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色の輝き  作者: レモネード
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あの日、夕日が山に沈んでゆくところを見ながら涙をほろりと流した結美は何を思っていたのだろう。

あの、オレンジ色の空に何を感じたのだろう。

結美の母がなくなったのも夕方だったそうだ。

やはり結美は母のことを思い出していたのだろうか。

母も父も祖母も祖父もみんな健康に暮らしている僕にはけっしてわからない感情を、あの時、結美は抱いていたのだろう。

でも、その時からか結美は明るさをなくしていったように思える。

前からおとなしい子だったけれど、暗くはなかった。あの時から、結美に暗さが加わっていったのだ。

そして、とうとう学校に来なくなり、家を訪ねても家は静まりかえっていた。

チャイムを鳴らしても、出るわけがない。

それをわかってはいながらも、チャイムを鳴らし続けていた僕は、今思えばいったい何を思っていたのだろう。

結美が僕の目の前で自分の喉にナイフを突き刺した時、僕は悲しみよりも苦しみよりも後悔していた。何故、あの時結美の苦しさに気付けなかったのだろう、と。

結美の喉から真っ赤な血が噴き出し、それが地面に溜まっても僕は何もできなかった…。

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