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145話 妖精の思い

海から遠く離れた森の中に戻ってきた。


「やばすぎるだろ……。」


腕を見ると、[鉄装擊]で腕に纏っていた鉄が半分近く消し飛んでいる。


「クッソ……この鉄球分の鉄集めるのに、四時間も土から鉄成分を抽出したんだぞ!」


土魔法を使って集め直さないとな。


「そろそろ下ろしてよ………!」


「あっごめん。」


ヒスイを担いで走って逃げていたけど、軽すぎて持ってるの忘れてたわ。


「まあ、一応感謝しておくけど、輝夜が無理矢理レヴィアタンを見に行ったせいでもあるんだからね。私的には最低でも、リリアとニキスの二人も一緒に居るときに様子を見るべきだと思ってたわ。」


ヒスイは服を整えながら、そう言った。


「あれ?ヒスイはレヴィアタンの様子を見ることを反対してたんじゃないの?」


「私が否定してたのは、二人だけで様子を見に行くことよ。四人居れば反対はしなかったわ。………私的にも、レヴィアタンの強さは気になるし。」


「そうなのか…………。まあ、それにしても強い攻撃だったな。ヒスイの作ってくれた壁が、威力を弱めてくれてなかったら、ガードしきれたかどうか怪しかったよ。」


たった一発だけだったけど、最強クラスの片鱗を見た気がする。

出来ればステータスや見た目を見てみたかったけど、あれ以上二人だけで、ちょっかいかけるのは危険かもな。

かといって、わざわざ他の皆にお願いしてまで、レヴィアタンについて探る必要はないし。

触らぬ神になんとやらって奴だな。

それに、この島を出てこの世界を生きてれば、いつかレヴィアタンクラスの強さの敵にも出会えるだろう。

今回はあれだけで我慢しとくか。


「さて、あとはどうするかなぁ。」


「あのさ……ちょっと話が有るんだけど…………いい?」


「ん?良いけど?」


そういえば、ヒスイが自分からお願いしてきたのは、初めに僕に力を貸してくれた時以来か?


「輝夜達は、あと、数日でこの島を出て行っちゃうのよね。」


「まあ、そうだな。ヒスイのアドバイス通り、レヴィアタンが出産を終える前に島を出るつもりだけど………。」


「う、うん。私ね、あと、10日位で五百歳になるの。」


「へぇーそりゃめでたいなぁ。」


………………?ああぁ!

そういえば500才と言えば妖精が精霊になる歳か?


「私は、あと10日で精霊になる。だから私も一緒に連れていってほしいの。」


確か精霊になったら、生まれ育った土地を離れても大丈夫になるんだったっけ?

だけど一緒に連れていくか…………。


「連れていくってのは、この島の外の大陸までってこと?それともその先もずっとってこと?」


「出来れば、その先もずっと一緒に居れたらって思う………けど……。」


ヒスイをこの島から連れ出すということは、もしヒスイが外の世界が嫌になっても、500年間は帰ってこれないことなる。


それに、この島を出たなら沢山の人間に会うことになるだろう。

中には、悪いことを企んでいる人間も少なからずいるはずだ。

幾らヒスイが強くても、ずっと一人で生きてきたヒスイは純粋だ。

騙して、酷いことをしようとする人間が居たとしても、それを見破ることはできないと思う。


つまり、この島からヒスイを連れ出す以上、ヒスイの人生に責任を持ってやらないといけない。

今の俺にヒスイの人生を背負ってやれる程の力はあるのか?

…………分からない。

そういえばヒスイは、何でこの島を出たいんだ?

単に僕らとの別れが寂しいから着いてきたいってことなのか?


「ヒスイは何でこの島を出たいんだ?」

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