足りなさ感を醸しつつ礼治の手を離した。


「それでは次は主人様だけで御自身の魔力を身体全体に循環させてみてください」


今の感覚を忘れない為にすぐに魔力を循環を礼治なりに始めてみた。


(血液の中に魔力を一緒に流し頭のテッペンから足の爪先にかけて魔力を行き渡らせる感じで……<ポン>。ん?)


魔力を流そうと先程の感覚を思い出しながらしていると突如、頭の中に流れた気が抜けた様な音で集中が切れてしまった。

礼治はこの事をフールに尋ねてみた。


「なあ、フール」


「どうかなさいましたか主人様?」


「魔力を循環さしてたら突然ん変な音が頭の中に流れたんだけど何か分かるか?」


「もうできたんですか⁈…さ、流石は主人様でございます‼︎」


と、突然驚いたフールだったがすぐさま今度はとても誇らしげな顔をしていた。


「何がだ?」


フールの態度を不思議に思っていると。


「そうですね。ご説明するよりは実際に主人様がご自分でご覧になられたほうが良いと思いますので、主人様ご自身のスキルをご覧になられてください」


礼治は何が何だか分からないままフールから急かされるままステータスを確認してみた。


________________________

レイジ・ウラタ (15) ♂ ヒューマン族

レベル:1

職業:タロット占い師

筋力:1140 (40+1100)

体力:1150 (50+1100)

耐性:1130 (30+1100)

敏捷:1130 (30+1100)

魔力:1300 (150+1150)

魔耐:1250 (100+1150)

運 :2110 (10+2100)


ー称号ー

転生者

運命神の加護

運命神に愛されし者


ースキルー

剣術

魔力強化:5

魔耐強化:5

魔力消費削減(大)

魔力回復(大)

アイテムボックス(極)

鑑定(極)

魔力操作 new


ー特有スキルー

タロットマジック

異世界言語(話・読・書)

ステータスチェック(自・相)

隠密

偽装

気配察知

成長促進(大)

スキルレベルアップ(速)

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ここで礼治は自分のスキル欄を確認すると、新しく【魔力操作】を取得していたのである。

スキルがこんにも簡単に取得できたことに唖然としていた礼治の様子を見ていたフールは苦笑いしつつ声を掛けてきた。


「主人様が驚きになるのは無理もありません、こちらの世界の人々は幾ら将来大賢者になれる可能性を秘めているお方ですら【魔力操作】を取得するのに10日掛けやっとなのに対し、主様はたった数分でモノにしたのです。これは将来がとても楽しみです」


フール自身は何も考えず唯単に垂直に思った感想を口にしていたつもりだったのだろうが、遠回しに化け物と言われているように思ってしまいまた礼治ですら化け物だと認めざるを得ない状況に少し自重を覚えようと彼はそう思った。


「じゃあ次は属性魔法の取得だな」


と独り言で言ったつもりがその独り言はフールに聞こえていた。


「主人様はその必要は御座いませんよ。なぜなら主人様はもうすでに四大元素全てを取得されておられますよ」


フールの言っていることが理解できなかった。


「何言ってんだフール?俺のスキル欄にはそんな事何一つ載ってないぞ」


当たり前ことを首を傾けながらそう言うとフールは<クスクス>と笑いながら俺の説明に補足をした。


「確かに私の説明不足でしたね。細かく言えば主人様が使う『タロットマジック』の中にある『小アルカナ』を使えば四大元素の魔法を全てを使うことができます」


その説明を聞いたやっとフールが何を言いたかったのかを礼治は理解した。

タロットカードには22枚の大アルカナのカードの他に小アルカナという四種類のカードに分かれており、一種類につき14枚合計して56枚のカードが存在する。

その四種類のカードはそれぞれに意味があり

聖杯(カップ)』『(ワンド)』『(ソード)』『金貨(ペンタクル)』と分かれ、それぞれ順番に『水』『火』『風』『土』の意味を含んでいる。

そのことに気づいた礼治はまた顔に出ていたらしく、それに気づいたフールは早速とばかりに声を掛ける。


「それでは早速ですが主人様。最初は『風魔法』を使ってみましょう」


「ああ分かった」


早く魔法を使いたくてウズウズしてしまい礼治はフールに声を掛けられると同時に少し興奮した返事をしてから右の手のひらを前にむけた。


「『タロットマジック』小アルカナ、(ソード)


すると突然光が放たれ何もないところから剣が出てきてその剣を礼治は右手で握り空にかざした。

その剣は見た目からしてロングソードに分類され、持ち手は握るところが黒色の布で滑り止めとして巻かれており、その他の部分は銀みたいな金属で構成されており刃と持ち手の付け根には緑色の小さい宝石が埋め込まれていた。ここから更に礼治はその剣を詳しく知るために【鑑定(極)】を使う。

________________________

風の剣 LV.1

風魔法

LV.1 風斬(ウインドスラッシュ)

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

剣のレベルはまだ1なので使える魔法はまだ一つしかなかった。

因みに魔法のレベルの最大値は14であり、レベルが上がるごとに魔法の威力も種類も増えるようで、魔法の覚える順番や種類は属性ごとに違うらしい。


「それでは主人様、早速魔法をあの湖に向けて放ってください」


礼治は体を湖に向け剣を両手で掴み振り上げた。


「【風斬(ウインドスラッシュ)】」


呪文を唱えると同時に剣を思いっきり振り下ろしす。しかし、この時の礼治は自重することを忘れており、剣からは凄まじい威力の篭った大きな斬撃が放たれ、耳を塞ぎたくなる程の爆音を響かせながら湖の水面から奥底までをいとも簡単に抉り、刃はこれでは止まらず向かいの森の木々をも切り裂きながら約十メートル程先でやっと止まった。


その魔法を放った礼治は突然目の前が真っ暗になってしまった。

魔力の大量消費、言わば魔力切れにあい、礼治は意識を失い後ろ向きに倒れてしまったのだった。

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