其之五|第八章|人質生活
「ふはははは!この事態を俺が予想していなかったとでも思ったか!だが、遅かったな!計画は順調に進行している!!次は俺達を見つける事も出来ないだろう!ここで仕留められなかった事を悔いるが良い!!アデュー!!」
私達はこの生活に飽きていた。
「うーん。その「アデュー」って何にでも付けるのって必要ですか? って、言うか。ここって発見される可能性は低いんですよね? そもそも、発見されて撤退する時の捨て台詞を練習する意味ってあるんですか?」
アレから一週間近くが経とうとしている。
「いや!伊丹妙子よ! 何が有るか分からんだろ? もし、ここが発見されたとしたらどうだ? 無様に慌てふためき逃げ出すだけでは相手を調子づかせるだけだ! 発見されたとしても、余裕を見せて退避し、華麗に逃げ切ってこそ、初めて発見されたと言う失態をカバーして、相手に精神的なダメージを与えられる。つまり、優位性を保持しようとするなら、常に色々な可能性を想定して準備を重ね、万が一の場合には相手に悔しさを植え付け、こちらの不利を相手に感じさせてはいけない。そう! その状況をも利用して相手に敗北感を感じさせてこそ優位に立てると言うものだ。それには日々の訓練は必須。いかにして撤退するかは悪の美学と言っても良いだろう?」
「へー。そうですかー。それはすごーい。」
私が連れ去られた初日には色々な話を聞き出せた。
それは自分の状況を知る上で良かったと言っても良いと思う。
最初は女神達が仕掛けたワードサーチを回避しつつ事情を聞き出す事に集中していたから問題は無かった。
女神達と黒木さんの事情をワードサーチの検閲を避けて聞き出すと言う作業は、面倒臭さが有っても、それなりに充実した時間だったと言えると思う。
それが、実に浅い理由で黒木さんが私達の住んでいた世界に島流しにされたのだと言う事実に明らかになり膝から崩れ落ちたとしても。
簡単に言うと親子喧嘩だ。とても下らない親子喧嘩に世界は巻き込まれた。
そして、今も彼女達はお父さんを、この世界に留める為に行動しているのだと思う。
黒木さんもそれは分かっている。彼女達の気持ちは。
でも、それが分かっていても黒木さんには自分が生きていた世界に戻らないといけない理由が有るそうだ。
うん。そこまでは良い。
NGワードを警戒して詳しい事情までは聞き出せなかったけど、神様の世界にも色々な事情が有るって事で納得しておこう。
魔王の黒木さんと女神達のお母さんの間に何があったのかも今は良しとしよう。
問題はその後だ。
こっちの方が切実だった。
事情は分かった。
話を聞き出すのに時間はそれほど掛からなかった。
時間がかからなかった。
それが思った以上に問題だった。
事情が分かった途端に話題が無くなった…。
それもそのはずだよね。
私と黒木さんの接点と言えばハルトさんだけ。
ハルトさんの友人であり、ハルトさんの敵であると言う事しか共通点は無いのだから仕方がない。
私からすれが閉鎖空間で知らないオジサンと二人っきり。
しかも、何千年も行きている年季の入ったオジサンだ。
もう、オジサンマスターと言って良いほどのオジサンなのだ。
いや!それってもうおじいちゃんだけど、おじいちゃんとは違う独特のオジサン感を醸し出していて…。
とてもツライ!!
私もツライけど黒木さんもツライと思う…。
黒木さんからしても、知らない女子高生と閉鎖空間で二人っきり。
ピチピチの女子高生と二人きりなのだ。
プロのオジサン過ぎて枯れてるのかは知らないけど貞操の危機は感じない、
だけど、会話がイチイチ苦しい…。
正直、「間が持たないよね!」って話…。
ファンタジー物でボスが姫とかヒロインを隔離する理由が今の私にはよくわかる…。
最初は「ヌハッハッハッハッ!お前にはこのまま人質になってもらうぞ!我が野望の為に役立ってもらおう!」とか、シリアス路線で話をしたとしても、何十日も拘束するとなるとダレてしまう上に会話もままならない。
さすがに「私を開放しなさい!」「フッフッフッ…。開放しろと言われて誰が素直に従うと言うのだ?己の立場を理解するのだな。」なんて会話を魔王が目標成就するまで続けるとか「どんな精神力なの?」って話だよね。
うんうん。そりゃ「牢屋にでもぶちこんでおけ!」と言って隔離するワケだ。
ぶっちゃけ、実のお父さんと二人きりって状況でも気まずい事だって有るのに、知らないオジサンとコレから何週間か二人きりとなると余計に気まずい。
ハルトさんくらいアレだったら、私としてもアレなんだけど、黒木さんに関してはハルトさんと違った方向でアレで、少々扱いにくいと言うのも気まずい原因なんだと思う。ポンコツ具合ではハルトさんと同じっぽい気がするけど、私としてはハルトさんの方がマシな気がするのはハルトさんの方が精神的に若いからかも知れない。
なぜ、私が親しくもない黒木さんと何週間も二人きりで過ごさないといけないのか。
正直、黒木さんだったら私なんて人質が居なくても一人で何とかなりそうな気がするんだけど聞かされた理由としてはこうだ。
黒木さんが最初に暮らしていた世界に戻るために優位な立場を維持したいらしい。
正直、私が人質としてこちら側に居たとしても、そこまで優位性を保てるかと言うと微妙な感じだと思うのだけど、黒木さんはそうは考えていないっぽい。
少なくとも色々な状況で私が交渉材料に使えると考えているらしい。
いやいや。色々と買いかぶりすぎですって!とは思うのだけど、黒木さん的にはハルトさんを意識しすぎているのか、それとなく「私の役割は女神ニコから逃げおおせた時点で終わってるし開放しても問題ないんじゃないですか?」と提案してみても、「晴人が!」とか「晴人なら」とか「晴人だったら!」とか、すんごい「ハルトさん」の名前が出てくる。どんだけハルトさんが好きなんだよ!ってくらいハルトさんの名前が出てくる…。
いや。私もそう言うカップリングとか嫌いじゃないけど…。
実際にこじらせているオジサンを目の当たりにしてしまうと正直ウザイ…。BLでも何でもそうだけどフィクションはフィクションだから面白いのであって、オジサンがオジサンを意識しすぎてヤキモキする姿は苦痛でしかなかった…。
まあ、私としてもハルトさんを意識して警戒してくれる限りは身の安全は保証されていると言う事だろうから安心はしているし、逃げ出そうとしない限りは命を失うような危険は無いだろうから心配はしていないのだけど…。
オッサンがオッサンを意識しすぎている姿は精神的にはキツかった。
自分の望まない物を無理やり見せられるのはある種の責め苦でしかない。
まあ、他にも色々と話を聞いた上で、今は逃げようとは思っていないのだけど。
色々な事情の一つとして、黒木さんは自分が最初に居た世界に戻り、何やら権利を移譲するがどうたらで一度自分が居た世界に戻りたいらしい。
うん。ボンヤリと事情を聞かされても意味がわかんない。
そう言う伏線張ってます的な物言いで自分の世界に入っちゃう人の話って詳しく聞こうとしても本題には繋がらないから「へー。そうなんですかー。すごーい。」で流した。聞かなかったら聞かなかったで聞いてほしそうにコッチを見てくるし。ホントに鬱陶しい。どうせ、聞いても言わないだろうから深くは聞かなかったけど。
ハッキリと黒木さんは言ってないけど「一度」と言う事は、自分が最初に居た世界で目的を達成した後は この世界に戻ってくるつもりが有ると言う事なのだと思う。
つまり、黒木さんの居た世界に戻って用事を済ませれば、この世界に戻って来るつもりで居るって事なんだと思うのだけど、私に聞かせた時の様に娘たちにも持って回った言い方をして、戻ってくるつもりが有ると言う事を伝えていないから、パパがもう戻って来ないと思った娘たちが黒木さんを止めたくて、私達の世界に島流しにされたのだと思う。
多分、このオジサンも一般的なご家庭のお父さんと同じく…。いや。一般的なご家庭のお父さんと以上に家族とのコミュニケーションが苦手なのかも知れない。
その割には娘ちゃんには、黒木さんって好かれているんだよね。少なくとも黒木さんの世界に行かせない為に私達の世界に島流しにしちゃうくらいには。
何だか良くわかんないけど、異世界を移動すると言うのはラノベとかのように気軽にホイホイ移動する事はできないらしいんだよね。
黒木さんも黒木さんでこの世界に立ち寄らずに私達の居た世界から自分の居た世界に直接戻れば良いような気がするって聞いてみたら、この世界に戻って来ないと黒木さんが最初に居た世界の位置座標を得られないのだとか。
それを知っていて女神達は何千年か前に黒木さんを私達の世界に島流しにしたのだと思う。黒木さんも女神ニコ達に見つかるのを覚悟でこの世界を経由しなければいけない理由があったワケだ。
そのせいで私は迷惑極まりない事態に巻き込まれていると言うのが現状…。
ホントにイイ迷惑だから出来れば私としては娘ちゃんと話をつけて穏便に元の世界に戻るか、もう一つの方法でさっさと黒木さんが最初に居た世界にお帰り願いたい。私はとっととお家に戻りたいのだから。
黒木さんが言うことにゃ異世界を移動するには二種類の方法が有るらしい。
一つは、黒木さんが現行で行おうとしている方法。
何でも双月日食の日には異世界への門が開くらしい。
条件はその世界によって色々らしいけど、多くは日食や月食が鍵になるのだとか。
私達の暮らしていた世界でも日食や月食が不吉だなんて言われる事が有るけど、異世界と繋がる機会だとするなら納得かも知れない。
異世界からこんな迷惑なオジサンがやって来ては迷惑としか言いようがないもの。
と、言う事で。私達はこの世界での異世界移動チャンスである双月日食を狙って潜伏していると言うワケだ。いや…。まぁ…。私は好き好んで潜伏しているワケじゃないのだけど。
もう一つの方法は膨大な魔力で無理やり異世界の門をこじ開ける方法だ。
私としてはこっちの方法を選択して欲しいのだけど、数千年前に黒木さんが島流しされた際には、こっちの方法を選んで無理やり移動しようとして女神達に座標を改ざんされると言う失態を演じ、私達の世界に島流しにされたらしく黒木さんは絶対にやらないと駄々をこねている。何でも膨大な魔力が必要な上に隙きが大きくて敵対者が居る時には失敗する可能性が高いのだとか。
いや…。だったら島流しになった時に、どうしてその方法を選んだのって感じだけど、色々な事情が有って仕方なくだったのだとか。
そんなこんなで私は黒木さんに付き合って潜伏を余儀なくされていた。
それは良い。それは我慢しよう。最終的に黒木さんは望む通りに事が運べば私は無事にお家に帰ることができる。
でも…。
「それでな?俺としては、やっぱり晴人の年齢を考えると「アデュー」は必要だと思うのだよ。あの世代は男女通して何らかの影響をあの作品に受けているはずだから外せないと思うのだが伊丹妙子はそうは思わないか?」
いい加減限界だった。
「って!言うか!!いい加減飽きました!悪の美学とかどうでも良いですから!もっと建設的な事を考えた方が良いんじゃないですか!?」
何が限界って毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日!
何時間も下らない「捨て台詞の練習」につきあわされる事だ!
気まずい。それは良い。仕方がない。親しくもない他人同士なんだから。
多分、同年代でも気まずい感じになる人だっているし、それがオジサンなんだから会話があまり無くても仕方がない。努力はするけど努力してダメなら仕方がない。
会話が続かない。それは良い。仕方がない。共通の話題はハルトさんだけだもん。
多分、他に共通点が有ったとしても何週間も一緒に居ればいずれは会話のネタも尽きるから仕方がない。しかも、閉鎖空間に潜伏しているんだから新たな話のネタなんて仕入れられないんだから、どうにも間が持たないのは仕方ない。
年齢差によるギャップ。それは良い。仕方がない。実のお父さんとだってアレ?っと思う様な話の食い違いも有るし、お父さんは嫌いじゃないけど変な空気になる事だってあるんだもん。実のお父さんでもそうなんだから、黒木さん相手ならなおさらだ。下手にオジサンっぽいから余計に質が悪いし、いっそおじいちゃん的な感じだったら余程マシなんじゃないかと思うけど、何と言うか色々な部分でオジサン臭い黒木さん相手なんだから仕方ないと諦めている。
でも…。でも…。話題も無くて気まずいからって捨て台詞の練習なんかに付き合わされるのにはウンザリしているを通り越して限界だった。
「だが!そうは言うが、伊丹妙子!万が一の時に噛んでしまったら恥ずかしいじゃないか!こう言うのは普段からの練習が大事でだな…」
「そう言うのは必要ないですから!もう良いですから!! 大体、練習しないと失敗してしまうような捨て台詞なんて必要無いでしょ? そう言うのって魂の奥底から溢れる言葉であって、練習してまで残す言葉じゃないですってば! そんな事してる暇が有るなら速やかに戦略的撤退をするべきですって! そんな事よりも!他のアジトの準備はどうなっているんですか?大体、「大丈夫だー。何か有っても逃げ出せるのがセーフハウスだー。」とかご高説を賜りましたけど、詳しく聞いたらここだって急造のセーフハウスで、昔使ってた所も確認しないと使い物になるか分からないって全然大丈夫じゃないんですけど!? 一昨日、その話をゲロってから何の進捗報告も無いじゃないですか!? 本気で逃げるつもりが有るなら定期的にアジトを変えて転々と身を隠すのが定石なんじゃないんですか!? 本気で逃げ通す気があります? 娘ちゃんと話しても理解してくれないだとか勝手に決めつけて逃げ回り、かと思ったら本気で逃げ回る準備もしない! その上、見つかりたいと言っているかの様に捨て台詞の練習? 逃げ通す気が無いなら早く開放して欲しいんですけど!?私だって暇じゃないんです! 早くお家に帰っていつもの生活に戻りたいんですけど!? 私からも追わないように説得しておきますから、勝手にどこにでも行って帰って来ないで下さい!!」
本当に限界で今まで溜め込んでいたモノは溢れ出した。
何よりも「だが」とか「でも」とか言い訳がましいのが最悪だ。
別に「言い訳」が悪いと言うことじゃない。
多くは順番の問題と言うだけで状況説明や事情の説明は必要な事だ。
自分のミスや不手際を謝りもせずに誤魔化そうする態度が問題なだけで、その状況に至った自分の不手際を「申し訳ありません。」と謝った上で「こうしようと思ってこうしたらこうなってしまいました。申し訳ありませんでした。」と経緯を話して重ねて謝れば、ある程度は済む話だと私は思っているし、そうしてくれたなら私なら「じゃあ、次はミスしないように、ここをこうしてね。」とアドバイスして終わる話だと思っている。
でも、黒木さんに関しては何を考えて捨て台詞に執着しているのか分からないけど、「だが」だとか「でも」だとかイチイチ言い訳して自分を正当化しようとする態度に我慢の限度を超えた。
自分の娘よりも年下の女子高生にキレられてシュンとする黒木さんを見て、若干だけど心が傷まなかったワケではないけど、取り敢えず捨て台詞の練習などと言う下らない些事に今後は付き合わされない為にも私はたたみかけた。
「で?娘ちゃんとも話し合いたくないと駄々をこねてる黒木さん? 逃げるなら逃げるで他のアジトの状況はどうなってるんですか? 下らない練習をする前に、ダメパパな黒木さんは心優しく可憐な協力者の私に進捗状況を逐一報告する必要が有るんじゃないですか? 私に協力して欲しいって言うなら当然だと思うんですけど? 私は人質だから報告出来ないってなら、それこそファンタジーの魔王よろしく私を牢屋にでも放り込んで隔離して話しかけないで欲しいんですけど? 正直、そっちの方がありがたいですからね! いい加減、私も意味のない練習に付き合わされるのはウンザリなんです! 私も一緒に反撃するってなら人数は多い方が良いのかも知れませんけど、私に限ってはそこまでするつもりなんて無いから、逃げると言う一点においては邪魔なだけだし、そんな下らない練習に付き合わせる為に自由にしているなら、いっそ隔離して下さいよ? 私を協力者として認めると言うなら必要な情報は共有して下さい。正直、おたくの親子喧嘩とか興味ないですから私としてはどっちでも良いんですけど? 取り敢えず、無駄な練習に付き合わされるのはヤメて下さい! せめて練習するなら娘ちゃんと話し合う為の練習でもしたらどうなんですか?」
私としては無意味な練習に付き合わされると言う面倒くさい事を回避出来て、なおかつ黒木さんが娘ちゃんと向き合ってくれればと思ってキレてみたのだけど、どうやらあまりにも黒木さんがウザすぎて文句の配分を間違えてしまったみたいだ。言い切った私を見る黒木さんの目には生気が無く、無理やり笑顔を作って乾いた笑い声を上げていた。
「いやぁ。アハハ…。すまなかったね。そんなに嫌がってるとは思ってなくてね。そこまで嫌だったなら、もっと早くに言ってくれれば良かったのに。何だかおじさん、気が付かなくてゴメンね。うん。おじさんちょっと牢屋に入って反省してくるから、伊丹妙子はリビングでノンビリしててね。アハハ…。」
と、乾いた笑い声を残して部屋からフラフラと退場しようとしている。
まったくもって面倒くさい…。
私としては情報共有をしてくれて、面倒くさい練習に付き合わされなければ問題ないと言うのに、黒木さんは思った以上にヘコんでいた。有りもしない牢屋に入って反省してくると言うくらいには。いや?仮にも魔王のアジトなんだから牢屋くらいあるのか?もしくは、魔法で拡張した空間なのだから増設も可能なのかも知れない。
でも、問題は牢屋の有無ではなくて、娘ちゃん逃げるとしても、娘ちゃんと話し合うとしても、情報共有をして前向きに行動して欲しいと言うだけ。それをどう拗らせれば牢屋に入ってくると言う結論に結びつくのか全くもって分からなかった。
「はいはい。そう言うのは必要ないです。牢屋に入って反省するなら情報共有してからにして下さい。あと、変な練習に付き合わされないなら文句もないんですからね。やりたかったら自分の部屋だけでやってくれれば良いだけですから。」
ヘソヘソと退場しようとする黒木さんの首根っこを捕まえて、私はリビングの椅子に彼を座らせる。
「それで?まず、何かあった時には逃げる事を前提として他のアジトの確保は出来たんですか?進捗状況の報告が無いですけど上手く行ってないとか?」
そして、黒木さんの対面に座ると私は出来るだけ簡素に、出来るだけ冷静に、黒木さんの目を見据えて問う。
黒木さんは目をそらし渋々ながら話し始めた。
「いや。セーフハウスの確保は問題ない。拡張端末を使ってそれは確認済みだ。」
と、言って手のひらに小さなSD黒木さんを作り出して私に見せた。不覚にも可愛らしいと思ってしまった事や、無駄にカワイイ造形にツッコミたくなったけど、話を逸らすと脱線して面倒くさい事になりそうだったから、喉元まで出かけた言葉をグっと飲み込み、コクンと頷くと続きを話すようにと視線で黒木さんを促した。
「拡張端末を使って起動すれば今すぐにでも準備は出来る。問題としては二つ。再開発されている街が多く近場に使える場所が無い事と、この周辺の結界が思ったよりも面倒くさい仕様だと言う事だ。」
「んん?どう言う事ですか?」
やっと、現状を話し始めた黒木さんだったけど、その話の意味が分からなかった。
この空間について簡単には説明されてはいるけど詳しくは知らないし、この周辺の結界が面倒臭い仕様と言う話に関しては、どうしてそんな面倒な所に逃げ込んだのか意味が分からなかった。私がスリープで眠らされている間にどこへ逃げ込んだのだろう。
「うむ。もっと詳しく説明しないと分からんか。良いか?伊丹妙子よ。この空間だけでなく空間拡張や空間形成を行う為の基礎は、時間や次元をずらす事で本来は無い空間を確保するのだ。 魔術や神術。何を応用して拡張領域を作り出すかの方法は違えど基本は変わらない。アプローチは違えど仕組みは同じだと言える。だが、ずれた時間や空間から戻れなくなっては意味が無い。この部屋も普段生活している世界と同じ環境に見えても別の場所なのだ。ゆえに拡張領域を作る際には設置場所にアンカーを打ち込む。アンカーを打ち込む事で設置場所との縁が発生し拡張領域からの帰還場所が固定されるワケだ。」
「エンって言うと良縁とか腐れ縁とかの縁ですか?」
私は魔術や神術には似つかわしくない「縁」言うワードに反応して思わず聞き直していた。私の質問に気を良くしたのか黒木さんは嬉しそうな顔で喜々として解説を始めた。どうやら、黒木さんもハルトさんと同じく教えたがりっぽい。
「そう。その「縁」だ。多くの魔術師などは帰還場所を設定しなければ拡張空間は発生しないと言う方程式として理解しているが、そこには術者と場所との縁が発生している。縁のチカラと言うのはユニット達が思っている以上に強固でな。繋がれた縁はちょっとやそっとでは切れる事はない。疎遠と言う言葉は実に言い得て妙だ。関係が疎かになって遠のくと書く。だが、縁が切れると言う事ではない。「遠」を「縁」と書かないのはその為だろう。それほどに一度結ばれた縁は強固なのだ。縁切り神社なんてのが有るだろ? 縁というのは細くなっても切れにくい。神頼みでもしないと縁は切れないと言う事を無意識に理解しているからなのだろうな。まあ、神頼みしても切れない縁と言うのも往々にして有るのだが。まあ、その説明は今は良いだろう。」
言い切ったと言う感じで満足そうなドヤ顔をする黒木さんに多少イラっとしたけど、今は良しとしておこう。理屈はよく分からないけど、世界には「縁」と言う謎の繋がりが有って、それは切れにくく、人間が意識せずに活用していると言う事実が有るっぽいと言う事が分かっただけで十分。元神様と言うか少なくとも女神達のパパである黒木さんのレベルでは、それが知覚出来るのかもしれないけど、一般人に近い駆け出しの魔法使いである私にとっては、今は見ることも感じる事も出来ない「縁」は有ると言う事だけ分かれば良いし、それを人間は無意識に拡張空間と地上との錨として利用していると言う事だけが知っておけば良いだろう。
ハルトさんと同じく黒木さんもここで褒めたり感心しすぎると調子に乗るのは目に見えているから「へー。縁ってホントに有るんですねー。」と軽く流し「では、続きをどうぞ。」と黒木さんの話の続きを促す。
あからさまに「しょぼーん」と言う表情をした黒木さんだったが、説明の途中だったと言う事を思い出したのか、気を取り直して続きを話しだした。
「だが、縁をアンカーにした固定方法にも問題が有ってな。その場所に変化が起こればアンカーはたちまち外れてしまう。例えば改装程度では縁は切れないが建物が無くなったり大きな変化があった時には縁は切れてしまう。場所や人物によって繋がれた縁は消えないが、亡くなった人物や無くなった建物との直接的な縁はそこで終わりだ。それを同じくして固定したアンカーも場所が無くなれば解除されると言うワケだ。つまり、俺があの当時に使っていたセーフハウスは街の再開発により無くなり、この周辺には使えるセーフハウスが無く、移動には多少のリスクが付きまとうと言うのが問題の一つだ。加えてもう一つの問題が…」
と、黒木さんが次の問題について話を切り替えようとした時、私の中で少し疑問が湧いた。黒木さんならドヤ顔で調子に乗って意気揚々と説明してくれそうだけど、調子に乗らせるのは面倒臭いなぁと思いつつも、好奇心が抑えられずに気がついたら疑問を口に出していた。
「あのー。さっきの話で少し疑問なんですけど。縁を錨にして出入口を固定するって言う話は何となくそう言う法則なんだって理解は出来るんですけど、それって緯度や経度を使った座標指定では効力って無いんですか?」
私が質問をすると黒木さんは良い笑顔を浮かべて「それは良い質問だ!」と言って意気揚々と解説し始める。あんたはどっかの塾講師やコメンテーターかとツッコミそうになるけど、面倒くさいので私は黙って解説を聞くことにした。
「確かに座標指定と言う方法も有る。だが、一般的でないのには理由が有ってな。一つは手続きが複雑だと言う事だ。建物と言う場所で出入口を固定できるのだから座標でも指定出来るだろうと試す者は多いだろうが、同じ様な手順で固定は出来ない。何故かと言うとそれはこの星との縁を深めると言う事に等しいからだ。大地は寛容で表面で生きる者に等しく恵みを与え、等しく試練を与える。植物、動物、人間。種族は関係ない。生命のゆりかごである星は良い意味でも悪い意味でも平等な存在なのだ。そんな平等な存在として設定されている星との縁を深めるのだ。地表面に有る建物などとは違い、星と縁を無理やり深めるとなると手続きも複雑化する。もちろん、同じ理由で解除にも手間が掛かる。星と縁を結んでおいて必要が無くなったからと行きずりの相手の様に縁を切れるワケではない。そこにもう一つの問題点が発生する。複雑な手順によって解除しない限り、何が有っても解除されないのだ。学校で習ったと思うが、大地と言うのは変化が無いように見えて常に動いている。時には大山脈は生まれるくらいのエネルギーを溜め込み爆発させる事だって有る。何百年も拡張空間に引きこもり研究をしていた魔法使いが、ある日研究を終えて外に出てみたら土の中って事だってあり得る。緯度・経度だけでなく高度も設定しないといけないからな。数百年前は平地だったとしても数百年後には山脈の中って事はざらに有る。外に出た瞬間に土の中では死んでしまうだろ?他にも色々な理由で座標指定と言うのは一般的ではないのだが、手間の割に使い勝手が悪いから発展しなかったと言うのが一番の理由だろうな。」
説明を終え「言い切った!」という感じの爽やかなおじさんスマイルを私に見せる黒木さんだったが正直ウザイ。そして説明が長い。詳しく知れたのは良いけど「色々な理由は有るが使い勝手が悪いから。」で、良かったんじゃないかと思うのですが…。
とか言うとヘコみそうなので言わない。だからと言って大げさに感謝すると付け上がるのは目に見えているので「へー。そうなんですね。有難うございました。では、問題についての説明に戻りましょう。」って感じの塩対応で軽く流す事にした。
黒木さんは「伊丹妙子は反応が薄いなぁ…。」とかブツブツ言いながらも、説明し切った充実感からか意外と機嫌良さそうに説明を再開する。
何と言うか…。反応は薄いものの娘に相手されて喜んでいるお父さんっぽくて正直しんどい…。面倒くさい…。
「さて、もう一つの問題なのだが…。この外には結界が張られていて実に面倒くさい構造になっている。ダンジョンから魔物を逃さない為の結界の様にも見えるが、実際にはテレポーターなどの移動系の術式で自由にダンジョンに出入りされるのを防ぐための結界なのだろうな。神術に絡ませて、巧みに魔術系の結界が張り巡らされている。ニナが使った降臨術式なら気にせず突破出来るのだろうが…。同じ様に無理やり突破しようとすれば痕跡が残り後々の問題を残しそうだ。強行突破して異常を知らせては少なくとも晴人は飛んでくるだろうし。堂々とダンジョンの出入口から出るとしてもモニターされているだろうから正攻法で出て行くのはリスクが高すぎる。取り敢えずこの結界の解析は進めているから場所を変えるとしても解析が終わってからになるだろう。」
「へー。そうなんですねー。黒木さんもうっかりさんですよねー。そんな面倒な所に逃げ込まなければ良かったのにー。ここ数日、一緒に居て思ってはいましたけど、黒木さんってシッカリしてそうで細かな所でワキがあまいですよねー。」
「ハハハ…。そう言うな。あの時は取り敢えず一時退避するのに必死だったからな。それに、この世界に戻ったと思ったらチヨが居るわ、フネが居るわ、晴人が居るわで状況を理解するのも一苦労。内心「え?どうしてチヨが居るの?え?フネ?意味が分からんぞ?オマケに晴人までどうして一緒にいるんだ?」って混乱していたからな。その上、ニナが現れて大混乱だ。お前達が雑談で繋いでくれたお蔭で何とか逃げ出せたが、いざダンジョンから脱出と言う段階になってダンジョンを覆う結界の存在に気がついてな。慌てふためいたが、お前達が雑談している間に行っていた地形サーチで見つけていた不審な空間に逃げ込んで難を逃れたと言うワケだ。さすがにあの時は肝が冷えたぞ。」
「あはは!あの時ってそんなに酷い状況だったんですねー!どうりで抱えられてる時に、しっとりとして温かかったワケですね!あの時、実は脇汗がドバドバ出てた感じですか!?」
「あぁ。面目ない!脇汗だけじゃなくて全身の毛穴と言う毛穴から汗が吹き出してたぞ!生きた心地がしなかったな!アハハハハ!」
「もー!魔王なのに肝っ玉が小さいですよー!黒木さんってば!アハハハハ!」
と。今、私達が抱えている問題の説明から、あの時の裏話になって何となく和んでしまったが、私の中で何か引っかかる感じがした。
確かに、あの時の黒木さんの立場なら生きた心地はしなかっただろう。魔王と呼ばれた黒木さんでも慌てふためくのも分かる。自我の有る生き物なのだから仕方ない事だ。ラノベとかファンタジーの魔王でも、きっとそれっぽい事を言っていても内心はどう考えているかは分からない。勇者と対峙した物語の魔王が心臓バクバクでハッタリをかましていたとしても不思議じゃない。
いや。そう言うことじゃない。私の中で引っかかっているのは…。
「あれ?今、ダンジョンがどうとかって言いました?」
「うん?そうだが。お前達とダンジョンで出会ってしまった時の話をしてたが?」
「いやいや!そうじゃないですよ!もっと前!もっと前!「堂々とダンジョンの出入口から」とか?「自由にダンジョンへ出入りされるのを防ぐ」とか!?」
「あぁ。言ったな。それがどうかしたのか?」
「え?え?もしかしてここって?」
「ここ?あー。言ってなかったか?ここはあのダンジョンの外れに有る謎のスペースだ。何やらルルデビルズの分け御霊やら、どこかで見た事の有る悪魔が生活しているみたいだが。彼らがどうしてここに集まっているのか分からないが、大きく見ればダンジョンの内部と言っても良いだろうな。」
ダ ン ジ ョ ン の 中 だ っ た ー ー ー ー ! ! !
黒木さんの話を聞いた感じだと、どうやら私達はダンジョン内に有るルルデビルズさん達の寮の近くに拡張空間を展開しているらしい…。多分、これまでの黒木さんの話を総合すると寮の中の空き部屋かどこかに拡張空間を作って陣取っているに違いなかった。
何たる失態。何たる迂闊!!
この空間から出る方法はイマイチ分からないけど、魔法少女装備を使って暴れまわっていたら、こちら側が壊れる事であちら側との縁が切れて拡張空間が解除されたんじゃない? ここから出られたならルルさんに助けを求めて、この面倒くさくてどーでも良い親子喧嘩に巻き込まれた状況から抜け出すチャンスが有ったんじゃない?
スリープで眠らされていて、どこに連れて来られていたのかも知らなかったとは言え、取り敢えずでも逃げ出そうとしなかった自分が恨めしい。もし、早い段階で逃げ出していたなら他の展開があったかも知れない。
「うん?どうかしたか?伊丹妙子よ?」
「いえ。自分の迂闊さに人の事は言えないなと落ち込んでるだけなんで少し放っておいて下さい…。」
とは、言うものの。事情を知った以上は、この脇のあまい魔王と言うか元神様っぽい存在のおじさんを放っておく事も出来なかっただろうし、少ししか話は出来なかったけど、あの無邪気な女神様との仲を取り持ちたいと言う気持ちも有った。
いや。まぁ…。どちらにしても私はこの問題から逃げ出さなかったかも知れない。
正直、親子喧嘩の結末なんてどーでも良いし、早く帰ってハルトさんからあの時の言葉の続きを根掘り葉掘り聞いてみたい。
でも、親子が勘違いですれ違い、お互い素直になれないなんて茶番は早く終わらせた方が良いに決っている。黒木さんは女神ニナが理解してくれないと思い込み、女神ニナは黒木さんがこの世界に戻ってくるつもりだと言う事を知らずに衝動的に行動をしている。
私にとってはホントにどーでも良い事だけど…。
「しょうがない。最後まで付き合いますか…。」
私は静かに決意した。この親子喧嘩に最後まで付き合うことを。
黒木さんの話からするとハルトさんがここを見つけられる可能性は限りなく低いと思う。チャンスが有るとするなら双月日食の当日だ。
ハルトさんの事だから、必ず双月日食がキーポイントとなると言う事実にたどり着いてくれるはず。向こうには女神ニナも居るし、アイリス王女だって居る。遅かれ早かれ双月日食と異世界移動の関係については触れなければいけない時期が来る。
こんな親子喧嘩に世界が巻き込まれたなんて事実はトップシークレットだと思うけど、ハルトさんならこの事情についてもある程度は引き出せるだろう。この世界に黒木さんが帰還した事を知っているのだから一定の情報は共有されるはず。
最悪でも双月日食の日には地上に出ないといけないと言う事は情報共有されるはずだ。そうなれば黒木さんを捕らえるための準備だってされるはず。その時に私が一瞬でも黒木さんを抑えられれば後はハルトさんが上手くやってくれる。
そう、信じてる。
そう。ハルトさんなら、私が連れ去られてオロオロしながらも問題解決に頭をフル回転させてくれるはずだ。
「フフフ…。」
オロオロするハルトさんの姿を思い浮かべると自然と笑いが込み上げた。今頃は立ち直って色々と動いていそうだけど、日頃から私を大事にしていなかった罰だ。この機会に反省をしてもらうためにも目一杯オロオロとしてもらおう。
「なんだ?さっきから?落ち込んだり笑ったり忙しいヤツだな。今後の方針についてもう少し詰めたいのだが、情緒不安定なら後日にしても良いがどうする?何なら今日は部屋に戻って休むか?練習に付き合うってもらっているのも、方針を決めるのに相談に乗ってもらっているのも俺の都合だからな。無理に付き合う必要は無いぞ?」
おっと。ここにもオロオロするオジサンが一人居た。
まったく…。どう見ても元神様にも見えず、神様と同じくらいのチカラを持った魔王には見えない。娘や娘と同年代の子供との接し方が分からずにオロオロとする普通のオジサンのようだ。
「大丈夫ですよー。どうするか決めるならチャッチャと決めてご飯にしましょう。下らない練習のせいでお腹空いてるんですよねー。そのまま話し始めたからお昼もまだじゃないですか?面倒な事は先に済ませてしまいましょ!」
普通のオジサンでしかない黒木さんは私が気を持ち直したのを見て明らかにホッとしたようだ。心配させるだけさせても良かったけど、すっかり気が抜けてお腹がすいた私は無駄な時間を消費するよりも一秒でも早く昼食にありつくために黒木さんに早く話すようにと促した。
「そうだな。もう、そんな時間か。早く済ませよう。それでだが、さっきも言ったがダンジョン周りの結界の解析を進めてはいるのだが、魔術と神術の複合術式は面倒でな。痕跡を残さずに脱出するのは難しいと思われる。最悪の場合は出来るだけの配慮をしつつ強行突破した後に簡易拡張空間を展開しながらテレポーターで移動する事になるのだが、この辺りで一番近いセーフハウスとなるとサンセキプク平原、では無くて今は黒帝山と呼ばれている辺りなのだが、あそこは俺がお前達の世界に飛ばされた場所でな。だとしたら、中心部の山には無理やり座標を変えられた弊害で時空の歪みが発生していてもおかしくはない。ならば、その場所は監視下に置かれているはずだ。だが、黒帝山周辺の情報や王家に関する情報にはプロテクトがかけてあって詳しい情報が取得できないのだ。黒帝山周辺の状況によっては他の候補を検討しないといけないのだが、伊丹妙子はその辺りの土地の状況について何か知らないか?」
あー。その話は前に聞いた気がする。
確か魔王封印の際に土地が隆起して出来たのがバリちゃんの住む黒帝山だったはずだ。でも、あの辺りは時空の歪みから魔王が帰還する事を警戒して結界が張られ特別警戒地域になっている。
でも、SD黒木さんで確認しているはずだから、セーフハウスの有る所に入れたと言う事は、黒帝山の近くと言ってもそれなりには距離が離れているのかな?
どちらにしても警戒地域に近いはずだから他の場所にした方が良いと伝えるべきだろうか…。
あの周辺はバリちゃんも定期的に巡回している地域なのだから見つかる可能性が有るかも知れない。黒木さんは腐っても元神様で、魔王と呼ばれた存在で、女神達が世界を巻き込んででも黒木さんの元居た世界に戻るのを止めようとした存在だ。バリちゃん一人で黒木さんを止められる事は出来ないだろう。
もし、話さずに私が誘導したなら、万が一の場合が有った時には黒木さんは一人で逃げて潜伏するだろう。言わなかった私を信用しつづけられずに。そうなったら最後、黒木さんと女神達の間を取り持つ事は出来ない。黒木さんは一人で元の世界に帰る。
最悪の場合は、数千年前の時と同じ様に大混乱の末に逃げおおせて二度とこの世界に戻って来ることは無いかも知れない。
そう考えた私は迷った末に黒帝山周辺の状況を素直に話す事にした。
その時だった。
部屋の中にアラームが響き渡る。
「クッ…。まさか本当に見つけ出したと言うのか?」
黒木さんが慌てて手を水平に振り上げる。
振り上げた空間にモニターの様な物が現れて出入口の様子が映し出された。
そこに映し出されたのはハルトさん達の姿だった。
どうも。となりの新兵ちゃんです。
気がつけば、この話を書き出してから一年が経ちました。早いですね…。
基本的に週一でアップしているので時間がかかるのは仕方ないのですが、毎日 何分かチョコチョコ書いて週末に清書してアップすると言う生活を一年も続けてるのだと思うと、何かアレです…。
特に最近は終了に向けて難産な事が多いので余計にアレです…。
それは良いとして今回は久々に妙子ちゃん回でした。
多分、ここで多めに出ておいてもらわないと最後まで出番なさそうだったと言う理由もあって。
本当にヒロインなのかと言うくらい今回は出番無かったですからね。
そろそろ出てきてもらわないと終わるに終われない。
まあ、次回も妙子ちゃんの出番はあまり無いですけど。最終話辺りで頑張ってもらいましょう。
と、言う事で今回もお付き合い頂きありがとうございました。
それでは、またいつか。




