表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
色の輝き  作者: レモネード
3/3

色の3原色の最後です。

「はい、いい子にしてたからあめ玉あげるね」

そう言ってお母さんがきよ子にあめ玉を渡した。

わたしは柱の陰に隠れてそっとそれを見た。

きよ子がいい子にしていられたのはわたしがいたからなのに…と思いながら。

きよ子は嬉しそうにあめ玉を受け取ってギュッと握って部屋に戻っていった。

わたしも後を追いかけて部屋に行き、廊下からなかをのぞいた。

きよ子は机の引き出しにそっとあめ玉をしまっていた。

それからきよ子は部屋を出て外に遊びに行った。

わたしは部屋に入り、きよ子の机の引き出しを開けた。

ころん、という音がして黄色い包み紙に包まれたあめ玉が転がってきた。

わたしはそれを握ると、スカートのポケットにそっと入れた。


きよ子が帰ってきた。

わたしは何も知らないふりをして自分の机に向かった。

きよ子は手を洗うとすぐに机の引き出しを開けた。

「お姉ちゃん、わたしのあめ玉知らない?」

きよ子がわたしにたずねた。わたしは

「え?知らないよ」

と言った。

きよ子はすたすたと部屋を出て行った。

遠くから声がする。

「お母さん、わたしのあめ玉知らない?」

「あら、ないの?でも、お母さんは知らないわよ」

「え?だってお姉ちゃんも知らないって言ってたよ」

「あら…。じゃあ、このあめ玉あげるから我慢して」

「いやだよ!わたしは黄色いあめ玉じゃないといやだもん!」

!!

わたしはきよ子の引き出しを開けると、あのあめ玉をそっと中に入れて、引出しを閉めた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ