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第11話 ギルドへ行こう

朝の6時の鐘の音で礼治は目を覚ました。


「フアァ〜〜〜?」


大きな欠伸をしながらも、周りを見渡しフールがいないことに気づくもすぐに昨日の夜の事を思い出した礼治は目を擦った。


(そういえば、フールを呼ばないとな。昨日フールの分の食事代も払ってるし。しかも一緒にいたから俺だけが食事してたら変に思われるよな)


ここで不思議に思っていた誰かさんの為に説明すると、フール達つまり礼治の使い魔である大アルカナ達は普通に食事をする。

異空間では礼治の魔力のほんの少しを使って食べ物を作っており、大アルカナ達の栄養として取り込んでいるらしい。

そこで「ならその魔力で作った食べ物を大アルカナ達がこっちの世界に持ってきたら食費が抑えられるじゃん」と思ったそこの誰かさん、現実はそう甘くない。

フール曰く、異空間で作られた食べ物をこちらの世界に持って来ると直ぐに元の魔力に戻り跡形も無く消えて無くなるので食費の節約は不可能である。

話が逸れたが、簡潔にまとめると大アルカナ達は普通に人間と同じ生活をしていると言うことだ。


それで礼治はフールとの約束通りに起きて直ぐに呼び出すことにした。

いつも通りに右の手のひらを前に向け呪文を唱える。


「【タロットマジック】大アルカナNO.0『フール』」


詠唱を終えると同時にいつも通り光が現れた。しかし、次の瞬間光の中からフールが勢いよく礼治の胸に向かって突っ込んできた。

フールの突然の行動に礼治は避けきれず勢いよくベットに押し倒された。

押し倒された礼治は直ぐにフールを見ると彼女の目は獲物を捕らえた肉食獣のような目になっており自分が草食動物になっていると錯覚してしまった。


「ハァ…ハァ…礼治様。7時間18分24秒振りですね。ハァハァ…私は礼治様が起きて私をお呼びになるまでずっと待っていました。ハァ…ハァ…なのでご褒美に、ハァ…ハァ…礼治様を食べさせてもらいますね」


「ちょっと待てフール⁉︎一旦落ち着け‼︎」


フールのあまりの変化に礼治は驚きを隠せない。


(現れて早々押し倒すってなんだよ⁉︎ってか、時間が秒刻みってどんだけ欲情しやすいんだよ!息もすっげー荒すぎだれろこれ⁉︎)


「礼治様。私、我慢できません。なので頂きます」


フールはそう言うと礼治のパジャマを脱がしていった。

ここで抵抗をするも、ただ虚しくフールにより最後まで頂かれてしまった礼治であった。


〜約一時間後〜


最初はいきなり襲ってきたことを注意しようとしたがフールのとても満足した顔を見てまた俺も気持ちが良かったので、注意することができなかった礼治である。


その後は大変満足しているフールの【生活魔法】の【クリーン】で二人の身体とベットのシーツの色々な汚れをとり、昨日買った服に着替えた。


因みに二人の服装は礼治が白い無地で半袖のTシャツに黒い薄手の袖なしで大きめのフードがついた上着、そして黒色で赤いラインが腰部分から裾まではいった長ズボン、最後に茶色の革のベルトとブーツである。


そしてフールは、白の身体を強調させるブラウスに薄いピンク色の丈が膝まであるシンプルなスカートを履いており、礼治と同じ茶色の革のベルトとブーツで決めていた。


着替え終わった後、荷物を持って部屋を出て鍵を閉めてから一階に降りる。


その時はさっきのことで誰かに特にラルファ達に何か言われるのでわないかと礼治はとても心配していた。しかし、一階に着くと心配をよそにラルファは普通に挨拶をしてくれ鍵を預かってくれた。また、食堂に着くとミネットも二人に対して昨日と同じく優しい笑顔で挨拶をし朝食を作ってくれた。

今朝の朝食は半熟のベーコンエッグに数種類の野菜を使ったサラダと白パンにコーンスープみたいなものという朝定番の食事だった。もちろん二人はこの美味しい朝食をキレイに完食し、食後のコーヒーのようなものを飲んでいた。


その時に礼治が気にしていたことだが、どうやらまだ会っていないこの宿屋の店主であると同時にラルファの父親であり、またミネットの夫であるカラードの意向で客が宿泊する部屋全てに防音対策がされているらしい。

それを知った時の礼治はまだ会ったことのないカラードに心から感謝したのは言うまでもない。


それからしばらくして礼治はミネットにギルドの場所を尋ねた。


「それなら宿から出て、広場に向かってからそのまま東の大通りを真っ直ぐ歩いたらでっかい建物があって、そこがギルドだよ」


道を教えてもらえた二人は御礼を言い宿を出て広場に向かって歩き始めた。


〜約十分後〜


礼治とフールはギルドの前に着いており、ミネットが言った通り真っ直ぐ歩いたら着いていた。

そのギルドは周りの建物とは比べ物にならないぐらいの大きさで、造りが五階建のレンガ造りで中世ヨーロッパの時代に貴族が住んでいそうな城の様な造りだった。

礼治とフールはしばらく建物を眺めてからギルドの押し扉を開けて中に入った。


ギルドの中はピークの時間を過ぎていたのか混雑しておらず他の冒険者らしき人物達が朝から数人で酒を飲んでいたり、受付でギルドの受付嬢に何かを話していたりしていた。

そんな中に二人がギルドに入って行くと同時に人々の視線が一気に礼治とフールに向けられた。

その中にはフールを見てヘラヘラ笑う者や品定めをしている者がいたが余り目立ちたくない礼治はそんな視線を無視して空いている受付のカウンターへと向かった。


「ようこそいらっしゃいました。冒険者ギルド『アルバス』支部へ。私は受付嬢のマリーと申します。どうぞよろしくお願いします」


受付のカウンターに着くと、自己紹介してくれた女性はマリーというらしく、彼女は頭の上から猫耳を生やし、腰の方からは尻尾が生えており、彼女は猫の獣人族だと一目でわかる容姿をしていた。

因みに獣人族はマリーさんだけでは無く他にもいて、この街にはエルフやドワーフもヒューマンと一緒に暮らしていた。

マリーは十代後半で身長は160とフールと同じくらいだか胸はそこまで大きくないもののスタイルは抜群でギルド指定の制服を着ており、制服の腰部分に穴が開いておりそこから白色の尻尾が垂れていた。

顔は童顔で瞳は大きく色はマリンブルー、髪型は白色のショートカットで頭の上には髪の色と同じで少し垂れた三角形の獣耳を生やしている。


「ギルドは初めてでしょうか?依頼ですか?それとも冒険者になるために身分証の発行でしょうか?」


「はい、冒険者になるために二人で来ました」


マリーの質問に最初が肝心だと思った礼治は笑顔でそう応えた。


「は、はい!それではこちらの用紙にお二人のお名前と種族、それから職業とバトルスタイルをお書き下さい」


するとマリーは一瞬顔を赤くしたがすぐに真剣な表情に戻り二人に用紙を渡した。

この時はマリーの顔を赤くしたことに礼治は気付いておらず、渡された用紙に必要事項を記入していると。


[礼治様。貴方は本当に(女性を)落としているのに気づいてないんですか?]


フールがいきなり礼治に対して【念話】を使って、頭に直接話し掛けてきた。


[え? 何か落し物したっけ?]


フールの質問に礼治はフールに顔を向けて逆に質問を返した。


[はぁ…、いえ何でもないです]


(礼治様がどれ位鈍感なのか知っていましたが実際にその光景を見るとため息しか出ませんね……)


フールの【念話】を切り礼治の鈍感さに諦めた顔をして用紙に記入を始める。

礼治はフールの質問の意図が分からないまま再び用紙に記入してからマリーに渡した。

因みに二人が用紙に書いた内容はこれだ。


________________________

名前:レイジ (15) ♂

種族:ヒューマン族

職業:タロット占い師

バトルスタイル

【タロットマジック】を扱い、剣や杖を異空間から取り出して敵と接近戦で戦ったり魔法を使い敵と遠距離で戦う。また、召喚魔法も使える万能スタイル。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

________________________

名前:フール (15) ♀

種族:ヒューマン族

職業:魔導士

バトルスタイル

風魔法を使い遠距離から敵を攻撃する遠距離スタイル。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ここで何故礼治が特有スキルである【タロットマジック】の所持していることを隠さずに書いたかと言うと、礼治は冒険者になると同時にタロット占い師になるのが目的のために職業はあえて隠さないようにしたからだ。

それを見たマリーは礼治に質問してきた。


「あの、レイジ様。この職業のタロット占い師とは何でしょうか?私の知識が無いだけなのか、この職業は初めて聞きました」


「いえ、その職業は俺の住んでいた村がずっと隠していた魔法の一種を取得した者だけが就くことができる職業であって。マリーさんだけでは無く他の皆さんも知らないと思いますよ」


「そうだったのですか。しかし、それなら何故隠し続けた魔法を此処に書かれたのですか?」


マリーはすかさず質問を返す。


「実は俺の村は魔獣の群れに襲われ壊滅しました。その時はたまたま村に居なかった俺とフールは無事だったのでこれからは二人で生きていくために冒険者になると決め、その時は自分の力を隠さずに生きようと決め、ここに書かせて貰いました」


そう礼治はフールと考えて作ったシナリオを話した。


「そんな理由だったなんて露知らず不粋な質問をしてしまい申し訳ございませんでした」


話を聞いたマリーは自身の失態に申し訳ないと頭を下げて謝罪してきた。


「そんな、頭を上げてくださいマリーさん。マリーさんが謝る必要は有りません」


ただの作り話であるために謝られることに礼治の良心が痛むため、直ぐにマリーに頭を上げさせる。

その言葉にマリーは頭を上げて笑顔を礼治に向けた。


「レイジ様はお優しいお方ですね。私はギルドの受付嬢としてレイジ様とフール様のサポートをさせていただきますのでこれからよろしくお願いします」


「こちらこそよろしくお願いします」


マリーに感謝と謝罪の意味を込めて頭を下げた。


「お願いします」


フールは明らかに礼治に好意を持ったであろうマリーに対し、不満を抱きながらも礼治に習って頭を下げた。


「それでは今から身分証としてギルドカードを作りますのでこちらの水晶にお二人の血を一滴ずつ垂らしてください」


マリーはそう言うとカウンターの下からサッカーボールほどの大きさの銀色の台に乗った無色透明の水晶玉を出した。

礼治はその水晶玉が何かを知るために【鑑定(極)】を使ってそれについて調べる。

________________________

経歴診断水晶

この水晶に血を一滴垂らすことでその人物の情報を読み取りギルドカードを発行するマジックアイテム。


ー詳細ー

これはその情報をそのギルドのギルドマスターやギルド本部に伝えるアイテムであり、その事を知る者は極一部のギルド関係者しか知らない。また、この情報は【鑑定(極)】でなければ把握は不可能。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


これを見た礼治は右後頭部を上下合わせて三回かいた後、今度は人差し指で自分の頭を二回叩いた。

この行動はフールと念話で話したい時にとる二人が決めた行動であり、それに気づいたフールはすぐに【念話】を発動する。


[どうかなさいましたか礼治様?]


礼治は【鑑定(極)】で得たこの水晶がどんな代物かをフールに説明した。


[なるほど。では、この娘は勝手に礼治様のステータスを見ようとした訳ですね]


フールは顔には出さなかったが頭の中ではマリーに対して怒りを抱いていた。


[いや、それは無いから落ち着いて!]


[如何してですか礼治様?]


フールは質問を返す。


[その情報はギルド関係者でも極一部の人しかそう情報を見る事が出来ないらしい]


[なるほど。つまりはこの娘はこのアイテムがタダの身分証の発行するだけのアイテムとしか知らされていないという訳ですね]


[そうゆう事。だからフールはスキルの【完全偽装】でバレるとマズイ称号やスキルを隠してステータスを上手く調節してくれ]


[了解です礼治様]


二人はそれぞれで自分達のステータスを調節した。

因みに本来の二人のステータスはこんな風になっています。


________________________

レイジ・ウラタ (15) ♂ ヒューマン族

レベル:1→6

職業:タロット占い師

筋力:1451 (40→51+1400)

体力:1465 (40→55+1400)

耐性:1438 (30→38+1400)

敏捷:1436 (30→36+1400)

魔力:1720 (150→170+1450)

魔耐:1670 (100→120+1450)

運 :2415 (10→15+2400)


〜称号〜

転生者

運命神の加護 → 《聖霊の加護》

運命神に愛されし者 → 《聖霊に愛されし者》

聖霊を愛す者 new



ースキルー

剣術

魔力強化:5

魔耐強化:5

魔力消費削減(大)

魔力回復(大)

アイテムボックス(極)

鑑定(極)

杖術 new


ー特有スキルー

タロットマジック 《小アルカナLV.up》

異世界言語(話・読・書)

ステータスチェック(自・相)

隠密

偽装

気配察知

成長促進(大)

スキルレベルアップ(速)

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

________________________

フール (0) ♀ 聖霊(元神様)

レベル1→10

職業:使い魔(魔導士)

(主:レイジ)

筋力:2412(100→112+2300)

体力:2410(100→110+2300)

耐性:2409(100→109+2300)

敏速:2408(100→108+2300)

魔力:2720(400→420+2300)

魔耐:2618(300→318+2300)

運 :7830(500→530+7300)


ー称号ー

元神

運命を司る者

使い魔

異世界人を愛す者

異世界人に愛されし者 new


ースキルー

生活魔法(極)

家事(極)

風魔法LV.5

魔力操作


ー特有スキルー

完全偽装

念話

ステータスチェック(自・相) new

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


となっている。

まずはお互いの新しく出てきたスキルを確認してみよう。


ースキルー

レイジ

《杖術》

杖術を極めた者に贈られるスキル


フール

《風魔法LV.6》

新たに『風爪(ウインドネイル)』を覚えた。


ー特有スキルー

レイジ

【タロットマジック】

(ロット)LV.2

新しく『火槍(ファイヤーランス)』を覚えた。

(ソード)LV.2

新しく『風球(ウインドボール)』を覚えた。


となった。

普通はこんなに早くスキルのレベルは上がらないのだが、礼治のスキル【スキルレベルアップ(速)】がこれを可能にした。

そしてフールの【ステータスチェック(自・相)】だが、これはどの人でもレベルが10上がるごとに特有スキルが一つ追加される仕組みであり、礼治が倒れている時に戦った魔獣のステータスを見たいと思っていたフールが元運命神である所以か?正に願ったものが取得できたと言うわけだ。また、スキルに関してはその人物の行動によって取得できるスキルが違うとのこと。


次はステータスだがフールはこれも礼治が倒れている間に獣や魔獣を沢山倒していたため二人のレベルに差ができってしまった。このステータスの差にフールには一生追いつけないと思う礼治がそこにいた。


最後に称号はこうだ。


ー称号ー

レイジ

《聖霊の加護》

『運命神』から『聖霊』に変化したのみ。


《聖霊に愛されし者》

『運命神』から『聖霊』に変化したのみ。


《聖霊を愛す者》

聖霊を愛し、何があっても愛した者を支えようと努力する者に贈られる称号。

(各ステータスを300アップ)


フール

《異世界人に愛されし者》

異世界人の心を掴んだ者に贈られる称号。

(異世界人から愛されたことにより各ステータスが500アップ)


フールは自分の【ステータスチェック(自・相)】でこれを見た時はすごく嬉しかったのであろう。これでもかという位に口角の筋肉を緩めてニヤニヤとしていた。


二人は今のこのステータスから一般の兵士より少し上になるようにスキルで設定してから指に針を刺し、血を水晶に垂らした。


「それでは身分証ができるまでギルドについて説明させて頂きます」


「「お願いします」」


マリーは礼治達が血を水晶に垂らしたことを確認してからギルドについて説明を始めた。


「まず冒険者にはそれぞれランクが有りまして下から言うと。G、F、E、D、C、B、A、Sの八つのランクに分けられます。レイジ様とフール様は最初は一番ランクの低いGランクからのスタートとなります。そして、Gランクの仕事を3つこなして貰いますとFランクに昇格できます」


マリーはそこで一旦言葉を区切る。


今の説明をまとめるとこんな感じだ。

「G」=冒険者(仮)

「F」=駆け出し冒険者

「E」=下級冒険者

「D」=中級冒険者

「C」=上級冒険者

「B」=達人冒険者

「A」=仙人冒険者

「S」=人外冒険者

となるらしい。


「次に仕事についてですが、あちらのクエストボードに貼られてある依頼書の中から自分のランクに合った依頼つまり今回はGランクの依頼を選んで来てください。そして選び終わりましたらこちらにその依頼書を持ってきてください。そしたら私達受付嬢が確認しますので受付が済み次第仕事に取り掛かり終わりましたらまた依頼書に依頼主からサインまたは収穫物を持ってギルドにお越し下さい。そして依頼報酬を受け取ります。これが依頼を受けてから報酬を受け取るまでの流れ成りますが何かご不明な点はあられましたか?」


「いえ、大丈夫です。ご親切にありがとうございます」


礼治が笑顔でそう答えるとマリーはまた顔を赤くしてしまった。


「いえいえいえ、これが私の仕事ですから。それでは身分証ができましたのお受け取りください。また身分証の発行のさい一枚につき銀貨一枚ですので銀貨一枚をお支払いください」


ギルドカードの発行料として礼治はウエストポーチからと見せかけ【マジックボックス(極)】からサイフを取り出し銀貨二枚を顔を赤くしたマリーに渡し、礼治とフールはそれぞれギルドカードを受け取った。

因みにGランクのギルドカードは鉄の板でできており、そこにはランクと名前と職業が記載されていた。


「ギルドカードは一旦無くされますと再発行のために金貨一枚お支払い頂きますのでお気を付けてくださいね」


礼治が再発行に偉く金が掛かるなと思っているとマリー曰く冒険者がよく無くすので注意を払って貰うためにこの金額らしい。しかし、それでもこのギルドに所属する冒険者の中でギルドカードを無くす冒険者が一年に二、三人いるそうだ。

二人はギルドカードをポーチに入れてから再びマリーに向き直した。


「それじゃあさっそく依頼を選んできますね。フール行くぞ」


「はい、礼治様」


カウンターから離れてクエストボードのある場所へと向かった。


「おいそこのガキ。ちょっと待ちな」


しかし、二人の目の前に図体のデカい男が現れ、二人の進路を阻んできたのだった。

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