100話 可能性
リリアさんと二人とも逃げ切る方法を考えるとして、まず戦って勝って逃げる選択肢はないだろうな。
1対1でも勝てるがしない。
あとは、別ルートか？
城の周りは大きな壁に囲まれていて、その上には兵士が常に侵入者の監視をしている。
幾らレベルが上がってステータスが良くなっても10mはありそうな壁を登ることも難しいし、壁を乗り越えるルートは現実的じゃあないな。
他には…………ヤバイ何も思いつかない！
！そういえばダンジョンで手に入れたアイテムにステータス上昇効力のあるアイテムがあったな。
オーガの血丸薬か……。
でも、所詮ダンジョンの7層で手に入れたアイテムだからな。
あの層の適正レベルは…………たしか20レベル位だったか？
多少リスクのあるアイテムだが用法さえ守ってれば問題ないようだし、レベル20の人が手に入れれるアイテムで60レベルを越えている騎士団長をこ倒すのは無理だろうな。
あとはゴブリンの静外套か………………。
うーん。これと隠密術]を使って隠れて逃げる選択肢もあることにはあるが、ゴブリンの静外套というアイテムはどうみても森や暗闇のある空間で使うことを前提としているように見える。
表面は植物の葉や落ち葉、裏地は黒の革で出来ているため、こんな白色ばかりの城内で使えば逆に目だってしまう。
魔法による隠密効果があれどバレバレだろう。
これも使えないな。
他のアイテムはどうだろうか？
色々なアイテムを見てみる。色々なアイテムがあるが脱出に使えそうな物は見つからない。
………………？
目に入ったのはダンジョンに滞在する際にエミリア王女から渡された帰還の札だ。
これは使えるのではないだろうか？
幾つかの条件が合ってれば、今でも使用可能なんじゃないのか？
つまり、メリスタダンジョンの一層入口にワープできるかもしれない。
たしか条件は日数と重さ。あとはアイテムボックスの中身は半分の確率で無くなるってこと位か？
そう言えば[高位鑑定]で詳しく鑑定したことは無かったな。
一応確認しておくか。
帰還の札
このアイテムを入手したダンジョンの入口に戻ることが出来るアイテム。
ただし以下の条件を満たしている場合に限る。
・事前にダンジョンの入口で魔力を注ぐ
・ワープする本人を合わせて重さが150kg
・魔力を注いでから20日以内
上記の条件を満たしていない場合は効果が発動しない、もしくは、この世界の次元的に隔たりのない陸海空何れかにランダムにワープする。
また[ボックス]系のスキルを習得しているものは使用時にアイテムを50%程ロストする。
日数は問題ないかな？
魔力は当然15日位前に注いでいたから問題ない。
重さは、[アイテムボックス]内のアイテムを失いたくないから外に出してみたけど、僕達二人と全アイテムを足してみても150kgにはならないだろうな。
あと気になることは、もし失敗した場合のランダムワープについてエミリア王女は陸上の何処かと言っていたけど、鑑定結果は惑星上の何処かって感じだな。
恐らく陸上以外にランダムワープした人間は、地面の中は勿論即死、水中は殆んどの場合で水圧で圧死、上空は落下死することになるから、皆死んで分からなかったんだろうな。
勿論[高位鑑定]でアイテムを鑑定すれば分かったんだろうが、エミリア王女は[高位鑑定]を習得したばかりで、まだ帰還の札を鑑定したことが無かったんだろうな。
まあ、条件を満たして居るから問題ないな。
よし！今後の方針は。
まず帰還の札でメリスタについてワープする。
そして、町に入り、リリアさんを治療してもらう。
そして治ったら他国に一旦待避だな。
美樹ちゃんや沙耶さんは心配だけど、ここでへたに美樹ちゃん達に会いに行ってあの二人が国王に目を付けられても困るし、ここは二人には悪いけど何も話さずに国外に行くべきだな。
僕と違って二人は優秀職業だし、クラスの地位も高いから、そう簡単に悪いことをされたりはしないだろう。
よし！方針も決まったし帰還の札を使おうかな？
…………そう言えば、ラズリとニキスも[アイテムボックス]の中に閉まって置いてることになるのか？
うーん。アイテムはどうでもいいが二人は失えない。
取り敢えず、外に出して一緒に連れていこう。
「おいで二人にとも。」
ご飯でいつも二人を外に出してたから毎日合ってた筈なんだけど、何故か３ヶ月ぶりに会ったような感覚に感じる。何故だろうか？まあ、どうでもいいことだ。
「ムギムギュ？………………ムギ♪」【マスターもうご飯の時間でしゅか？】
二人とも何時もと違う時間に呼び出されて戸惑っている。ラズリはともかくニキスはおねむの時間のようだ。
「ごめんね。今は大変な状況なんだ。あとで説明するから取り敢えず僕に捕まってて。」
するとラズリは僕の頭の上、ニキスは肩の上に乗り僕の首筋に体を擦り付けてくる。
これでこの二匹が消えちゃうことは無くなったけど、どう考えても150kgを越えてるな。
持っているものうちどれかを[アイテムボックス]に入れないといけない。
うーん。psv○taやスマホはまだ失いたくない！やり込んだゲームデータが入ってるんだ！
そう考えると無駄に重くて使い道の無いジャイアントゴブリンの大太刀を[アイテムボックス]に閉まっておこう。
もしロストしなかったらラッキーだし、ロストしても使い道無いから諦めがつく。
よし！今度こそ帰還の札を使うぞ！
前回は忙しくて、後書きに何も書いて無かったですが、私は後書き書くのも読むのも好きなので、これからもどうでもいい私の私生活や、ちょっとした裏設定、あとは意見徴収や、露骨なブックマークや感想の催促などしていく予定です。(最後のは冗談でよ？)
そして今回はストーリー記念すべき100話です。
正直ちょっと前に半年だぁ～～！！イャッホーってやってたしそこまで喜びは無いんだけど、地味に嬉しかったです。
あと、今回は若干説明回臭が強かったですね。
まあ、一応書いとこうと思って色々書いてたら思ったより長かったので結局、帰還の札を使うとこまで行けなかったです。
因みに帰還の札初登場の説明シーンは55話[長期ダンジョン探索準備]にあり、使役獣の[アイテムボックス]収納可能設定は41話[ラズリとの探索]で少し説明してます。
あと、設定の矛盾の確認等もあるのでもしかしたら更新速度が予告なしに落ちるかも(その為の布石としてここ何日間かは隔日更新にしてたのだ！)
そして最後にいつも恒例のブックマーク・評価等待ってます！待ってます！待ってまぁ～すぅ～(フェードアウト)。
(結局最後は露骨な催促。すま↓ん↑)
