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166話 謎のパーティー2

隔日更新~♪隔日更新~♪隔日、隔日、隔日更新~♪

「高威力の打つからみんな離れててね![魔法強化]」


「オーケー。みんな待避して!」


そういって魔法を溜めている彼女の手には魔法杖が握られている。

複雑な装飾が金属の杖に施されていて、杖の先には黄色の宝玉が納められている。

あの魔法杖は[魔法強化(S)][消費魔力減(B)]という国宝級のものでガイドミル王国から借りているものだ。


「準備はいいよね?……[落雷]!」


魔法を放ったのは美樹 夏蓮(みき かれん)

夏蓮の職業、[賢者]は魔法系職業でトップクラスのバランスと実戦での強さがある職業。

およそ5~10万人に一人の職業である。

レベルは43。


3ヶ月位前にある出来事が起こり、それをきっかけにレベル上げに明け暮れていた為、レベルが他の人より高い。

私の唯一無二の親友なんだけど、幼い頃からの想い人のこともあって精神が不安定になっていた。

特に3ヶ月前は魔物に突っ込んで行き高威力魔法で殲滅して、ステータスを確認してはほくそ笑んでいた。

最近は大分落ち着いてきて皆と仲良く話す様子も見られるようになったから少し安心している。

彼には悪いが出来れば彼のことはこのまま忘れて欲しい、辛そうな親友を見ていると胸が張り裂けそうになる。


夏蓮は基本7属性のうち闇以外の6属性を使える他、上位魔法属性の中でも単純威力でならツートップと言われている[雷魔法]と[爆発魔法]を使える。

[爆発魔法]は高威力・広範囲の魔法での殲滅を得意とし、[雷魔法]は超高威力・低範囲の魔法による強い魔物との一騎討ちに適する。

沢山の魔法属性が使えるからどんな的相手でも有効な攻撃パターンを作りやすく、魔法威力もトップクラス、[聖魔法]によるヒーラーの補助も出来、[賢者]の職業スキルによる魔法威力の向上・消費魔力削減・発動にかかる時間削減も相成って魔法による戦闘において敵うものはいない。


夏蓮の放った[落雷]はワイバーンの鱗を貫いて確かなダメージを体に残す。

ワイバーンは[落雷]により体が硬直している。


このチャンスを逃がすわけにはいかない。


「[身体加速][武器硬化]!」


[身体加速]の力で一瞬で相手の懐に潜り込む。


「[一閃]」


私の名前は水澤 沙耶(みずさわ さや)

職業は[侍]で結構レアな職業らしく10万人に一人ぐらいの職業らしい。

幼い頃から剣道を習ってはいたし、無難な職業な気がする。

レベルは41、夏蓮の無茶なレベル上げが心配で一緒に戦ってたら私もそこそこレベルが上がっていた。


[侍]の特徴としては高威力・手数の物理攻撃、その代わり防御や魔法関係が弱く、使い手を選ぶ職業らしい。

戦いでは[身体加速]による手数で相手の防御を崩し、相手に攻撃をさせる暇を与えずに戦っている。


私の放った[一閃]はワイバーンのお腹の鱗を両断し、かなりのダメージを与える。

このままラッシュして決めようと思っていたら後ろから声が聞こえる。


「最後は任せろ![武器強化][光神剣]……[スラッシュ]!」


「危っ!」


私は直ぐ様退避する。

彼の一撃はワイバーンのお腹を裂き致命的なダメージを与える。

ワイバーンはそのまま力尽き、死に絶えた。


今の一撃を放ったのは勇義 拓哉(ゆうぎ たくや)

職業は言わずもがな[勇者]でレベルは41。

レベルが高いのはいつも勝手に仲間の危険も気にせず、突っ込んで行き相手を攻撃しているので高いだけだ。

始めに言っておくけど、私はこいつが嫌いだ。

悪いやつじゃないのは分かる。

だが、人を思いやって行動することは出来るみたいだけど、人の視点に立つことが出来ずありがた迷惑状態だ。

それに、自分に都合の良い話ばっかり信用するところも嫌い。

そして最も大きな理由は私の最も大事な人である夏蓮とその想い人である彼を引き離したことだ。

3ヶ月前のあの日、王国の者の手に落ちたのか、魔族の手に落ちたのかは分からない。

だけどもし、夏蓮と彼が一緒にいれば大丈夫だったかもしれないし、もしダメだったとしても彼の死を目の当たりにすることで今のように彼が生きていると盲信しなくてすんだと思う。

彼の死に関しては私もまだ乗り越えてないけど、少なくとも彼が帰って来ることはないって理解できる。


中身はダメダメな勇義だが戦闘では前線から戦闘を支え、クラスメイト達の士気の点でも大きな役割を果たしている。そして魔物に非常に効果の高い[光魔法]による攻撃はかなりのもの。

実は[光魔法]は上位魔法属性より更に上の特異魔法属性と言われるものらしい。

特異魔法属性は使い手の数だけ魔法があると言われる物で十万人に一人くらいしか使えないらしい。

後天的にも覚えれるそうなので、夏蓮や供花ちゃんはいずれ覚えるんじゃないかと思う。


それと[光魔法]を使う者にしか扱えない光の聖剣アリステラを使っている。

この剣は他と同じく王国の宝物庫からお借りしているもので、先代の勇者が愛用していたものらしい。

最後の魔王を倒す戦いに何故か置いていった為のここにあるそうだ。

効果は[光魔法専用(SS)][魔物キラー(S)][魔族キラー(S)][光魔法強化(A)][武器強化(A)]というかなり破格な効果。


「よし!見たかな美樹さん!今の一撃!」


夏蓮は嘘の微笑みで答える。


「すごいい威力だったね。でも沙耶ちゃんが危なかったから次からは止めてね。」


そう告げると勇義はこちらを向き、


「水澤さんなら行けると信頼してたからさ。ね?」


気持ち悪い笑顔を向けてくる。

クラスの女子からは天使の笑みとか言われてるけど、私からすれば気持ち悪いだけだ。


「ふざけないで、下手すれば死んでたのよ。あんたにこんなこと言っても無駄でしょうけど二度としないで。」


「はぁ。君を信じてるからなのに……。」


しょんぼりするな。

落ち込みたいのはこっちだ。


「いやぁー中々良かったよ。これなら僕と同じくらい強いかもね。いやはや流石流石。」


この人はこの国の騎士団長レオンさんだ。


「本当ですかレオンさん。見ましたか今の一撃!」


「見た見た大したもんだよ。」


「私の[ハイヒール]はどうでしたか。」


「仲間が怪我してるのに冷静に聖魔法。中々の精神力だ。」


「ほんとうですか!やりました。」


皆はレオンさんを信用しているようだけど、私はあまり信用していない。

普通であれば、さっきの勇義の危険な攻撃を注意するはずだ。

なのになにも言わずに誉めている。

私達を強くするだけじゃなく別の目的があるとしか思えない。

そして決定的なのは時おり見せる表情。

レオンさんを警戒していて彼を観察すると勇義達を見る目が時々可愛いペットでも見ているかのようで恐ろしい。

とにかく警戒は怠れない。


表面上は仲良く結束しているように見えて裏では点でバラバラなこの八人が、クラスメイト達の中からバランス良く強い人を選抜したパーティーなのだ。

実はこの沙耶さん。

中良い人(信用している度数)によって呼び方が変わっているんです。


名字呼びすで(内心のみ)<<<名字さん(ちゃん)付け<<<名前さん付け<<<<<<名前・氏名呼び捨てという感じです。


そして本編中、沙耶さんが美月の名前を呼ばず彼と呼んでいたのは、まだ彼女も美月の死を乗り越えてないからなるべく意識しないようにしているためです。

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