129話 妖精とは?
「でさ、ヒスイはどうゆう存在なの?」
「…………何なのその質問?」
「いや、僕は妖精だとか世界樹とか何にも知らないからさ。」
取り敢えず何も知らないから何でもいいから情報が欲しいんだけど………………。
「う~ん。話すのは構わないけど、私が知ってることなんてそう多くはないよ?」
「そうなのか?」
499歳という化け物じみた年齢からして相当の知識を有しているのかと思ったけど。
「そそ!だって私、人間に会ったのですら初めてなのよ?もちろん他の同族に会ったこともないわ。」
「!?…………そうなの?」
ニキスが驚いている。
正直、僕も同じくらい驚いた。
ヒスイは499年間、一人ぼっちだったんだろうか?
「そうなのよ。だから私が話せることなんて精々、自分とこの島の事くらいかな?」
「それだけの情報があれば十分だよ。」
まあ、情報が手に入るだけ有難いと思わないとな。
「そうね………………何から話そうかな?まあ、まずは妖精についてかな?輝夜は妖精についてどのくらい知ってる?」
「全く、妖精って存在がいることも今知ったってレベルだな。」
ってか輝夜って…………呼び捨てか、まあいいけど。
「うーん。妖精って存在は、生き物の思いや願いから生まれるのよ。」
日本で言うところの八百万の神の考え方に近いのか?
「だから、妖精はその感情や願いが途切れるとその存在が薄くなっていって消滅してしまうの。だから、思いを発生させている生き物が居なくなったり、妖精がその場所を離れてしまうと死んでしまうの。あとは、影響を受けた感情や願いの影響が妖精にも大きく影響したりするよ。」
なるほど、だからヒスイはこの島を出ることが出来ず、他の人間や妖精に会ったことが無いわけか。
「そして妖精は発生して500年間経つとその存在が固定化し、その地を離れて生活することが出来るのよ。まあ、元々生まれた土地にいた方が力も強いし、大体の精霊はその地に止まるんだけどね。」
ということは499歳のヒスイはそろそろ精霊に進化?するってことか。ステータスを勝手に鑑定した事を知られるのは不味いから言葉を選ばないと。
「なるほどね。妖精については大体理解したよ。それでヒスイ自体についての教えて欲しいんだけど。」
「それ聞いちゃう?そうね。私はこの島やその周囲にいる魔物達の世界樹に対する信仰心から生まれた存在よ。そして世界樹は土の下にある星の魔脈から魔力を吸い上げて、それを大気中に放出してるの。だから、この島の周りにいる魔物達は世界樹の放つ魔力を吸って生きている。海の魔物なんかはその魔力を求めてこの島の近海をナワバリにしてたりする奴もいるくらいだよ。だからこそこの島では全ての生き物の感情は、世界樹の妖精である私の力になるってわけよ。」
なるほど、この島にいる高レベルの魔物達の想いから生まれたからヒスイはこんなに強いわけか………………。
「まあ、私が知ってることと言えばそんな事くらいかな。」
あっ!そう言えば肝心な事を聞かないと。
「この島に一番近い大陸に行くにはどっちの方向に進めば良いの?」
「え?知らないよ。だってここから出たことないし。」
やっぱりか………………。まあ、島を出たことないんだから知らないよな。
船が偶然海を通りのを待つしかないのかな?
「あー、もしかしてこの島を出て他の所に行くために方向を知りたいの?それなら早めにこの島を出た方がいいよ。」
?なんでだ?
ノベルバにも投稿してみました。
なろうでも引き続き投稿しますので安心してください。
仕事はまだ忙しいのでもう少しの間は更新が安定しないです。
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