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307話 双音

「[一文字]!」


「[スラッシュ]」


目の前では沙耶さんと剣を持った機械人形が戦ってます。

数十日前までは目で追うことすら出来なかったレベルの戦いだけど、今は何とか反応できます。

沙耶さんの刀と機械人形の剣では剣の重さが違うので、数手でも打ち合い続けてると押し負けちゃうみたい。

何とか私が相手の攻撃を受けないと。

私一人じゃ到底無理だけど、今はラズリちゃんがいる。


「沙耶さん。」


相手の剣が沙耶さんに向かっているその間に割り込む。


ギュリィィー!


腕をクロスして剣を受けると、凄まじい金属音を出しながら、しっかり剣を受け止めた。

流石はラズリちゃんの服、レベル60以上の魔物の攻撃でさえ傷が付かないなんて。

機械人形は剣を構え直し、何度も打って来るけどラズリちゃん服の袖を操作し、剣を弾き続ける。


「双音!ありがとう!」


なんか、こうやって感謝をされるのには未だにあまり慣れていないです。

今でも気を使ってわざわざ言ってるんじゃないかなって思っちゃう。

結局はラズリちゃんの力な訳で………。

勿論、沙耶さんも夏蓮さんも良い人なのは分かってるけど。

………特にカヤさん達は………………。


「双音ちゃん!?……撃つよ~?」


あっ!

戦闘中なのに余計なことを考えて過ぎてた。

只でさえ足を引っ張っちゃってるのに………。

夏蓮さんの方を見てタイミングを合わせて、最後に機械人形の剣を大きく弾き、そのまま避ける。


「[ボルメテオ]!」


夏蓮さんの放った[ボルメテオ]はさっきまで私が居たところを通過し、機械人形に直撃しました。

直撃した機械人形は弾かれるように3mほど飛ばされていきました。

離れている私のでも爆発によるチリチリするような熱を頬に感じます。

凄い威力です。

しかし、相手はあんまりダメージが無いのか、直ぐに距離を取りながら立ち上がってます。

顔や金属服(鎧なのかな?)に煤は付いているように見えるけど、大きな傷は無いように見える。

よくよく確認してみると左腕に付いている籠手の様な装甲板がひしゃげているのが見えます。

どうやら腕でガードし、致命的なダメージを回避したみたいです。


「左腕……損傷?…………………稼働ヘノ影響軽微。…………装甲ハ廃棄」


腕を動かしながら確認するように呟きました。その瞬間籠手の様な装甲は外れ落ちました。

そこには傷1つ無い肌色の腕があります。


「嘘………あれに当たってあの程度で済むなんて………。」


「………………そりゃ、あんだけ固そうな装甲付いてたんじゃ中々ダメージなんて通らないよね~。………でも、私達の中で一番の火力が夏蓮なんだから頼むわよ!」


「そりゃ分かるけどさぁ!」


「それに速く終わらしてカヤの助っ人に行かないと。」


カヤさんの方を見てみると、私達の戦闘より更に高速で高威力の技の応酬が見える。

シスター機械人形が結界を張って、それをカヤさんが炎を纏った銀色の拳で殴り付けて破壊し、その隙を狙ってドラゴンがブレス、そしてそれをギリギリで躱して接近し攻撃、するとシスター機械人形が見計らったように[聖魔法]で回復。

これまでの数十日間でも、その実力はかなりのものだと理解していたつもりではあったけど違った。

多分、今までは力を抜いてた?……のかな?対人訓練をしたいと言ってたから、練習のために敢えて加減してたんだろうか?

………私達の……………いや違う…私だ。………私の戦いと比べるとまるでレベルの違う洗練された戦い。

次元が違いすぎる………。

速く終わって私が助っ人に行ったって役に立てるのかな………?


「そうだ…ね。…少しでも速く終わらして、ちょっとでも良いからカヤさんの力になってあげなきゃ。」


夏蓮さんはそう言いながら真剣な表情で敵を睨んでいる。

弱気になっちゃいけない。私も頑張らないと。


相手の機械人形は夏蓮さんの魔法を驚異に感じたのか、夏蓮さん目掛けて飛び掛かる。


「ちょっ![一文字]!」


ギィィ--ンン!


近くに居た沙耶さんが機械人形の一撃目を止めてくれた。

私のスピードじゃ一撃目に対応しきれない。

せめてニ撃目からは私が!


ギュリィィー!


相手の剣を右腕袖で受けとめる。

やっぱり凄い。剣で打たれても手に衝撃がまるで伝わってこない。

袖で衝撃を完全に受けきってる証拠なんだろうな。

折角片手で相手の技を受けきれるんだ。なら左手で!

左の袖を相手の足に抱き付くように伸ばす。


「…回避。」


あっ。

避けられちゃった。


「……、コノ耐久能力ノ高サ………掴マレレバ脱出ハ不可カ?………接近ハリスクガ高イ。」


そう呟くと機械人形はバックステップで私から5m位距離をとった。

そして離れた位置で剣を構えてる。

何をするつもりなんだろ?普通に考えれば剣は届かないし……遠距離系の技かな?


「[炎飛剣]」


ッ!

構えた剣が炎を纏い、振られた瞬間、炎の刃がこっちに飛んできます!


「う、うそ!」


戸惑いながらも咄嗟に沙耶さんが剣で防ごうとしてますが………。


「ああ!…熱い!」


まずい!


「沙耶ちゃん!!?っ!」


炎の刃は沙耶さんの剣に接触すると、ほどける様に周囲に炎を撒き散らした。

そして当然そこには沙耶さんの姿がある。

私達が着けてる服は、ラズリちゃんの【水粘の衣】程の格別した性能は無いものの、魔物の素材や魔法金属を使うことで地球に存在する一般的防具とは圧倒的に耐久能力が違う。

当然、難燃性も高くそう簡単に燃えることはない。

でも、近接戦闘職、…特に沙耶さんみたいにスピード重視のタイプの人は装備の軽量化に余念が無いから、その分耐久性も落ちてるはず!

沙耶さんの防具は燃え上がる程では無いにしろ一部が燃えててかなり危ない。

夏蓮さんは[爆発魔法]の詠唱を中断して、[水魔法]を使おうとしてるけど、無理矢理魔法を中断した為、いつも以上にマナが乱れて魔法が中々発動出来ない様に見える。

私がどうにかしないと!……でも、私は[水魔法]も使えないし、何もない…………。


「えっ!?」


最近ようやく更新頻度安定しました

お陰でようやく読者さんにこの事を言えるようになりました。

今は大変な時期だと思いますが気を付けて頑張ってください。

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