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第14話 初めての依頼 【後編】

ニグリスの所で一つ目の依頼を済ませた礼治達は次の依頼人の所へ行く前にお昼が近かったこともあって昼食をとることにした。

場所は北門の道沿いにある大きめの食堂で礼治は分厚い狼の肉のステーキをフールは『魔牛』という牛と魔獣の間にできた個体の子孫である魔獣の肉と野菜の煮込みスープに黒パンが付いたおり、計銅貨一枚を支払って食べていた。

この世界に来て狼の肉の虜になった礼治であり。また、その間にやっとのことで機嫌を直したフールにホットしたのであった。

因みテミスはと言うとニグリスの荷物を積んだ後でフールに「明日の朝までには一旦此方に戻ってきてくださいねフール様」っと釘を打って帰っていった。どうやらフールや大アルカナ達の間で色々とルールが決まっていたらしく、今度にでも詳しいことをテミスに聞いてみようと思った礼治である。


昼食を食べ終わると少し街で買い物をしてから次の依頼人であるペット探しの依頼をしたタルシャという人物が住んでいる家へと向かった。

タルシャの家は街の中央広場から南門に向かう途中にあり、二人がタルシャの家の前に着き家の戸をノックすると家の中から70代の腰を曲げ杖をついている老婆が出てきた。


「初めまして。俺はGランクの冒険者で礼治といい此方は同じくGランクの冒険者のフールです。依頼を受けにきたんですがタルシャさんでお間違えないでしょうか?」


礼治は自己紹介をした後で間違いがないか一応確認をとってみる。


「あんた達が依頼を受けてくれた冒険者かい?わざわざ老いぼれのために来てくれてありがとうね。私が依頼人のタルシャだよ。さあさあ、立ち話もなんだから一旦家に上がってお茶でも飲んで話を聞いてくれるかい?」


とても優しそうな人で礼治は元の世界で小学生の頃に亡くなった母方の優しかった祖母を思い出していた。


「「失礼します」」


礼治とフールは同時に頭を下げてから家の中に入り、招かれたリビングにある椅子に腰を下ろした。

タルシャはお茶を出そうとしていたが杖を持ちながら運ぼうとしていたのでフールが動き、タルシャの代わりにお茶の準備を始める。

フールの淹れたお茶はとても美味しく流石は【家事(極)】だと思った礼治である。タルシャも席に座りフールの淹れたお茶にとても満足していた。

しばらくお茶を飲みながら三人がちょっとした世間話をしてからタルシャは本題に入った。


「あんた達に探して欲しいペットは私の大切な家族である黒猫の『クロ』だよ。私は十年前に最愛の夫と別れてしまって、とても寂しい時間を過ごしていたんだ」


タルシャ夫婦の間には子供ができなかったらしく、本当に夫が亡くなってから寂しい時間を過ごしていたんだろうと礼治はそう感じてしまった。


「だけどね。夫が亡くなってちょうど五年経った頃にね。まだ杖を持たずに歩くことができてた私は街で買い物をしている時に小さいけど確かに何かが鳴く声が聞こえたんだよ」


タルシャの話を二人は口を挟まずに聞き続ける。


「私は何故かその声が聞こえてくる方向に歩いて行ったらそこにクロがいたんだよ。体がとても小さくて産まれたてだったんだ。多分捨てられてたんだろうね。私はすぐにクロを拾って自分の家に帰って行ってそれで暫く看病をしていたら一ヶ月くらいで元気になっててな。その時私はこの子を自分の息子として育てようと決めたんだよ」


タルシャはそこで一旦話を切った。

タルシャにとってクロは本当に自分の息子のように育てていたんだろう。


「あの子は本当に頭が良くてそして優しい子でね。私が歩くと後ろからついてきたり、私が疲れている時に側に来て『大丈夫?』って心配してくれたり、私が探し物をしてると一緒に探してくれたり、後……………」


そこで親バカスイッチが入ったのかクロについての弾丸トークが数十分ぐらい続いた。

その時のタルシャは周りが見ても本当に楽しそうに話していた。


「だけど二カ月くらい前からクロは何処かに頻繁に行くようになったんだよ。最初は二日に一回あるかないかだったんだけど日に日に頻度が増してきてね。私が最後にクロを見てからちょうど三週間経っているんだ」


最初はタルシャもクロの後を追おうとしたが歳のせいですぐにクロを見失ってしまい、探すにしても遠くに行けず冒険者ギルドに依頼するに至ったとのこと。


「ほとんどの人はもう死んでるだろうから諦めろと言ってくるが私はまだクロが何処かで必ず生きているって信じているんだ。頼むよお若いお二人さん。クロを見つけてくれないか?頼むよこの通りだ」


タルシャは凄く必死に二人に頭を下げる。


「タルシャさん、頭を上げてください。タルシャさんのペット。いえ、息子さんのクロは絶対に見つけますんで安心してください」


礼治そう言ってから【マジックボックス(極)】からあるカードの束を取り出した。

そのカードの束は元の世界で母親から誕生日プレゼントでもらったタロットカードである。


「タルシャさん。今からクロを探すためにある占いをします」


「占いかい?」


タルシャは疑問符をつけた。

本当に占いでクロを見つけられるのかどうか正直信じれなかったんだろう。しかし、今のタルシャは藁にもすがる思いで礼治を信じることにした。


「よろしく頼むよ」


「はい!」


タルシャの了承を得てから礼治はタロット占いの準備を始めた。


タロット占いをする為にはその場所を浄化する必要があるために、二人がここに来る途中で雑貨屋で買ったお香を焚き、そして自分の手を洗うためにフールの【生活魔法】の【クリーン】で礼治は自分自身を浄化する。

次にテーブルの上にタロットカードを置き両手でカードを時計回りで混ぜた。

この時はタルシャから聞いたクロの特徴などを強く思いながら混ぜた。

礼治は自分のタイミングでここだと思った時に混ぜるの止め、カードをまとめてから今度はトランプを切るのと同じようにタロットカードを切っていく。この時もクロのことを強く思いながらである。

ここでも礼治は自分のタイミングでカードを切るのを止め、カードをテーブルの上に置き左手でカードの束を三つの山に分けて並べ、今度は並べた逆の方からカードをまた左手で元の束に戻していく。

戻したカードの束の上からカードを三枚引き、左から順番に並べる。

その並べられた三枚のカードを見て、礼治は少し口元が緩ませたが、すぐにタルシャに質問をした。


「タルシャさん。一つ質問があります。タルシャさんとクロが初めて会った場所は何処ですか?」


「クロと初めて会ったのは広場から北門に向かう途中にある雑貨屋と服屋の間の路地裏を通ってすぐの所だよ。それと占いが何か関係あるのかい?」


タルシャは今の質問の意図がわからなかったが素直に答え、礼治はタルシャの質問に答える。


「はい。クロはそこに居ます」


『クロはそこに居る』この言葉を聞きタルシャは勢いよく立ち上がり、礼治の手を掴んできた。


「あの子は無事なのかい⁈」


「大丈夫ですよタルシャさん。クロは無事です。今から自分がそこに行って連れて来ますからタルシャさんはここにいて下さい。念のためにフールもここでタルシャさんと一緒に待っといてね」


タルシャを落ち着かせてから礼治はクロの元へ一人で向かうために席を立ち、家から出て行った。また、家から出る際にタルシャに。


「おめでとうございます。お婆ちゃん」


と一言残して外に出ていった。

タルシャとフールがその言葉の意味を理解するのは礼治が戻ってきてすぐのことだった。


〜side:フール〜


礼治に言われ、タルシャの家で礼治が戻ってくるまでしばらく待ってからしばらくして、閉められていた戸が開き、礼治が戻って来た。

その時、礼治の頭の上には毛が黒色で目が黄色い猫が乗っており、その猫がタルシャの息子であるクロだとフールは理解する。

実際にタルシャはクロが帰ってきたことに喜んでいたが、礼治の手に抱えられているある生き物達に目が釘付けになってしまった。

その生き物達とは一匹がクロより少し小さい白い猫と黒色と白色と灰色の三匹の仔猫の計四匹の猫が抱えられていたのだ。

その猫達に驚きを隠せないタルシャに猫達を連れて戻ってきた礼治は言葉を掛ける。


「おめでとうございますタルシャお婆ちゃん。クロとこの白猫との間に子供ができていましたよ。良かったですね。お孫さんの顔が見れて」


礼治のその言葉を聞いたタルシャは手で口を押さえて涙を流し始めた。

それを見ていたクロは礼治の頭の上から飛び降りタルシャさんの側により身体をタルシャさんに擦り始め、それを見ていた白猫や仔猫たちは礼治の手から降ろされるとタルシャの側により、クロと同様に身体をタルシャに擦り始めた。

礼治がその光景を眺めて微笑んでおり、フールはそんな礼治の側による。


「お疲れ様です礼治様。流石は礼治様ですね。見事に当てるなんて凄すぎです」


フールの言葉を聞いた礼治は嬉しかったのと同時に恥ずかしかったのであろう。右手で頭をかきながら顔をそらしてしまった。そんな礼治を可愛く思ったフールはクスッと笑ってから。礼治が顔をそらした視線の先にある礼治が占いをした際に並べられた三枚のカードに視線を向けた。


〜side:礼治〜


礼治はフールに褒められ嬉しさの反面恥ずかしさもあって、フールから顔を逸らしてしまうも、自分の視線の先にある三枚のカードを見ていた。


そのカードは次のようになる。


左 :カップの2 正位置

中央 : NO.17『スター』正位置

右 :ワンドのエース 正位置


この占いは並べたカードの左から順番に『過去』『現在』『未来』を表している。

『過去』は質問の原因を、『現在』は今の状況や今やるべきことを。そして、『未来』は質問の解決策や結果を表し、今回のこの三つを簡単にまとめると。


『過去』:クロが居なくなった理由

『現在』:どう行動すれば良いか?

『未来』:クロは何処に居るのか?


となる。

そして次は引き当てた三枚のカードに込められた意味とは。


カップの2の正位置

=愛、友情、一致


NO.17『スター』正位置

=希望、ひらめき、出会い、未来、願いが叶う


ワンドのエース 正位置

=創造力、出発点、アイディア


これらの意味を並べられた順番を踏まえた上でまとめて考えると。


『クロはメスの白猫と愛を育んでおり、自分だけではタルシャの所まで四匹を守れずにいたために立ち往生していた』


となる。

その占いの結果から礼治はタルシャとクロの出発点であるタルシャがクロを拾った場所に迎えに行ったということだ。


実際に礼治がその場所に行くとクロはそこにおり、妻と子供を守るために敵と思い礼治を威嚇してきたが、礼治がタルシャの代わりに迎えに来たことを伝えるとクロは本当に賢い猫であり、礼治の言葉を理解して付いて来てくれたのである。


クロに久し振りに会え。また、クロのお嫁さんと孫達に初めて会えたことで、しばらく嬉し涙を流していたタルシャは落ち着いてから二人に頭を深々と下げてきた。


「あんた達、本当にありがとうね。あんた達のお陰でウチの息子と再会することができたし。息子のお嫁さんと孫たちに会うことができた。本当に感謝仕切れないよ。これは私からの些細な気持ちだから受け取ってくれ」


タルシャは礼治から依頼書を受け取り、サインの他に何かを書き込んでから礼治に依頼書を渡した。

タルシャから依頼書を受け取りその依頼書を見た瞬間、礼治は自分の目を疑った。


「あの、タルシャさん。俺の目がおかしくなったのか。ここに書いてある金額がにならないほどの金額何ですが?」


依頼書に書かれていた金額が

依頼達成証明サイン:タルシャ

報酬:100,000ナグル=白金貨一枚


そう。依頼書には書かれていたのだ。その金額を見て礼治は驚愕してしまい。また、後ろから依頼書を覗き見たフールも同じくらい驚愕していた。

二人の驚いた顔を見たタルシャは笑いながら口を開く。


「私がなぜこんなに金を持っているかというとね。実は昔、私もココとは別の冒険者ギルドに所属していてね。そこで結構活躍していた私は一人じゃ一生使い切らないお金を稼いでいたんだよ。だからこそ金には変えられない私の家族を探し出してくれたあんたら二人にはこの金額を払えるってもんなんだよ。だからちゃんと受け取って貰えないと逆に困るんだよね」


タルシャにそう言われたので二人は素直にタルシャの厚意に感謝して頭を下げ、クロ達に挨拶してからタルシャの家を後にし、何はともあれ二つ目の依頼を達成した二人は次の依頼達成に向けて南門に向かう。


〜〜〜


二人は今、南門の直ぐ側まで来ていた。

最後の依頼はギルドからの依頼で薬草集めである。

薬草は回復効果があるが回復薬の原料でありこちらがメインの用途あり、薬草の生える場所は主に森や草原であり、ここらでは礼治が転生してついた洞窟がある『初心の森』にもよく生えているらしい。

そうこうしていると二人は南門に着き、ギルドカードと昨日門で借りていた仮身分証を取り出そうとしたその時だった。


「っお?昨日の坊主と嬢ちゃんじゃねえか。ちゃんと冒険者になることは出来たか?」


二人に向かって誰かが声をかけてきたので二人は前を向く。そこには昨日、ゴロツキ退治のお礼として二人の仮身分証を無料で発行してくれた警備兵の男性がいた。


「こんにちわ。無事に二人とも冒険者になりました」


「おう、それは良かったな。そう言えば自己紹介してなかったな。俺はこの街の警備兵の団長を務めるジグトだ。よろしくな坊主」


なんと警備兵の男性はジグトという名前で警備兵の団長を務めている人であったのだ。


(道理で仮身分証の発行を無料にするのを独断で決めれたわけだ)


礼治は昨日のことに納得しながら今度は自分達の自己紹介を始める。


「昨日はありがとうございました。俺は礼治と言います。しばらくの間はアルバスに滞在しますのでよろしくお願いします」


「フールです。礼治様と同じくこの街に滞在しますのでよろしくお願いします」


「レイジとフールだな。お前ら二人は冒険者の割には礼儀が良くて助かる。そこらへんの礼儀のなってない冒険者に見習ってほしいぜ」


二人の挨拶にジグトは他の冒険者の愚痴を言いながら二人のギルドカードを確認して返した後、二人に貸していた仮身分証を受け取る。


「仕事頑張ってこいよ仲良し夫婦さん。ハッハッハッハッハー‼︎」


そんな見送りにフールは


「私と礼治様が夫婦♡。私と礼治様が夫婦♡。私と礼治様が夫婦♡。……………」


と呪文のように唱えながら両手で真っ赤に染まった頰を押さえながらいやんいやんと顔を左右に振っていた。

もちろんそんな風に言われた礼治も顔を真っ赤にしていたが、心の中では今のフールとの関係に幸せを噛み締めていた。


そんなこんなしていたら二人は目的地の『初心の森』についていた。

二人は早速森の中に入って薬草を探し始めた。

因みにこの世界での薬草は形が礼治の住んでいた元の世界でいうとヨモギによく似ている。


しばらく探しているとフールが薬草の群棲している場所を見つけたので依頼達成する為の十本の薬草を一束にまとめ、それを十株採取する事ができ、その間に敵に襲われることはなかったのでこれで無事に最後の依頼を達成し、二人は街に戻っていったのである。


街に戻ると時間は夕方の6時を回っていた。

門で警備兵にギルドカードを見せそのままギルドへと向かった。


二人がギルドに着くと受付のカウンターでは仕事を終えて依頼報酬を受け取る冒険者達で少し混雑しており、二人は列の最後尾に並んでから受付に着くまでチョットだけ時間が掛かってしまった。

そうしてやっとのことで自分達に順番が回ってくるとそこには二人が今朝に会ったいた受付嬢のマリーが立っていた。


「レイジ様にフール様。初めての依頼お疲れ様でした。早速ですが依頼書と収穫物をお渡し下さい」


マリーに言われるがまま礼治は【マジックボックス(極)】から薬草を取り出してマリーが取り出した銀色のトレイの上に乗せる。


「十束ありますので合計500ナグルになりますね」


マリーは素早く且つ丁寧に一束に薬草が十本あるか確認してから依頼報酬の銅貨五枚を渡す。

報酬を受け取り財布に直した後、今度は依頼完遂のサインが書かれた依頼書二枚を渡す。

依頼書を受け取ったマリーは一枚目のニグリスからの依頼書に書いてある報酬一人につき80ナグルの倍の160ナグルを二人分、つまり320ナグルを今度は直ぐに渡すのではなく木で作られたトレイに一旦置いてから次にタルシャからの依頼書に目を通し始めた。しかし、マリーは依頼署のある文章のところで目が止まり、その箇所を何度も自分の目で確認した後、依頼書から目を離して二人の方がに目を向けた。


「あの…レイジ様とフール様。これは確かGランクの依頼書ですよね?」


「はい。確かにGランクの依頼書ですね」


二人はGランクなのでGランクの依頼しか受けられ無いはずである。


「じゃあなんでGランクの依頼報酬が白金貨一枚になってるんですかニャ〜〜〜‼︎」


マリーは営業スマイルから一変、驚きのあまり素で大声をあげてしまったのである。

そう依頼報酬が本来ならAランクの冒険者が一回の依頼で稼ぐ最高金額の依頼報酬と同じ額の白金貨一枚だったのである。

マリーの大声はギルド全体に響き渡り、その場が暫くの間沈黙してしまった。

その大声をあげた本人であるマリーはハッと我に返る。


「すみませんニャ!Gランクでは考えられないほどの報酬につい素が出てしまいましたニャ‼︎本当に申し訳ございませんでしたニャ!!!」


「いえ、そんな謝らなくても大丈夫ですよマリーさん。誰でもその金額を見たら驚きます。それよりも頭を上げてください。後ろも詰まってますし」


礼治とフールの後ろには受付待ちの冒険者達が並んでいた。


「す、すす、すいません。で、ではこちらが今回の依頼報酬になりますニャ」


マリーは慌てながらも直ぐに依頼報酬を礼治に渡し、その報酬を受け取った礼治はすぐに財布になおし【マジックボックス(極)】に戻した。


「それとレイジ様とフール様おめでとうございます。お二人は無事にGランクの依頼を三つ達成されたのでFランクに昇格されます。ギルドカードの更新を行いますのでお二人のギルドカードをお渡し下さいませ」


ギルドカードをマリーに渡すとマリーはカードを持って一旦カウンターの裏に行き、数分も経たずに戻って来たマリーは二人にカードを返す。

俺達のギルドカードは鉄から銅に変わりFランクと書かれていた。


「これで今日からお二人はFランクの冒険者になりました。Fランクになられますと色々とこちらで説明をしなければいけませんが今から聞かれますか?」


「今日はもう疲れましたし時間も時間なので明日、今日と同じ時間に来ますんでその時でいいですか?」


「はい、もちろんそちらで大丈夫です。では明日はギルドに訪れたさいに依頼を探す前に一度受付カウンターまでお越し下さいね」


「はい分かりました。では俺達は帰りますんでこれで失礼します」


「お疲れ様でしたレイジ様フール様」


マリーさんに挨拶してからフールと一緒にカウンターを離れギルドの出口に向かった。


「おい!そこのガキ!チョット待ちやがれ‼︎」


礼治は本日二度目のテンプレに心の底から溜息をつくのだった。

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