90話 悪役ってなんで冥土の土産とか言って種明かししてくれるのかな？
は？「死んでもらうことになった。」だと？
このおっさんはふざけてるのか？
「えーと？それはどうゆうことでしょうか？」
「うむ。君は報告によると、気弱ではあるものの冷静沈着、情報収集にも余念はなく、判断能力もそこそこ………、ステータスは全体的に低いもののMPの値がかなり高い。しかし、その高過ぎるMPのせいで[マナ操作]で習得できず、訓練から遅れて、尚且つ職業は[妄想師]という不遇職であっため、クラスの中では浮いた存在…………か。」
なっ！？
いや、異世界の人間を自国の王城に入れているんだ、メイドも一人に付き一人いるし、この程度の情報収集は当たり前か？
「ダンジョンではアイスゴーレムとの戦闘に大きく貢献し、果てには低いステータスをスキルによって補い勇者勇義を相手に健闘するとも書いてある。」
そうだ。僕は今まで実力の強化と情報収集にのみ徹していて、この国に仇なすようなことは何一つやってない……はずだ。
「ふむ……まさに理想的な兵士だな。」
「それなら何故そのような発言を？」
隣に居るリリアさんが質問している。
この反応を見るとやはり、リリアさんは全くこの状況について知らなかったんだろう。
「リリア！アリド国王に対して失礼です。発言は控えなさい。」
国王直属情報隠密部隊隊長であるメイドさんがリリアを止めようとしている、。
「構わんさ…………。そうだな。理想的な兵士だ。だが、理想的な兵士は時に国に反感を抱くことがある。それがこの国と全く関係のない遠くの国の人間なら、さらにその傾向が増すだろう。」
「ただそれだけで僕を殺すというのですか？」
「まあ、わたしの時間も有用だ。端的に言うなら君のことをメイドに監視させていた。その上で君が他の異世界人によくない影響を与えると判断した。
私が彼らに求めているのは、単に私の手駒として行動してくれる人形としての役割だ。
君のような存在は早いうちに消えてもらいたい。」
「さあ、わかったでしょう。リリア、その男を捕らえて此方に連れてきなさい。」
まずい。相手はリリアさんとレベル48の国王直属情報隠密部隊隊長、そしてレベル60後半近い騎士団長と、もう一人居た魔法使いっぽい人間はレベル50近い。
まるで逃げれる気がしない。
「やっぱり納得出来ないです。確かに美月様は聡明なところがありますが別に何の問題も無いではないですか。」
リリアさん！？
まさか、僕の擁護をしてくれるのか？
「そうですか……貴女はやはり美月様の味方をするのですか？美月のメイドになってから幾つかの細々した虚偽の報告がありましたから疑っていましたが…………残念です。」
なんでリリアさんが虚偽の報告を？
そんな事を思ってるとリリアさんが僕の手をとる。
小声で話し掛けてくる。
「今は、まだ混乱してて分からないことも沢山あると思いますけど、後で全てを話します。私がタイミングを伝えたら着いてきてください。」
？まさか僕と一緒に逃げるつもりか？
しかし、それでも2対3でしかも、相手の方がレベルが高い。
圧倒的に不利な状況に代わりない。
すると再び国王が話し出す。
「そんなに焦らなくてもこれを見てからでもおそくないのではないか？」
国王が合図をすると隣にあるドアから二人の兵士に連れられて一人の人が入ってきた。
「エミリア王女？一体どうして？」
タイトル長くてすいません。
単純にあのタイトルで書いてしまいたくなったので……。
やっぱり作者的には種明かし的なことをしたいので悪役に種明かしさせますよね？
でも、あの感じで話出すことに私自身が、すごい違和感を感じてます。
さっさと殺すなり、何なりすればいいのに。と
次話はいつも通り3日後を予定してますが、午前9時36分結構重要な所なので読み返して確認したりしてますので少し遅れる可能性があるます。
遅れるようならTwitterか活動報告で告知します。
