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ハワイアンソウル  作者: Natary
ジェニー
31/48

癒し


“アンクルジェイ。また来てくれたの?”


子供たちの顔が輝く。



ジェニーが死んでから、ジェイは私財を投じて教会の中の施設の増強を決めた。

毎日のように子供たちへのプレゼントを持っては教会を訪れる。

すっかり穏やかになったアンクルジェイに子供たちはなついた。



“ほうら、絵本を読んであげるよ。アンクルジェイのところに集まっておいで。”


子供たちが歓声をあげて、ジェイのもとに集まる。


“ねえ、アンクルジェイ。ジェニーはどこに行ってしまったの?”



一番幼いエイミーがジェイの膝の上に上りながら聞く。



“ジェニーはね、天使になったんだ。眼には見えないけどいつも側にいるよ。”


“アンクルジェイ、ジェニーに会えなくて悲しい?”


エイミーが心配そうに言った。


“そうだね。少し悲しいよ。僕はジェニーを本当に愛していたからね。”


“I know!!アンクルジェイはジェニーが本当に好きだったよね。”


子供たちが自信たっぷりに言う。


“でもさ、ジェニーと会えてラッキーだったよね。”


エイミーが言った。


“だって、ジェニーに会えない人もいっぱいいるでしょ?”


“そうだね。”


ジェイは幼いエイミーの言葉に心を打たれる。


“本当に出会えただけで奇跡だよね。僕は最高にラッキーだったよ。最後の一週間、ジェニーを独り占めしたんだからね。”


“いいなぁ。ジェニーといたかったなぁ。”


子供たちが口々に言う。


“ジェニーといるとさ、とっても安心するんだ。”


“また会いたいなぁ。”


僕もだ。ジェイは心から思った。

けれど子供たちとジェニーの話をすると幸せな気持ちになった。


“僕の知らないジェニーをもっと教えて。ジェニーといつもどんなことしていたの?”


一つずつ、子供たちの声に耳を澄ます。


ふとジェニーの笑い声が聞こえた気がした。


“ジェニー、僕はこの歳になって生まれ変わった気分なんだ。”


ジェイは心の中で呼びかける。


“これでいいんだよな。ジェニー。”


ふふふとジェニーが微笑んだ顔が脳裏に蘇る。


“僕ももうすぐそっちへ行くよ。そしたらまた一緒にポトフを作ろう。

この次は同じ歳に生まれるように神様にお願いしよう。そしたら君と長い時間ともに生きれるからね。”


ジェイはたくさんの子供たちの笑顔を見ながら思った。僕はもう孤独じゃない。


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